利益を生むソーシャルリーディング……スターティアラボ・小友氏 | RBB TODAY

利益を生むソーシャルリーディング……スターティアラボ・小友氏

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

スターティアラボ 執行役員 Webソリューション事業部 技術部長 小友康広氏
  • スターティアラボ 執行役員 Webソリューション事業部 技術部長 小友康広氏
  • 情報の収益化に必要な要素とその課題
  • ActiBookはiPhoneやiPad、Androidなどマルチデバイスに対応
  • 配信やコンテンツ管理もできるので、自社に有用なデータを蓄積できる
  • 他のソーシャルサービスとも連携し、自社プラットフォームの弱点である導線確保も強化できる
 スターティアラボは20日、ソーシャルリーディングに関するセミナーを開催した。このセミナーでは、ITジャーナリストの佐々木俊尚氏や、博報堂DYメディアパートナーズの半田勝彦氏らを迎えて行われたが、最後のセッションでは、スターティアラボ 執行役員 Webソリューション事業部 技術部長 小友康広氏が、同社のActiBookによる電子ブックのオーサリングシステムと配信プラットフォームをどのようにしてソーシャルリーディングに生かせばよいかについて述べた。

 小友氏は、まずスターティアラボはもともと電子ブックに特化した企業というわけではなく、「情報の利益化」をコンセプトに事業を展開する企業だとした。情報を利益化するためには、効率よい共有と企業価値を高める情報発信にあると考え、そのためにはどのような課題を克服しなければならないかを考えたという。

 多くの企業は情報共有と発信について、別部署が管理していたり、異なるプラットフォームを利用するなど一元化がされていない。また、そのためのデバイスも多様であり透過的な扱いができていない。この問題を克服するシステムがあれば、情報の利益化が進むのではないかと考え、ActiBookという電子ブックのオーサリングシステム+配信システムを開発した。結果的に、それが電子ブックや出版との相性がよく、電子出版市場でのプレゼンスを獲得していったそうだ。

 そして、今回のセミナーのテーマであるソーシャルリーディングを考えたとき、それを本をプラットフォームとした新しいコミュニケーションのスタイルと定義し、紙と電子の特徴の「いいとこどり」をした電子ブックとの親和性に着目したという。整理された情報、嗜好別にフィルタリングされた情報、慣れ親しんだ紙というメディアとUI、それにWebの検索性や時間と空間を越えた同時性という特徴が融合した電子ブックは、ソーシャルリーディングのコミュニティをつなぐプラットフォームとして最適だというのだ。

 小友氏は、ActiBookの特徴として重要なのは、マルチデバイス対応であることとも述べる。ActiBookはまずはニーズの高いPCとiPhone(iPad)から製品やサービスを展開しているが、Androidや国産のスマートフォン、タブレット端末などへの展開は常に考えており、とくにAndroid対応は具体的にプランがあるとのことだ。マルチデバイスにこだわるのは、本と同じレベルでどこでも使えるようにするには、一部の特定端末だけでは不十分と考えるからだ。

 電子出版を行う場合、もうひとつ重要なポイントは、配信プラットフォームを独自に持つことだそうだ。コミュニティのサイトや配信プラットフォームについては、外部のオープンなサービスを利用する選択肢はあるが、ビジネスを考えた場合、有用な読者データやフィードバック情報が社内に蓄積されないので、「もったいない」というのだ。確かに、紙の出版において流通破壊が起きつつある現状では、コンテンツだけを作ればビジネスになるというものでもない。コストやリスクを抱えることになるものの、収益を最大化させるためにプラットフォームを自前で持つ意味はある。ただし、独自というのはシステムやフォーマットをクローズドにするということではない。データが自分のところに蓄積されるなら、外部サービスやプラットフォームの利用・接続をできるようにしておく。これは、独自プラットフォームの弱点であるユーザーへのリーチ、導線確保のために必要な機能だそうだ。

 最後に小友氏は、ソーシャルリーディングに必要な要素として、「特定他社との共有」(利用者のデータベース、利用者間の関係性)、「アクセスのしやすさ」(モバイル、PC、紙などシームレスに連携、オンライン・オフラインの同期と透過性)、「時間軸の管理」(前の状態、今の状態)、「ソーシャルサービスとの連携」(導線の確保)、「効率的な配信フロー」(コンテンツ管理、バージョン管理)の5つを挙げて講演を終了した。
《中尾真二》

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