【ERPの最新動向 Vol.6】基幹業務のカバレッジを広げる製品連携と業種・業界別テンプレート(後編) | RBB TODAY
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【ERPの最新動向 Vol.6】基幹業務のカバレッジを広げる製品連携と業種・業界別テンプレート(後編)

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
OSK 営業本部 本部長代理 石井ふみ子氏
  • OSK 営業本部 本部長代理 石井ふみ子氏
  • 「ApaRevo」のフロー。色・サイズ管理が必要なファッション製品を扱う卸売業や百貨店、量販店などに店舗を出している小売業などに適している
  • 「Fu-jin」のフロー。受注管理から、部品・資材の所要量計算、発注・製造・在庫・支給品など、一般的な組立中心の製造業に適している
  • 「Blendjin」のフロー。化学製品、食料品、化粧品など配合系の生産システムに対応。製造に必要な配合表(レシピ)の手配管理、ロットトレースなど、在庫・品質の強化を図れる
  • 「PowerSteel」のフロー。形状や鋼種に合わせた重量計算や単価計算が可能で、一般的な在庫管理やロット管理、原価管理、品質管理まで対応
  • 「Raijin」のフロー。繰り返し生産だけなく、特注品などの個別受注生産にも対応するハイブリッド型のため、両者が混在するような場合に最適
 前編では、「SMILE BSシリーズ」と他社製品とのコラボレーションを実現するSMILEファミリーについて紹介した。同シリーズの利用範囲をトータルで広げるという意味では、システム間連携を行うSMILEファミリーのほかに、従来からOSKが「SMILE BS」の中で提供してきた業種・業界別テンプレートも重要になるだろう。

 SMILEファミリーは、基幹系の販売・会計・人事給与など、「SMILE BSシリーズ」と連携して使う可能性が高い単独アプリケーションという位置づけだった。製品として価格感が合い、システム的にベストマッチするものを選定し、シームレスにシステム間の連携できるものだ。

 一方、「業種・業界別テンプレートについては単独ではなく、SMILE BSシリーズの基盤上に乗せて、セットで販売する形態です。いずれも投入を早めるという意味ではSMILEファミリーと同様のコンセプトですが、各パートナー企業様が業種に合った形で業務フローなどのパーツをアレンジして開発するため、SMILEファミリーよりもさらに強い関係性があります」と説明するのは、OSKの石井ふみ子氏だ。

 「SMILE BSシリーズ」には、製造業、出版業、アパレル業、食品卸業、鋼材卸業、通信販売業、医療機器卸業、ビルメンテナンス業など、現時点で合計11種類の業種・業界別テンプレートがあり、カスタマイズを最小限に抑えることで、自社に最適なシステムを構築できるようになっている。

 「たとえば、アパレル業で利用するならば本部業務と店舗での販売フロー、製造であればモノづくりのための部材の必要量を計算する、というように、業種ごとに必要な細かい機能を追加して使いたいケースがあります。そこで、このようなテンプレートが役に立つわけです」(石井氏)

 テンプレートの中で需要が多いのは「生産革新ファミリー」で知られる製造業向けのテンプレートだという。繰り返し受注の多い組立業向けの「Fu-jin」、ハイブリッド型(個別受注・繰り返し受注の両方に対応)の組立業・加工業向けの「Raijin」、繰り返し受注が多い化学製品製造、原材料製造業向けの「Blendjin」、設計資産の標準化・流用化を目的とした部品構成表管理「Bom‐jin」がある。このほかにも、アパレル系テンプレート「ApaRevo」も買い替え需要が見込まれる分野。通販については競合製品が少ないため需要が多い。基幹業務の隙間を埋めるサブシステム的な用途としてCRM系テンプレートも用意している。

 また最近、EDI(Electronic Data Interchange)連携用のテンプレートも発売し、好評を博しているそうだ。流通BMSなど、通信手順が変わった際に、市販のEDIパッケージではアプリケーションの変更が大掛かりになる。SMILEのテンプレートは変更がしやすい特徴がある。

 「お客様の視点からすると、ベースにSMILE BSという大きなソリューションが存在していますが、テンプレートによって業種に特化した部分の開発投資が抑えられるため、一般的な市場ソフトウェアと比較しても、リーズナブルな価格になるとご評価をいただいています」と石井氏は自信を見せる。

 業種によってはテンプレートを導入した後で、さらにカスタマイズしたいという声もある。「社内で個別管理する独自の仕組みを取り入れたい。あるいは取引先との関係で特別な帳票に対応したい、という要望もあります。最近では他業種を兼業している企業も多く、そのような場合に基幹システムそのものに造りこむことはせず、小さなテンプレートの有効活用でまかなうこともあります」(石井氏)。

 このようにOSKでは、SMILEファミリーと業種・業界別テンプレートという両面展開で基幹業務のカバレッジを広げている。それぞれが相互補完することによって、迅速でコストも安い最適なソリューションを提供できるようにしているのだ。こうした選択肢があることで、基幹業務システムを選定する際に、将来的な拡張性やカスタマイズ性を考慮したうえで、最適なものをチョイスすることができるようになる。
《井上猛雄》
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