【インタビュー】Twitter CEOも称賛したプロモーション作品「IS Parade」 | RBB TODAY

【インタビュー】Twitter CEOも称賛したプロモーション作品「IS Parade」

 2日からは、国立新美術館にて文化庁メディア芸術祭の受賞作品の展示が始まったが、IS Paradeの企画・制作チームのコアメンバーである博報堂 林智彦氏と、KDDI 吉村桃子氏に話を聞いた。

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KDDI マーケティング本部 宣伝部 コミュニケーション戦略部1グループ 課長補佐 吉村桃子氏と、博報堂 エンゲージメントビジネスユニット エンゲージメントプランニング局 インタラクティブプランニング一部 インタラクティブプラナー 林 智彦氏
  • KDDI マーケティング本部 宣伝部 コミュニケーション戦略部1グループ 課長補佐 吉村桃子氏と、博報堂 エンゲージメントビジネスユニット エンゲージメントプランニング局 インタラクティブプランニング一部 インタラクティブプラナー 林 智彦氏
  • 林氏「ギーク層は、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアでシェアできるような情報を常に求めていると考えたので、それに当てはまるようなコンテンツの制作を目指しました」
  • 吉村氏「IS Paradeでは毎日3万回から5万回ぐらいのパレードが行われており、すでに総パレード数も1,500万回以上(2011年2月現在)を超えています」
  • アカウントのフォロワーがキャラクターになり、パソコンの画面上で軽快な音楽と共に行進を始める。パレードで行進するキャラクターの頭上には吹きだしが出て、フォロワーのつぶやきも表示。画像はサッカーの日本代表パレード
  • パレードの様子をキャプチャして、Twitterに投稿できる。画面サイズ(440×330ピクセルと240×320ピクセル)を選べる。画面は携帯電話の待受け用
  • 行進を開始するには、入力フォームにID名を入れ、スタートボタンを押すだけ。キーワードで検索し、特定のキーワードをつぶやいたユーザーを行進させることも可能
  • パレードで行進しているキャラクターのアイコンをクリックすると、メニューが表示される。「つぶやきを見る」を選択すると、そのユーザーのツイートが表示される
  • 入力したアカウントのキャラクターが、神輿で担がれるアニメーションも
 KDDIは昨年4月、ISシリーズのスマートフォンのプロモーションキャンペーンの一環として、Webサイト「IS Parade」を公開した。

 「IS Parade」は、Twitter IDを入力することで、そのユーザーのアイコンキャラクターが先頭に現れ、その後からフォロワーが大勢付いてきてパレードを行うというビジュアルコンテンツ。同作品は公開後、Twitterの特性をとらえたユニークな手法が話題となり、国内のみならず世界中のユーザーによって閲覧されている。さらに、カンヌ国際広告賞のサイバー部門でブロンズを獲得し、平成22年度(第14回)文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門にて大賞を受賞するなど、プロモーションキャンペーンとして異例のヒットとなった。

 2日からは、国立新美術館にて、「IS Parade」を含む文化庁メディア芸術祭受賞作品の展示が始まったが、今回KDDI 吉村桃子氏と、IS Paradeの企画・制作チームのコアメンバーである博報堂 林智彦氏に話を聞いた。

――IS Paradeが生まれた背景、制作のきっかけについて教えてください。

林氏:ISシリーズですが、初代のIS01の製品発表から発売までに3ヵ月ぐらいの時間がありました。そこで企画・制作側の立場としては、その間のスパンでブランドコンセプトを盛り上げるために、まずギーク層に対する取り込みの仕掛けを考えました。彼らはTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアでシェアできるような情報を常に求めていると考えたので、それに当てはまるようなコンテンツの制作を目指しました。

――IS Paradeを制作するにあたり、こだわった点や御苦労された点はありますか?

林氏:表示文字のフォントを普段から見慣れたものにしたり、パレードで流れてくるキャラクターをクリックすると、その人の「つぶやき」が見られるようにすることで、実際のTwitterの動きに近くなるような工夫を凝らしました。楽しくビジュアル化しつつも、Twitterを見ているときの感覚を保ったまま使えるようにしています。トップページ(のIDやキーワード入力)もGoogleトップページのようにシンプルになっている点も特徴です。制作上の苦労としては、たくさんのキャラクターを画面上で一度に動かす必要があったため、CPUの処理が大変になったことでしょうか。その負荷をいかに軽減するか、という点もポイントの1つでした。期間は企画で1ヵ月、制作で1ヵ月と短かったため、制作者を含め大変苦労しました。あとは、このような楽しいコンテンツをつくるための雰囲気づくりも大切でした。クライアントや担当者も含めて、作り手が楽しく仕事をしていただき、モチベーションを維持してもらえるように心がけました。

吉村氏:そうですね。楽しいコンテンツをつくるための雰囲気はとても重要ですね。実際にIS Paradeチームは本当によいチームだと思います。いつ会っても楽しく、同窓会のような雰囲気ですから。 

――アイコンが顔になった「棒人間」のキャラクターが面白かったのですが、ビジュアル的に楽しくした点は?

林氏:Twitterのユーザーは、自分が大好きなところがあるのではないかなと思っているのですが、そこでユーザーが嬉しい気持ちになるように、自分が神輿として「ワッショイ」と担がれ、最大限に祭り上げられる工夫も盛り込みました。細かいところでは、パレードのキャラクターにギターや太鼓などの楽器を持たせたり、ピョンピョンと飛び跳ねる犬のキャラクターがいたり、「ゆるい遊び心」も随所に取り入れています。またキャラクターも後ろから付いてくる隊列とは別に、横からパレードに入り込んでくることで広がりを持たせてパレード感がでるようにしました。BGMも歩いている時の速さに近いテンポを採用したりしています。

――実際にIS Paradeを試したユーザーの声はいかがですか?

吉村氏:「とにかく面白かった、楽しかった」という声が多いですね。現状毎日3万回から5万回ぐらいのパレードが行われており、すでに総パレード数も1,500万回以上(2011年2月現在)を超えています。海外からのユーザーも多く、Twitter共同創業者のビズ・ストーン氏からもツイートされています。著名人がツイートしてくれると、利用者も一気に広がるようですね。普通ならキャンペーンが終了すると、それと同時にコンテンツの提供も終了するのですが、IS Paradeの場合は異例です。反響が大きく、多くのお客さまに楽しんでいただいているため、おかげさまで現在でも続けているという状況です。

林氏:実は、いまユーザーの間でIS Paradeがパレードをつくるための「プラットフォーム」のようなツールになっています。たとえば病気の子供をフォローして励ますためにパレードをするというようなことも起きています。ISシリーズという場で、このようにいろいろなパレードができるようになったことは、けっこう凄いことだなと感じています。

――IS Paradeの将来的な取り組み、展開について教えてください。

吉村氏:現在、IS ParadeはAndroid用コンテンツにもなっていますが、実は弊社としてはPC用からAndroid用に自社でコンテンツをつくりあげるということは稀です。ここまでオリジナルにこだわったコンテンツはIS Paradeだけですので、これを1つの成功例として、いろいろな開発を進めていきたいと思っているところです。

林氏:たとえば、IS Paradeから派生したものでは、すでにmixi版の「ISマイミクパレード」も公開されています。あとは IS Paradeではありませんが、Twitterを使う新しい取り組みとして、「口コミカタログ」というコンテンツもあります。これは、ユーザーが端末のどのスペックに注目しているのか、ビジュアル的にひと目で分かるものです。サイト上に端末の各機能がブロックごとに表示されており、ユーザーが気になった機能の「イイネ!」ボタンをクリックしたり、ツイートをした数に応じて、その機能のブロックのサイズが大きくなるので、どの機能が注目されているのかがビジュアライズされて分かるというものです。こういったサービスは、購入の検討材料にもなるので、幅広いユーザーにリアリティにあった使い方をご提案できたらと思っています。
《井上猛雄》

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