派遣社員1万人を調査! 実態と本音……「生活が充実」6割 | RBB TODAY
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派遣社員1万人を調査! 実態と本音……「生活が充実」6割

エンタープライズ その他
派遣で働くことの満足度(1)
  • 派遣で働くことの満足度(1)
  • 派遣で働くことの満足度(2)
  • 回答者の性別と年齢
  • 派遣就業の通算期間
  • 働いている業務
  • 賃金と勤務時間
  • 最初に派遣で働き始めた理由
  • 派遣先から「ウチで働かないか」と誘われたら?
 日本人材派遣協会は6日、派遣社員の就業条件や実際の働き方、満足度など、その実態や本音をあきらかにする「全国派遣社員1万人調査」の結果を発表した。派遣社員および派遣経験者を対象にしたもので、2007年より毎年、同協会が調査を実施、今回で7回目となる。

 実施時期は2012年10月1日~12月31日で、現在派遣で働いている人および派遣で働いた経験のある人1万0017人(回収総数1万0298)から回答を得た。

 まず派遣社員のプロフィールとしては、男性の比率が高まり、過去3年と比べて約1.5倍に増えているが、84.5%が女性だった。年齢層でもっとも多いのは35~39歳(24.3%)。30~34歳を合わせると30代で44.7%を占めている。次いで多いのが40代で、全体の平均年齢は37.1歳だった。未婚者は63.0%で、既婚者は37.0%。未婚者の約3分の2が単身者となっている。子育てをしている人は25.2%。家族の介護をしている人も約1割存在した。働き方のスタイルでは、現在の派遣先で「1年以上働いている人」が6割以上で、事務・営業系が中心。賃金形態は8割以上が「時給」で、「1日8時間」「月20~22日」の勤務が主流となっている。

 現在、派遣で働いている人と派遣で働いた経験のある人のうち、「正社員で働いたことがある」人は80.3%。そのうち現在は正社員を辞めている人の過半数(53.6%)が5年以上、正社員として勤務していた。派遣社員という働き方を選んだ理由のトップは「仕事と私生活の両立がしやすいため」(34.7%)。次いで「働く期間・時間を自分で選べるため」(32.1%)、「すぐ仕事に就けるため」(31.1%)となっている。「賃金が高いため」「雇用保険・健康保険・厚生年金に加入できるため」など待遇面の良さもあげられている。派遣社員の賃金は、時給にして全体平均1430円。全国の短時間労働者(パートタイム労働者)の平均時給は1026円で、派遣社員は約4割も上回っている。

 派遣での仕事の内容・やりがいについて「満足」「まあ満足」と答えた人は計49.6%とほぼ半数。「不満」「やや不満」と答えた人(計25.2%)を大きく上回っている。労働時間と休日数についても「満足」「まあ満足」と答えた人は計67.0%で、「不満」 「やや不満」と答えた人(計15.1%)を上回っている。また、派遣で働く中での「生活の充実感」を尋ねると、「満足」「まあ満足」の合計は59.4%に達している。なお福利厚生については、「満足」「まあ満足」と答えた人は計30.6%、「不満」「やや不満」と答えた人は計29.6%で拮抗している。

 一方で、教育訓練・能力開発については「不満」「やや不満」と答えた人が計30.4%で、「満足」「まあ満足」と答えた人(計22.9%)を上回っている。人事評価と処遇についても「満足」「まあ満足」と答えた人が計30.4%であったのに対し、「不満」「やや不満」と答えた人は計37.1%。雇用の安定性についても、「不満」「やや不満」と答えた人は計53.4%で、「満足」を大きく上回っている。なお、派遣先の企業から直接雇用を「打診されたことがある」人は40.8%。正社員としての雇用を打診された人も17.1%いた。

 次に、「これからも派遣社員として、どのくらいまで働きたいか」を聞いたところ、44.2%の人が派遣で「働ける限り続けたい」と回答した。1年以内や3年以内など、期間を決めて働きたいと考えている人は計29.0%だった。期間を決めて働きたいと考えている人に「派遣で働いた後にどのような働き方を望むか」を尋ねたところ、52.1%の人が「正社員」と回答している。

 また、「将来、つきたい仕事や目指しているキャリアがある」とした人は61.0%だった。将来、つきたい仕事や目指すキャリアの実現に、何が役立つか尋ねたところ、「派遣先の仕事を通して」と50.8%の人が回答。多くの人がOJT(企業内教育)を求めている実態が明らかとなった。さらに、目指すキャリアの実現に役立つこととして、「1つの派遣先で長く就業する」と答えた人が73.4%、「同一職種を深める」と答えた人が61.1%となっており、“同じ派遣先でさまざまな仕事を経験しながら働き続けたい”と考えている人が多数派となっている。そのためか、専門26業務(派遣期間制限のない26種類の業務。付随業務の範囲が限定的で、 決められた業務以外を行いづらい)のように、業務区分が細かく定められていることについて、「わかりづらい」「働きづらい」など否定的にとらえている人が多かった。

 なお、アンケートに書き込まれたコメントには、「派遣法改正のたびに状況が厳しくなる」「現場の声を届けてほしい」など、希望する働き方と法制度のミスマッチを感じる声、派遣社員の実情に理解を求める声が目立ったという。派遣社員の人から人材派遣業界に求めることで、もっとも多かったのが「切れ目なく仕事を紹介し続けられること」(51.9%)。「派遣先への正社員登用の推進」や「派遣元と派遣社員の信頼関係の構築」など、派遣会社への要望も上位にあがった。
《冨岡晶》
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