ドコモ岩崎副社長「深くお詫び申し上げます」……通信障害についての一問一答 | RBB TODAY
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ドコモ岩崎副社長「深くお詫び申し上げます」……通信障害についての一問一答

エンタープライズ モバイルBIZ
NTTドコモ 代表取締役副社長 岩﨑文夫氏
  • NTTドコモ 代表取締役副社長 岩﨑文夫氏
  • 7月25日に発生した事象の概要
  • 8月2日に発生した事象の概要
  • 会見の様子
 NTTドコモは7日、7月25日と8月2日に発生した通信障害について記者会見を開いた。同会見に出席した同社の岩﨑文夫代表取締役副社長は「一連のネットワーク障害につきまして、お客様に多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます」と陳謝した。

 同社のサービスではまず7月25日に、一部のユーザーの「spモード各種設定」の設定情報が、他のユーザーにより閲覧・変更可能となる事象が発生した。影響人数はメールアドレス設定、spモードパスワード、Wi-Fiパスワード等が変更された人数が約780人、迷惑メール設定等が変更された人数が約4600人。

 また、8月2日には、国際ローミングサービスが利用しづらい状況、関東甲信越・東海・関西地方でドコモの携帯電話(FOMA、Xi)と衛星携帯電話が利用しづらい状況、圏外表示となる状況などが発生した。影響人数は、国際ローミングサービスで最大約7万人、国内サービスで最大約145万人。

 会見では記者団の質問に、岩﨑文夫代表取締役副社長、丸山洋次サービス運営部長、長谷川正之サービスプラットフォーム部長、中村寛ネットワーク開発部長の4名が回答した。記者団との主要な一問一答は以下の通り。

――8月2日のトラブルについてですが、他社のサービス部分でのトラブル発生に起因するとのことですが、他社から連絡を受けたのは何時なのか。また、他社サービス部分でトラブルが発生した場合の情報共有するスキームはどうなっているのか?

 トラブル発生時には、まず一報を入れてテレビ会議等を設定して情報共有をしながら対処していくようにしている。今回もNTTコミュニケーションズさんより、2日の16時30分に連絡があった。ドコモ側の国際サービスに影響が出ているということで17時40分には電話会議を設定して、全てのサービスが復旧するまで継続して対応した。

――トラブルが発生している問題の部分だけ切り離してサービスを提供することは出来なかったのか?

 今回問題となった、NTTコミュニケーションズのネットワークには2重のルートがあるので、トラブルを回避する方法を色々と行なったが、不安定な状態に戻ってしまう状況を繰り返してしまい、今回の事象の中ではうまくいかなかった。今後詳細を分析していく。

――国際ローミングサービスに起因する障害であれば、国際サービスを切り離して国内サービスだけを守る試みは出来なかったのか?

 国際サービスをすべて切るというのは最悪の手段として想定していた。しかし通信できているユーザーもいたので、それをやってしまうと日本から海外に出かけている人の通信が全く出来なくなってしまうので最終的な判断はしなかった。

――他社が原因のトラブルについては、どの程度の想定をしているのか?

 ネットワークを構築する上で相手の装置を信用しないというのは大前提。相手の装置やネットワークが我々の想定外の動きをした場合、必ず自分でガードをかける処理をしている。今回トラブルが発生したのは、解放処理より通信を優先するシステムの部分で、2005年より導入してこれまで一度もトラブルを起こしていない部分。今後、日頃の改善のなかで見つけていく努力をしていく。

――7月25日の事象について、ユーザーがA面B面に割り振られる仕組みというのは?

 電源を入れた時に、そのスマートフォンや携帯がどのエリアにいるかによってA面、B面に振り分けられる。

――A面B面、全てをリセットすることで解決できなかったのか?

 ユーザーの影響範囲を小さくするため、そのような対応はとらなかった。

――8月2日の事象について、NTTコミュニケーションズの輻輳(ふくそう)は2系統とも機器の故障から発生した?

 その通り。NTTコミュニケーションズの2系統あるルートで通常40%と40%のバランスで動いているものが、片方が故障して片方に流れても80%となっても通信は出来るように容量設計している。しかし、その80%で流れているところが何らかの事情で埋まったとのことで、容量をオーバーした。正式な原因は調査中。

――再発防止のため、設備投資について見直しをしていくのか?

 今回の事象は、我々の見積もり以上のトラフィックが集中したといった要因ではない。今回の事象から新たな設備投資は出てこないだろうと思っている。影響を最小化しようというソフトウェアなどは出てくると思うが、現時点で新たな投資が必要となってくるものはないと考える。

――昨年からトラブルが頻発しているような印象だが、人手が足りないとか技術が足りないとか根本的な問題があるのではないのか?

 一連のトラブルに共通的な要因があるのか議論をしているところ。今回のトラブルはこれまでの事象の再発ではないので関連性はないが、しかしながら一連の通信障害が発生したということで、これまで以上に仕事のやり方や開発などをしっかり点検していく。これからますますIP技術が進んでいく中、そういった時代に備えてIP技術者の確保や育成については取り組んでいく。

――他社との比較で、重大な障害の発生度が高いような気がするが、ドコモのサービスは質が悪いと思われてしまうのではないか?

 少なくとも、お客様からそのように見られていると認識している。まず、お客様に安心して使って頂ける環境を実績で示して信頼を回復していきたい。

――ドコモのユーザーは安心感や信頼感を求めてサービスを選んでいると思うが、今後、信頼を回復していくためにどういったことをやっていくのか?

 ドコモは約6000万人のお客様にサービス使って頂いているが、やはりドコモのネットワークが安心安全、必ずいつも繋がるといった理由で選んで頂いている。また、その期待が高いと思っている。これまでも、その期待に応えるべく取り組んできたつもりだが、一連の通信障害で、非常に多くのお客様に影響を与えてしまい、お客様の信頼は低下していると認識している。

 まずやるべきことは、これまで進めてきた再発防止策をしっかりすること。これらの要因に共通する部分があるのかの検討を進め、今回のような障害を繰り返さないように全社員、関連のメンバーを含めてしっかりやっていきたい。

――総務省に対しては何らかの報告をしていくのか?

 今回のトラブルについては既に総務省に報告をしている。3月の総点検の後、総務省には他事業者との情報共有の場を設定して頂き、我々のトラブルについても他事業者に報告している。今回のトラブルを受けて総務省がどのような対応をとるかなど具体的な指示はない。
《編集部》
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