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富士通研、仮想サーバ移動でのネットワーク機器設定の自動変更技術を開発

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今回開発された技術
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  • IEEE標準のネットワーク設定変更技術
 富士通研究所は8日、ある物理サーバ上で実行中の仮想サーバを別の物理サーバ上に移動する際に必要となるネットワーク機器の設定変更を、大規模なクラウド環境において自動化する技術を世界で初めて開発したことを公表した。

 クラウド環境では利用者の要求に応じてCPUやメモリなどの計算資源(計算リソース)を割り当てるため、ある物理サーバ上の仮想マシンで実行中の仮想サーバを別の物理サーバ上に移動できることが求められる。従来、仮想マシンの移動にともなって必要となるネットワーク機器の設定変更は、複数の上位/下位スイッチを多段接続した大規模なクラウド環境では、システム管理者が手動もしくはベンダー固有の方法で変更する必要があった。IEEEでは、ネットワーク機器の設定変更を自動化してクラウド環境の運用を容易にするための「エッジ仮想スイッチ技術(」の標準化を進めているが、エッジ仮想スイッチ技術は上位スイッチの設定変更に対応していなかったため、。今回富士通研では、現在策定中の標準規格に準拠した通信プロトコルを用いた新技術を開発した。

 標準化が進んでいるエッジ仮想スイッチ管理技術をさらに拡張し、仮想サーバの移動にあわせて上位のスイッチを自動設定。標準化作業中の「IEEE 802.1Qbg」で定められた設定変更のための通信メッセージを、スイッチ装置内で動的に構築した構成情報に応じて上位のスイッチに中継する機能を開発し、それにより多段構成の上位のスイッチを自動設定することを可能にした。スイッチ間での通信には、エッジ仮想ブリッジの標準として定められた通信プロトコルを用いるので、今回開発した中継機能を持つスイッチ装置の上位の階層において、任意のベンダーの標準準拠スイッチが利用可能となっている。

 今回開発された技術を用いることで、高速なネットワークで接続された大規模なクラウド環境において、仮想サーバの移動時に必要となるネットワーク機器の自動設定が可能になる。これにより、計算資源(計算リソース)を必要に応じて割り当てることが可能になり、クラウド環境における運用コストの低減が期待できるとともに、利用者に大規模なクラウド環境の提供ができる見込みだ。富士通研究所では、2012年度中の実用化を目指す。
《冨岡晶》
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