伊藤忠ファッションシステム、少数精鋭のシンクタンク「ifs未来研究所」を創設 | RBB TODAY

伊藤忠ファッションシステム、少数精鋭のシンクタンク「ifs未来研究所」を創設

 29日、伊藤忠ファッションシステムは、生活者の延長線上にある未来を考えるという新しいタイプのシンクタンク「ifs未来研究所」を立ち上げると発表した。

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ifs未来研究所のメンバー
  • ifs未来研究所のメンバー
  • ifs未来研究所 所長 川島蓉子氏
  • 伊藤忠商事 代表取締役社長 岡藤正広氏
  • ifs未来研究所を作った理由
  • ifs未来研究所の5つの活動コンセプト
  • 未来のお菓子プロジェクト<ひとひ>
  • 未来の入浴剤プロジェクト<バスオイルと泡>
  • ifs未来研究所のメンバー(後列)とプロジェクトに協力した虎屋およびポーラ化粧品の担当者
 29日、伊藤忠ファッションシステムは、生活者の延長線上にある未来を考える、というコンセプトのシンクタンク「ifs未来研究所」を立ち上げると発表した。

 伊藤忠ファッションシステムは、企業のブランディング戦略や商品開発などのコンサルティングを手掛ける企業。その活動の中、多くの企業から「研究開発を行える余裕がない」「セクションを横断するプロジェクトが組みづらい」といった声を聞き、そのような課題に応える機関として、「ifs未来研究所」を立ち上げたという。

 所長には企業ブランドやマーケティング関連の著書が多く、新聞や経済誌への寄稿も多い川島蓉子氏が就任する。川島氏はGマークの審査委員も務めている。立ち上げから1年は川島氏の他、各界から7名のプロフェッショナルを集め、総勢8名という少数精鋭の組織として活動を始める。川島氏以下7名は、経営コンサルタントの唐川靖弘氏(コーネル大学経営学院 SGE センター研究員)、プロダクトデザイナーの酒井俊彦(サカイデザインアソシエイツ代表)、建築家の田根剛氏(DORELL.GHOTMEH.TANE/ARCHITECTS)、ジャーナリストの林信行氏(フリーランス)、ファッションデザイナーの廣川玉枝氏(SOMA DESIGN)、ビジュアルクリエイターの福井武(SOMA DESIGN)、デザインエンジニアの渡邉康太郎氏となっている。

 発表会の冒頭では、ifs未来研究所の応援団の代表として伊藤忠商事 代表取締役社長 岡藤正広氏が「伊藤忠ファッションシステムは、30年以上前に私がブランドビジネスを手掛けるきっかけとなった会社です。当時から女性が活躍する会社で、勘定を預かる伊藤忠商事と、感情を扱うファッションシステムのコンビネーションでやってきました。これらの資産、人材、人脈を生かして、ifs未来研究所は社会に役立つものを作ってくれるのではと信じております」とエールを送った。

 続いて川島氏が、ifs未来研究を作ろうと思った理由について、次のように語った。未来には、「私のいる未来」と「私のいない未来」があるという。前者は今日の延長線上にあるものだが、後者は「私」や生活とかけ離れたところで議論されるものだ。これまで企業が語る未来は後者の未来ばかりだった。それは氏の考える未来ではないとし、研究所のミッションとして「今日は未来だと思います」というメッセージとともに「私のいる未来」について分析・研究を行っていくとした。

 その活動のコンセプトとして、「未来を、提案する。」「未来を、イメージする。」「未来を、伝える。」「未来を、共有する。」「未来の、仲間たち。」の5つを挙げた。具体的には、常識にとらわれないプロジェクトの提案、情報を集めて深く掘り下げること、成果のイベント、展覧会、映像、書籍といった形での発信、セミナーやワークショップ等の開催などの活動を予定している。川島氏は、12月には中間報告会のようなイベントを企画していることも発表した。

 最後にifs未来研究所のパイロットプロジェクトとして2つのプロジェクトが発表された。ひとつは、虎屋と共同で実施した「未来のお菓子プロジェクト <ひとひ>」だ。一日と書いて「ひとひ」と読ませるこのプロジェクトは、季節の移ろいを表現する和菓子に、1日の生活の流れとそこに必要な栄養をとるという機能を持たせたコンセプト和菓子を開発するというものだ。もうひとつは「未来の入浴剤プロジェクト <バスオイルと泡>」。こちらはポーラ・オルビスホールディングスとのプロジェクトで、発泡剤入りの入浴剤とバスオイルをひとつの容器に収め、最初にバスオイルの色と香りを楽しみ、炭酸ガスの泡で疲れを癒してくれる商品となる。

 プロジェクトに協力した、虎屋 営業担当取締役 増田久子氏は「和菓子は未来というより伝統を重んじるものですが、今日の延長にある未来というのは伝統ともつながるものです」とコメント。また、ポーラ化成工業 研究所 赤松尚氏は「オイルと入浴剤をカプセルに入れるなどチャレンジの多い開発でしたが、非常に刺激になりました」とした。

 景気が上向き始めている今、日本企業も価格競争力だけでなく、ブランド力や付加価値の高い商品開発や戦略に目を向けるときにきているのではないだろうか。ifs未来研究所のような取り組みは今後増えてくるかもしれない。
《中尾真二》

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