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【テクニカルレポート】プリントオンデマンドソリューション(前編)……OKIテクニカルレビュー

IT・デジタル その他
図1 POPの例
  • 図1 POPの例
  • 図2 これまでのPOP広告印刷
  • 図3 SignDirector導入後のフロー
  • 図4 SignDirectorの画面
 本稿では、OKIデータのプリンティングソリューションの一つであるプリントオンデマンドソリューションについて紹介する。

■ソリューション開発の背景

 近年、企業内のカラープリンタを使って、オンデマンドで印刷を行い、諸経費を削減したいという要求は強い。お客様に対するヒアリング活動の中で、プリントオンデマンドのなかでも特に需要が多かったのがPOP(Point of Purchase)広告である。POP広告は、数ある広告媒体の中で非常に単純な販促ツールである。POP広告とは店舗における商品の陳列の案内、商品タグ、値札、商品名等多岐にわたる印刷物であり、来店されるお客様に商品を手に取ってもらい購入を促進する手段にもなっている(図1)。当社ではPOP広告をターゲットとしたプリントオンデマンドソリューションSignDirectorを開発した。

■ソリューション開発コンセプト

 お客様へのヒアリング結果より、プリントオンデマンドソリューションSignDirectorの開発にあたり以下の3点をソリューション開発のコンセプトとした。

(1)POP広告における作業を極力簡素化
(2)POP広告の印刷および配信運用コストを低減
(3)POP広告とカラープリンタを集中管理

■これまでのPOP広告印刷

 POP広告を活用している企業では、POP広告を作成、印刷、仕分け、配送をする本部と、実際にPOP広告を利用する各店舗から構成されている場合が多い。その場合、SignDirector導入前のPOP広告を利用するビジネスフローは、概ね以下のとおりである(図2)。

1. 本部のPOPデザイナがPOP広告を作成する
2. 完成したPOP広告を本部で印刷する
3. 本部で店舗ごとにPOP広告の印刷物を仕分けする
4. 各店舗に印刷物を配送する
5. 各店舗で、POP広告の印刷物を利用する

 このビジネスフローでは、次のような課題が指摘されている。

(A)印刷に関する問題

 上記フロー「2」で、完成したPOP広告を本部にて全店舗分をすべて印刷し、フロー「3」で店舗ごとに仕分けを行うが、仕分けが正しく行われない可能性があり、店舗が必要とする部数と本部が配送した部数とが一致しない問題が起こる。つまり、不足した場合、店舗では別手段、追加手配等の手間が発生し、逆に、多い場合は在庫として余ることになる。結果として印刷コストの無駄に繋がる問題がある。

(B)配送に関する課題

 配送に関しては、配送するために上記フロー「3」で印刷物を店舗ごとに仕分けすることは、大きな負担となっている。さらに、フロー「4」の全店舗に配送するための配送費用も大きな問題となっている。また、配送が指定日時に届かないというリスクも抱えている。

(C)状況管理の課題

 配送されたPOP広告を各店舗が本当に全部利用したのか、利用せずに無駄になったのかという状況を本部側で管理することができない問題がある。

■SignDirectorで課題解決

 SignDirectorを導入すると上記のPOP広告印刷のビジネスフローは以下のようになる(図3)。

1. 本部のPOPデザイナがPOP広告を作成する
2. 作成したPOP広告を本部にあるSignDirectorに格納する
3. 格納したPOP広告をどの店舗に配信するかを本部でSignDirectorの画面で設定する(振り分けと配送に相当)
4. 各店舗では、SignDirectorの画面に印刷可能なPOP広告のサムネイルが表示されているので、店舗に設置しているカラープリンタで必要なPOP広告を必要な部数分を印刷する(図4)
5. 本部では、SignDirectorの画面で各店舗ではどのPOP広告を何部印刷したのかを把握する

 SignDirectorを導入することにより、前述の課題(A)、(B)、(C)を解決できる。

(a)印刷に関する課題解決
 これまでの本部で印刷していたフローから、店舗で印刷するフローにすることで、本当に必要な部数のPOP広告を印刷できるようになる。

(b)配送に関する課題解決

 POP広告のデータは、SignDirectorから直接各店舗に設置されたカラープリンタに配信されるため、印刷物の配送といったコストは不要になる。

(c)状況管理の課題

 上記フロー「5」により、実際のPOP広告の印刷部数を本部で把握することが可能となる。

■SignDirector導入のメリット

 SignDirector導入組織のそれぞれの立場からみた導入メリットを以下に示す。

(A)経営者

 経営の断面では、POP広告を本部から各店舗へ配送する配送コストを削減できる。また、無駄な印刷をしなくて済むことによる印刷コスト削減が期待できる。

(B)本部で利用する社員

 各店舗への仕分けは、実際の印刷物ではなく、SignDirectorの画面上で一回設定すればよい。次回からは、その設定(配信テンプレート)を呼び出し、POP広告ファイルと紐づけするだけで完了となる。毎回の仕分け作業の負荷を軽減できる。店舗ごと、地域ごとなどにグルーピングして配信テンプレートを管理できる。

(C)店舗で利用する社員

 店舗社員の視点では、必要なPOP広告を必要な部数を必要な時にいつでも印刷が可能である。さらに用紙の種類、カラー設定、ペーパトレイ指定等の煩雑な設定や操作をしなくてもよい。SignDirectorの画面で印刷したいPOP広告を選び、必要な部数を設定し、印刷ボタンを押すだけという非常に簡単な操作で実現できる。


■執筆者紹介(敬称略)

嶋田徹一:Tetsuichi Shimada. 株式会社沖データ開発本部技術
開発第一センタ開発第二部チームリーダ
石崎浩司:Koji Ishizaki. 株式会社沖データ開発本部技術開発
第一センタ開発二部

※同記事はOKIの技術広報誌「OKIテクニカルレビュー」の転載記事である。
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