オートデスクが考える製造業の3D活用と新潮流……クラウドや3Dプリンタで製造革命! 2ページ目 | RBB TODAY
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オートデスクが考える製造業の3D活用と新潮流……クラウドや3Dプリンタで製造革命!

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
Autodesk アジアパシフィック上級副社長のパット・ウィリアムス氏
  • Autodesk アジアパシフィック上級副社長のパット・ウィリアムス氏
  • デジタルプロトタイピングのプロセス。デザインとエンジニアリング、テストとヴァリデーション(確認・検証)、製造・生産というプロセスを管理しながら回していく
  • 従来の生産開発手法。初期段階でデジタルデータが活かされず、後になって欠陥などが見つかると、コストが跳ね上がってしまうという問題があった
  • デジタルプロトタイピングのアドバンテージ
  • 「Factory Design Suite」。工場設備のレイアウトを3次元でビジュアル化し、最適配置することで製造コストを下げられる
  • ノートPCやタブレット端末など、モバイル機器の性能がアップ。こうした端末からCADを積極的に活用できるようになり、パーソナルユースも多くなった
  • 武藤工業のブースで展示されていたパーソナル3Dプリンタ「3DTOUCH」
  • 3DTOUCHの成果物。あまり精度にこだわらなければ何でもできてしまう

 ある調査会社が製造業の成長戦略に関するアンケートを実施した結果、「イノベーションやカスタマイゼーションによるによる差別化、グローバル市場でのダイレクトな競争が上位40%以上を占めた」という。そして、「オートデスクのデザインツールやクラウドソリューションなどを組み合わせることで、こうした成長戦略を実現できるようになる」とのこと。

 デジタルプロトタイピングは、デジタル環境下でデータを共有し、さまざまなデザインに関するメリットを提供してくれる手法だ。従来の製品開発の手法では、初期の概念設計段階でデジタルデータはほとんど利用されなかった。しかし本来ならば初期段階こそ、柔軟性のある手法が求められる。もしエンジニアリングの段階になって欠陥などが見つかると、元に戻って一から設計しなおさなければならず、生産性が落ちてコストだけが上がってしまうことになる。

 一方で、デジタルプロトタイピングという手法は2つの大きなメリットがある。「早期の段階において、設計した製品を全体的に把握でき、データ喪失がなくなるという点が1つ。またデジタル設計の中で、元に戻って数多くのプロトタイピング(試作)が可能になる点だ」。デジタルプロトタイピングは、どこでも設計を可能にし、データを共有できる手法であり、さまざま試作で事前検証が行なえる。結果として、製造分野に関わらず生産性が向上し、良い製品を素早く市場投入することで、グローバル競争力を強化できるわけだ。

 では、デジタルプロトタイピングを実現するオートデスク製品にはどのようなものがあるのだろうか? 3Dモデリング、シミュレーション、ビジュアライゼーション、PLMのすべてをサポートするスイートとして、同社の「Product Design Suite」が挙げられる。「これを使うことにより、複数のデザインを並行して進めて、早い段階で設計を視覚化できる。実際にモノが作られる前のデジタル段階でさまざまな検証が可能になった。シミュレーションによって実性能の予測も行なえる」。たとえば構造物に応力を加えたり、機械部品にかかる動的負荷を解析したり、経済的・環境的に望ましい素材を選択することもできる。こういったことをWeb上やモバイルからクラウド経由でコラボレーションできるようになったのだ。

 もう1つ、同氏がデジタルプロトタイピング・ソリューションとして紹介したのが「Factory Design Suite」。製造業業では、工場内の生産設備やオフィス内の設備配置など、モノ自体の配置も重要な要素になる。その配置方法がそのままコストに影響してくるからだ。「Factory Design Suiteは、2次元と3次元で互換性を持つ、工場設備のレイアウト設計に適したソリューションだ。2次元のAutoCADと3次元のAutodesk Inventorのアセンブリ機能が同期して、変更したデータが双方で反映される。そして3D化されたビジュアルを見ながら、工場設備のさまざまなシナリオを考えて、レイアウトを最適化できる」。

 Factory Design Suiteでは、工場設備に関する標準ライブラリも用意されている。また、クラウドベースでパラメータを使った工場用生産設備のコンテンツも利用できる。たとえばコンベアなど資材搬送設備の寸法を変えて、レイアウトに適用できるため、使い勝手がよく、設計検討プロセスのスピードアップが図れるとのことだ。

《井上猛雄》
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