【木暮祐一のモバイルウォッチ】第26回 子どものスマホデビューに最適な1台、ドコモ「SH-06E」 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第26回 子どものスマホデビューに最適な1台、ドコモ「SH-06E」

 筆者は首都圏の主要大学に通う学生のモバイル利用実態を過去6年にわたって調査してきたが、最新のデータ(2012年7月実施)ではすでに大学生の79.4%がスマートフォンを所持するに至っている。

IT・デジタル スマートフォン
iPhone 4/4Sとほぼ同サイズ。子どもの手でも使いやすい。
  • iPhone 4/4Sとほぼ同サイズ。子どもの手でも使いやすい。
  • アプリ一覧を表示させると、Google関連のアイコンが見当たらないことに気がつく。Google PlayやGmailなどは使えない。
  • 保護者設定からは各種制限を設定できる。たとえばアプリごとに制限をかけることも。
  • スマートフォンを利用できる時間も制限をかけられる。曜日ごとの制限も可能。
  • 時間割アプリ、おこづかい帳アプリなど、子どもたちの生活に役立つ機能も搭載。赤外線通信、おサイフケータイも装備。
 筆者は首都圏の主要大学に通う学生のモバイル利用実態を過去6年にわたって調査してきたが、最新のデータ(2012年7月実施)ではすでに大学生の79.4%がスマートフォンを所持するに至っている。もはや学生生活にスマートフォンは欠かせないツールということなのだろう。こうした学生たちのケータイデビューは小学校高学年~中学校在学中にピークを迎えているが、このデビュー年齢も年々低年齢化してきている。そして昨今の量販店等のケータイ売り場はまさにスマートフォン一色となっており、子どもたちがケータイデビューを果たす際の最初の端末が「スマートフォン」ということももはや避けられない状況に来た。

 一方で、いわば何でもできてしまうスマートフォンをいきなり子どもに持たせるのは危険と考える向きもある。筆者はケータイとスマートフォンの違いについて解説する機会が多いが、従来型のケータイはあくまで「電話が多機能化したもの」。通話機能が最優先されており、その中に通信キャリアが推奨する各種機能やコンテンツが並べられている。一方、スマートフォンは「手のひらで利用可能なコンピュータで、それに通信・通話機能も備えたもの」である。ケータイのほうは、あくまで通信事業を展開する上で必要な端末であるので、通信事業者はその端末で利用される機能についてある程度責任を持ってくれる。たとえばアドレス帳のデータを第三者が活用することなどは従来のケータイではありえないことであり、通信事業者がしっかりアドレス帳にアクセスできないようブロックしてくれていた。一方のスマートフォンは、あくまで「通信・通話可能なコンピュータ」であるので、その中で利用するアプリ等はユーザーの自己責任。さらに端末内で扱われるデータの管理も通信事業者の責任範囲外。ということで、スマートフォンを利用するというのは、少なくともコンピュータを使いこなすのと同じぐらいの責任がユーザーに発生する。これを心得ずにスマートフォンに機種変更しようものなら、たちまちトラブルに巻き込まれてしまうのである。

 スマートフォンを欲しがる子どもたちに対して親御さんがここまで心得ているかどうか分からないが、ともかくスマートフォンはコンピュータと同じで「利用に制約をかけるのが難しい」端末であったので、安易に子どもに与えることを避けてきたはずである。従来型のケータイではフィルタリングや利用時間制限などがある程度充実していたが、スマートフォンにはそうした機能が不十分であり、たとえばフィルタリングを設定したとしても抜け道だらけで役に立たないような状況であった。それでも、世の中至る所に「スマートフォン」という言葉が踊っている中で、子どもたちが欲しがるのも無理はない。こうした時代背景の中で、子どもが安心して利用できるスマートフォンの開発が急務となったわけである。

■ジュニア向けスマートフォンの中身

 そうした中で、NTTドコモは今月から「スマートフォン for ジュニア SH-05E」(以下、SH-05E)の発売を開始した。外見はシンプルなスマートフォンそのものであるが、子どもの利用を想定した、各種制約機能が充実している。筆者も早速実機を触る機会を得たので、その内容をご紹介しよう。

 まずこの端末の第一印象だが、従来ジュニアやキッズ向けに開発されてきたいわゆる子ども向けケータイ特有のデザインやインターフェイスは避けられており、大人向けのスマートフォンとそん色ないところはスマートフォンを欲しがるジュニアにも満足いく端末として仕上がっているのではないか。外寸はiPhone4/4Sなどとほぼ同じで、大人の手でも程よい大きさといえ、スマートフォンのサイズとしては理想的なものだろう。とくに子どもの利用を想定して小型化するような方向に走らなかったところは大いに評価したい。ディスプレイ上の操作インターフェイスも、一般的なAndroidスマートフォンと大きな違いはない。大人が利用しても何ら違和感なさそうに仕上がっている。プラットフォームはAndroid 4.0を採用。

 アプリ一覧を開いてまず驚かされたのは「Google Play」が見当たらないこと。つまりアプリのダウンロードをdメニューのみに限定することで、不必要なアプリをインストールさせないように制限している。さらにSH-05Eには、AndroidスマートフォンでありながらGoogle関連サービスは一切搭載されていない。AndroidスマートフォンというとGmailやEメールのアプリがプリインストールされているものだが、これも見当たらない。利用できるのはspモードメールのみとなる。また、この端末にはWi-Fi機能が搭載されておらず、通信する場合はNTTドコモのモバイルネットワーク経由(FOMA、Xi)のみとなっている。つまりspモードを経由したインターネットアクセスに限定することで、spモードのフィルタリング機能を徹底させているのである。一般的なスマートフォンであると、通信経路(モバイルネットワークの他にWi-Fiなどの通信機能が備えられている)や通信手段(ブラウザやメーラーに制約はない)が多様なためフィルタリング機能が役立たなかったが、SH-05Eでは端末機能として通信経路と通信手段を限定しているため、NTTドコモが提供するフィルタリング機能を十分に生かすことができる。

 また、SH-05Eには保護者設定メニューが用意され、保護者が必要に応じて端末の機能や利用に制限を設定することができる。たとえば、端末の利用時間の制約が可能である。通話可能な時間帯といった制約のほか、ゲームなどアプリの利用しすぎを制限するため、端末自体の利用可能時間を1~6時間に制限を設けることができる。曜日ごとに制限を変えることもできるなど、きめ細かな設定が可能だ。通話やメールの相手も、アドレス帳に登録された相手のみに制約をかけられる。またインストールされているアプリごとに利用制限をかけることもできる。たとえばブラウザや、音楽プレーヤーは使用させない、といった設定が可能である。ブラウザまで制約をかけてしまったらスマートフォンの意味が無いのではとも思う一面があるが、やはり初めて所持するスマートフォンということであれば、段階的に機能の利用を許可していくことで、安全にそして健全にスマートフォンを利用させることを学ばせていくというのもうなずけるものだ。

■どんな利用をしているかを知ることが重要

 子どもがケータイやスマートフォンを欲しがる理由は色々あるが、こうしたモバイル端末を初めて子どもに持たせる際は、「なぜケータイやスマートフォンが必要なのか」を親子でよく話し合った上で購入すべきと考える。案外「周りの友人たちがみんな持っているから」というような安易な理由で欲しがるケースが多いようだが、やはりきちんと購入前には親子で話し合った上で、何らかの覚書も交わしておくことをお勧めしたい。その中には、次のことを明記すべきだ。

1.どういう目的で利用したいのか
 これは、それ以外の目的では使わせない(制限をかける)という理由付けにもなる。

2.そうした利用をすることで自分にどんなメリットがあるのか
 役立たないのであれば、所持することを見直すきっかけにできる。

3.通信料がいくらぐらいかかり、誰が負担するのか
 通信料金、通話料金について、その感覚を子どもが知っておくことは、使いすぎに歯止めをかけることにもなる。

 最低限、これぐらいのことを親子で理解しあってから活用すべきだろう。そして、日々のモバイル端末の活用の状況を、親が知っておく必要もある。どのような相手とメールや電話をやり取りしているのか、その内容がどのようなものなのか、インターネットやアプリなどはどのようなコンテンツを使用しているのか、などである。

 スマートフォンや、さらにパソコンといった情報機器は、社会人になればもはや利用を避けられないツールである。こうした情報機器を使いこなしていくことが現代社会で生きるために最小限求められるようになっていく。そうした中で、いつかは必ずスマートフォンデビューの時が来る。そのタイミングがどんどん低年齢化しているわけだが、安全を考えればそうしたユーザーには段階的に情報機器の利活用の手段を身につけていくことが必要になってくる。SH-05Eは、ユーザーのリテラシーに応じて段階的に機能制限を設定できるので、初めてスマートフォンデビューする際の最初の端末として最適であると感じた。
《RBB TODAY》

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