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【NHK 技研公開 2011 Vol.3】放送の安定化やバリアフリー放送など、デジタル時代の新サービス

IT・デジタル テレビ
デジタル放送の現在と未来を見ることができる
  • デジタル放送の現在と未来を見ることができる
  • GI越えマルチパス等化装置
  • マルチバンドISDB-T変復調器による別帯域での放送
  • セットトップボックスによるHybridcastのデモ
  • ネットなどの情報を放送の上に表示
  • 複数のアンテナを使って信号を受信するMIMO受信装置
  • 手話CGの画面
  • 「やさしい日本語」を使ったニュースのテスト
■画質安定、ネットとの融合……進化するデジタル放送

 「あなたに伝えたい、デジタル放送の未来」というテーマどおり、デジタル放送の進化を示す技術の展示は圧倒的に多い。エントランスから進んですぐには、デジタル放送関連の技術展示が並ぶ。

 たとえば、干渉妨害に強い受信機技術の研究開発。デジタル放送の電波を、山間部など遠方の干渉波(GI越えマルチパス)の予期せぬ影響を受ける地域でも正しく放送が受信できる“GI越えマルチパス等化装置”が展示されている。これは、遅延時間差のマルチパスによる受信特性の劣化を改善するものだ。

 また、6MHz帯で運用されている日本の地上デジタル放送の方式(ISDB-T)を、海外でも広く採用されることを目指す技術も存在する。たとえば、7/8MHzなど異なる帯域を使用する国で運用するためのマルチバンドISDB-T変復調器だ。

 放送にネットワーク通信経由のデータを付加する「Hybridcast」の研究も進んでいる。ネットの声などをリアルタイム表示するなど、放送とネットのデータの同時表示が可能だ。昨年まではPCを使用して実現していたが、今年はセットトップボックス型の受信機でデモが行われている。

 別のブースでは、広範囲の移動中継でも映像が乱れない受信システムなど、通信に関する技術も展示。複数のアンテナを使って受信した信号を基地局で合成することで、マラソンなどの移動中継で力を発揮する技術だ。今年3月に発表されたもので、今回の技研公開ではその詳細な仕組みを知ることができる。

■手話放送、外国人向け放送など、誰にでも見やすい放送サービス

 バリアフリー放送に向けたサービスの開発も進んでおり、CGモデルによる手話放送もそのひとつだ。人間が行う手話放送は、災害など突発的な緊急事態の際には即時対応できないケースもある。そこで開発が進んでいるのが、文章を入れればCGで手話を表示できる技術だ。手話としてはまだぎこちない部分も残っているが、文章としては成立するレベルになっているという。現段階では災害情報など定型文のみの対応となる。

 また、日本語に不慣れな外国人視聴者などに向けて、平易な文章でニュースを流す実験も行われている。難易度の高い単語などを言い換えることで、日本語初心者にもわかりやすい内容を目指すものだ。人名や地名はわかりやすいように紫で表示。言い換えられない難単語は青く表示して、注釈を加える。注釈などの関係もあり、インターネットでのサービスを想定している。

 そのほか、気象情報のように素早く誤りのない情報を発信するための「気象通報自動読み上げシステム」といった展示も。これは、入力した気象ニュースを合成音声で再生するもの。読み間違いなどが許されない情報を、より正確に伝え、アナウンサーらのマンパワーを別のところに使うのが狙いだ。交通情報などへの応用も検討されている。

 「NHK技研公開 2011」は、26日~29日の4日間。公開時間は10時~16時まで。なお、東日本大震災による電力不足に配慮し、今年は昨年よりも2時間早く終了となる。
《RBB TODAY》
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