【地震】国内IT産業、半導体やウェハーは徐々に回復……IDC Japan | RBB TODAY

【地震】国内IT産業、半導体やウェハーは徐々に回復……IDC Japan

エンタープライズ 企業

IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリスト 木村融人氏
  • IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリスト 木村融人氏
  • 東日本大震災による被害と復旧状況。2011年4月7日現在における、生産インパクトの高いIT関連事業所のリスト
 IDC Japanは14日、東日本大震災による国内IT関連事業所への影響と復旧見通し、および2011年の生産インパクトについてのレポートの発表会を実施した。

 同社では、「IT製品に使用される48の部材について、50のメーカー(68事業所)にわたって上流まで遡り、その復旧までの期間と、2011年の生産高へのインパクトを突っ込んだ形で調査した」(リサーチバイスプレジデント 中村智明氏)という。実際にヒアリングや直接訪問などを実施して総合的に予測しているが、刻々と動く情勢を加味し、現時点での修正も加えた。

■メモリ、半導体、ディスプレイ
……半導体やメモリー関連、依然として楽観視はできず

 国内IT関連事業所への影響と復旧見通し、2011年の生産インパクトについてだが、半導体産業では、当初ウェハー生産高が10%減少すると予測していた。これにより短期的なLSIの供給不足が生じることになるが、エルピーダメモリのように7月末までのウェハー供給を確保した半導体メーカーもある。現時点(4月中旬)においては、ウェハー供給は回復の兆しがみえており、インパクトも少しだけ改善されそうで、一桁以内に収まるかもしれないという。

 ウェハー生産は、SUMCO(山形)、信越半導体(福島)、MEMC(栃木)を合わせると、ワールドワイドのシェアで55%以上になる。PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリスト 木村融人氏は「SUMCOは九州に代替工場があるので、被災後でも供給できるパワーがあり、今年後半には逆に+2%~+5%ぐらい増えるかしれない。信越半導体は当初-12%ぐらいだが徐々に回復するだろう」と語る。ウェハーを順調に供給できるようになれば、東芝セミコンダクター(三重)のような半導体メーカーも供給が上向く。生産インパクトも最終的に-5%から-2%ぐらいになるものと予測。

 木村氏は「半導体やウェハー関連は非常に危惧される分野だが、物事が少しずつポジティブな方向に進んでいるのではないか」と語る。特に半導体関連では、需要予測も加味する必要がある。メモリー関連では、PC、スマートフォン、タブレットなどで大きな需要が求められていたが、震災前にかなり在庫があったため、初期シナリオよりも影響が少ないようだ。ただし、それで根本的に問題が解決しているわけではなく、グローバルで見ると依然として楽観できる状況ではないという見解だ。

■ディスプレイ
……部品工場が震災被害

 木村氏が最も危惧しているのはディスプレイ関連。「液晶工場が被災し、関連する多種多様な部材メーカーの工場も打撃を受けている。またモジュールを構成する部品点数も多いので、かなり深刻な状況だ」という。今回の調査では、中小型ディスプレイパネルを提供する東芝モバイルディスプレイ(埼玉)や、ガラス基板メーカーのAGCディスプレイグラス米沢(山形)の例を取り上げているが、「それでも最悪の事態とは考えておらず、一時的な被害として-2%程度の落ち込みにとどまるものと予測している」という。

 そのほかのディスプレイ関連製品では、たとえば樹脂系・金属系の部材が足りないと言われている。「確かに不足しているのは事実だが、これらの製品は比較的代替が利きやすいと判断している。逆にメーカーもいつまでも製品が不足する状態で手をこまねいているわけにもいかない。積極的に代替製品を考えていく必要があるだろう。とはいえメーカー自身は、いつまでに部品供給が元に戻るか確実に把握できない状況であり、まだ不透明な部分も多い」(木村氏)という。

 電気・電子部品関連では、水晶振動子を製造するエプソントヨコム(福島)が-1%程度の影響がある。受動部品では高周波コイルやコンデンサーが一時的に出遅れたものの、TDK‐MMC(岩手)や村田製作所(栃木)なども-1%~-2%程度の影響を予測。比較的早くリカバリーできそうな形だという。またバッテリ関連では、ソニーエナジー・デバイス(福島)がリチウムインオン電池などを一部だが再開し始めている。
《井上猛雄》

関連ニュース

特集

page top