【関西スマホレポート(後編)】スマホがあれば、もはや旅にガイドマップは要らない | RBB TODAY

【関西スマホレポート(後編)】スマホがあれば、もはや旅にガイドマップは要らない

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今回旅の供をしてくれた、auのURBANO PROGRESSO(右)と、HTC J ISW13HT(左)
  • 今回旅の供をしてくれた、auのURBANO PROGRESSO(右)と、HTC J ISW13HT(左)
  • URBANO PROGRESSOは雑踏の中でも相手の声が聞き取やすい「スマートソニックレシーバー」を装備
  • 京町家を改造した素敵なカフェで一息する。姉小路通にて。
  • 時には、インターネットでは調べきれない情報もある。こんなところで記者魂炸裂、聞き込みを続けレア骨董(電話機)を探し求める。
  • 寺町通近くのアンティークショップにて。本来、100年物のバカラグラスを扱う店だったが、噂どおり奥にはこんな骨董品が!
  • 昭和30年代に使われていた4号型電話機の超美品。欲しい…
 いよいよ本格的な夏休みシーズンに入り、各地の観光スポットも今年一番の賑わいをみせている頃だろう。かつて旅行をし、名所旧跡を巡るとしたら、事前にガイドマップを入手し、チケット等を手配して旅行したものだが、昨今は観光地の情報や交通経路もスマホ1台で簡単に調べられるし、チケットや宿泊の予約、決済もスマホの画面ですべて済ませることができる。じつに便利だ。今回、仕事の都合で許された観光の時間はわずか半日程度だったが、ポイントを絞ってわが国を代表する国際観光文化都市・京都を散策してきた。ちなみに、荷物類はホテルに預け、スマホ(2台)と財布だけ持って市内を散策してみた。わからないことはスマホで調べればいいし、スマホの電池が無くならない限りこれだけの装備で怖いものはない。

 この日持参したスマートフォンは、auのURBANO PROGRESSOと、HTC J ISW13HT。どちらもWiMAXやテザリングも利用可能で、さらにおサイフケータイやワンセグなど国内独自のサービスにも対応したスグレモノのスマートフォンたち。)

 これらスマホの選択の理由だが、通話などのコミュニケーション機能を中心に使おうとしているのがURBANO PROGRESSO、そしてカメラ機能など撮影に重点をおいて使おうとしているのがHTC J ISW13HTである。

 URBANO PROGRESSOはスマホながらも、通話機能に力を入れた端末である。よくみると、この端末にスピーカー穴が見当たらない。じつはこの端末のディスプレイ部そのものがスピーカーを兼ねていて、ディスプレー面をダイレクトに振動させる「スマートソニックレシーバー」を搭載し、クリアに相手の声を伝えることができるようになっている。耳に当てる位置を気にする必要もないし、耳を覆うようにディスプレー部を密着させると周囲の騒音も遮蔽できるので、駅のホームなどの雑踏の中でも相手の声が聞き取やすい。これほど通話機能にこだわったスマホははじめてだろう。

 一方、HTC J ISW13HTはカメラ機能にこだわりを持っている。約800万画素のCMOSカメラを搭載し、しかもカメラを約0.7秒で高速起動する「インスタント・キャプチャ」や、まばたきよりも早い約0.2秒のスピードオートフォーカス機能などを備え、シャッターチャンスを見逃さないのだ。最大99枚までの連写撮影も可能なので、動きのある被写体もばっちり。iPhone 4Sでおなじみになった、異なる露出の画像を同時撮影して明暗を合成するHDR機能も搭載している。

 さらに2台持ちで便利なことは、万が一片方のスマホの電池が切れても、もう一方のスマホが生きていれば連絡手段を失うことがないことだ。こうした観光地でスナップ撮りやSNSに興じていると、スマホの電池が勢いよく消耗してしまって、夜の待ち合わせで肝心な連絡手段がない、なんてことになりかねない。

●早速スマホを片手に京都の街を散策

 京都観光というと寺院巡りが真っ先に浮かぶが、筆者は古い町並みをのんびり散策するのも大好きだ。京町家と呼ばれる、京都特有の職住一体型の町家が街中にはまだまだ点在していて、これらがいっそう古都の風情を味わい深いものにしてくれる。こうした京町家を現代風、洋風などにアレンジしたお店やギャラリーも市内各所に点在する。とくに京都一の繁華街、河原町周辺は周囲の路地の一本一本まで風情を楽しめ、じつに楽しい散策ができる。たまたま休息がてら入った京都市役所近くの姉小路通にあったおしゃれなカフェも、よく見ると京町家をリフォームして北欧風にアレンジした店だった。京町家を見事にアレンジし、木造の2階部分を吹き抜けにしたり、まるで額縁のように和風の中庭の景色をガラス越し楽しめるようにしたインテリアといい見事な設計だった。自宅インテリアに取り入れたいヒントが満載のカフェに感激。

 そして、筆者は骨董街を巡るのも大好きだ。京都には多数の骨董店があるが、中でも京都市役所横の寺町通とその周辺には多数の骨董店が点在する。ここを、ちょっと古い「電話機」を求めて散策してみた。いずれの骨董店も、それぞれの得意とするジャンルの骨董を蒐集し店頭に並べている。「電話機」というのは、骨董店に言わせれば「骨董」とは言わないのだそうだが(それよりも古いものがまだ京都では当たり前に使われていることも多いため)、店頭で「こんなものを探している」という風に尋ねると、どの店でも快く色々な助言をくれる。専門店は専門店同士で様々な情報を持っているので、どの店にどんな骨董の在庫があるのかをわかる範囲で教えてくれるのだ。スマホを使って、Webで様々な情報を調べることはできるようになった現代だが、やはりこうしたディープな情報は、実際に足を運んで人づてに教えていただくことが最良の情報収集手段といえそうだ(秋葉原のジャンク品巡りも同じか?!)。地図まで広げてくれて、「この辺にある、この店とあの店には電話機があるかもしれないよ」という嬉しいアドバイスを元に、のんびりと散策を続けた。

 本日のゴールは、寺町通周辺にあった、100年ものぐらいの骨董バカラグラスを専門に扱ったアンティークショップ。表向きはバカラグラスの専門店のようにしか見えないのだが、じつは店舗の奥の方には電話機や蓄音機などの骨董が数台並んでいるという情報を他の骨董店で聞きつけ、訪問してみた。そこには蓄音機などの懐かしの電化製品のほか、驚くほど程度の良い4号電話機(昭和30年代の黒電話)がさりげなく置かれていた。もうこれは欲しくて仕方なかったが、予算にあわず断念。しっかりと写真に撮らせていただき、facebookに投稿!

 そいえば昨今、facebookやtwitterで“つぶやく”ことが日常的な光景となったが、筆者はいわゆる“モバイル通信”に関して黎明期から携わり、「思い立った時」に通信とネットコミュニケーションを通じて、リアルタイムに情報発信し友人知人に伝える楽しさについて執筆・啓発に務めてきた。14年前の1998年には、その具体的なノウハウについて『実践、モバイル通信入門』(共著)という入門書にまとめ、ベストセラーになった。しかし当時のモバイル通信というのは、デジタルカメラで写真を撮影し、それをノートPCに移し、ノートPCにデータ通信カードとデジタル方式携帯電話を接続してインターネット接続(いわゆるダイヤルアップ接続)、そしてパソコン通信を通じてネット上に書き込みを行うという、今思えばじつに手間のかかる作業だった。「そんな手間のかかることして、高い通信料も払って、何が楽しいの?」なんて言われたこともあったが、今やその楽しさを誰もが体感しているではないか。

 今やスマホ単体で美しい写真を撮影でき、それをわずかな操作で簡単にfacebook等のコミュニティに投稿できる。情報通信技術の劇的な進化でスマホのような端末を誰でもが持つような時代になり、そして老若男女幅広い層へのネット利用も進み、facebookなどのSNSコミュニティの普及も後押しとなって、わずか15年のあいだに、モバイルコミュニケーションの楽しさを誰でもが手軽に享受できるようになった。素晴らしいことだと思う。そして距離が離れていても、SNSコミュニティを通じて身近な存在のように感じることができる。じつは筆者は関西にも友人知人が多いが、住む場所は離れていても、日常的なコミュニケーション上ではほとんど距離感を感じることなく、友人たちと楽しい会話をネット上で交わしている。

 モバイルやインターネットが人々の距離感を縮めたことで、地域の特色も薄らいでいると言われる中で、今回の関西取材を通じて、やはり関西は「尖っているな」と感じるものがあった。携帯電話サービスは、かつては地域ごとに通信事業者が独自に営業をしていたが、2000年頃以降各通信事業者が全国1社体制に組織変更をしていき、かつては地域性のあったサービスも全国統一したサービスや営業方針に変わっていった。そのような環境の中で、関西における携帯電話事業も首都圏と同じものが展開されようとしてきたわけだが、関西のユーザーは自分たちの考え方を尊重し、受け入れるものは慎重に吟味した上で、納得がいくものなら取り入れる、そうでなければ様子見だというスタンスでサービスに望んできた。消費者としてきわめて辛口なのだろう。スマートフォンブームにも振り回されず、その有用性や損得勘定を時間をかけ慎重に検証していたように感じた。その関西で昨年後半以降、本格的なスマートフォンへのシフトが始まっていることを今回の取材で知ることができた。わが国のスマートフォンブームは通信事業者に振り回されているものではないかという論調もあるが、関西のユーザーの本音を聞くと、これは単なるブームとかではなく、本格的にスマートフォンが社会に受け入れられるべきものへ昇華したのだということを痛感することができた。
《木暮祐一》

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