【ERPの最新動向 Vol.5】モバイル対応進むERP……活用ポイントと実際(後編) | RBB TODAY

【ERPの最新動向 Vol.5】モバイル対応進むERP……活用ポイントと実際(後編)

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

インタビューを受けてくれた3名
  • インタビューを受けてくれた3名
  • OSK 製品開発部 製品開発統括課 シニアマネージャー 堀重教氏
  • OSK マーケティング部 部長 笹原直樹氏
  • OSK 技術支援部 開発技術課 シニアマネージャー 杉村厚氏
  • 顧客マスター(得意先照会)にアクセス。CAB for Mobileで電話番号、メールアドレス、得意先のWebサイト、Google mapのリンクなどをカスタム設計
  • モバイルで在庫照会から、受注入力、注文請書までを一気に処理できる点は嬉しいところだ
  • 商談後に営業日報を入力
  • 社員検索の用途も可能。人事システム側のデータを引っ張って社員検索を行う
 モバイル市場が拡大する中、基幹業務システムにおいてもモバイル対応が求められるようになってきた。そんな中、前編では、モバイル対応を開始したOSKのERPパッケージ「SMILE BS」シリーズと、「SMILE BS」シリーズに関わるデータをモバイルに対応できるようにする開発ツール「CAB(Custom AP Builder) for Mobile」について紹介した。後編からは、「CAB for Mobile」で作成したモバイル画面の活用ポイントについて詳しくみていこう。

 たとえば、顧客マスター(得意先照会)にアクセスすると、現在の得意先の詳細情報が表示される。「担当が異なる営業マンが得意先に訪問する際、電話番号、メールアドレスの表示はもちろん、得意先のWebサイトやGoogle mapが参照できるように、端末に合わせてカスタム設計することができます」(OSK 技術支援部 開発技術課 杉村厚氏)。もちろん得意先の売上推移や在庫照会も簡単だ。得意先で商談を行っているときに、モバイル端末で在庫確認の画面に入り、現時点の商品の在庫や入荷予定をリアルタイムに確認できるため、納期を即答できる。さらに受注登録処理を行い、注文請書を手持ちの小型プリンターなどで印刷したり、その場でPDF化して担当者にメールで送ることも可能だ。商談が終われば、モバイル端末から営業日報を入力できる。電車で移動する際の隙間時間を有効に使って処理すれば、残業をする必要もなくなるし、そのまま直帰することもできる。このように事務処理をその場で行えるため、業務効率が向上するのだという。

 また、営業マンだけでなく、経営層にとってもモバイル対応は有効であることを実感できるはずだ。「特に今回の開発ポイントは、経営者がiPadのような大画面のタブレット端末を使える点だと思います。ある月に一番売れている商品は何か? その商品はどこの得意先で最も発注が多いのか? 経営層が刻々と変化する受注状態の実績を伝票単位でリアルタイムに確認できます。その上で、業績をアップするために、売上分析や会計データを深く掘り下げて確認できるのです」と杉村氏は強調する。こちらについては、対象となる年別推移、月別推移というようにドリルダウンして、詳細データを把握することが可能だ。同様に会計データを知ることも重要な点だ。売上アップの戦略と共に、経費削減にも役立つからだ。これも科目別に年別推移、月別推移、元帳というように随時リアルに確認できる。

 このようにERPにおけるモバイルアクセスの利活用は、一般営業と経営層の2つに分けて考えられる。OSK マーケティング部の笹原直樹氏は「ここに大きなキーワードがあります。昨年の大震災以降、経営層は事業継続ということも真剣に考えるようになったからです。外出時にトラブルが起きて困ることは、自社の取引先や仕入先が把握できないことです。相手の取引先が自社の何%を占めているのかというようなデータは、すべて基幹システム側にあります。何かあったときに、経営者がモバイルで基幹系のデータを外部から参照できることは、事業継続という観点からも大変重要なことなのです」。

 さて今後の展開だが、モバイルアクセスが広まるにはBYOD(Bring Your Own Device)というキーワードも見逃せないところだろう。だが海外と異なり、日本ではデバイス管理やセキュリティの関係から、BYODへの対応に腰が重いのも事実だ。しかし、将来的にモバイル化がより浸透してくると、端末自体もシングルユース・シングルデバイスでなく、マルチユース・マルチデバイスへと移行してくるものと予想される。「我々は、そのときのことも視野に入れています。マルチデバイスでのモバイル化をにらみ、早い時期から多くのデバイスに対応してきました。いきなりマルチデバイス化しようとしても、簡単にはできませんからね。今後は在宅勤務など、ワークスタイルの変化に迅速に対応できるモバイル化なども考えていきたいですね」(笹原氏)。
《井上猛雄》

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