FTTH市場の競争が激化、加入件数が半年で136万件増……MM総研調べ | RBB TODAY
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FTTH市場の競争が激化、加入件数が半年で136万件増……MM総研調べ

ブロードバンド 回線・サービス
FTTH回線契約数シェア(2010年9月末)
  • FTTH回線契約数シェア(2010年9月末)
  • ADSL回線契約数シェア
  • ISP事業者のFTTH契約数シェア
  • ISPのADSL契約件数シェア
  • ブロードバンド接続サービスの契約件数推移
  • 固定系インターネットサービスの需要予測
 MM総研は30日、「ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(10年9月末時点)」の結果を公開した。FTTH(光接続サービス)の加入件数は1,921万件となり、3月末より136万件の増加となる一方、ADSLは74.5万件の減少となった。

 FTTH市場ではADSLからの移行が一巡し、FTTH間での利用者の乗り換えによる競争が激化していることから、各事業者は解約抑制に向けた取り組みの強化に動いている。これによりこの半年も大きな伸びを見せた。一方、ADSLは895万5,000件で3月末より74万5,000件減少し、ブロードバンド接続サービス(FTTH、ADSL、CATV接続)に占めるADSLの割合が初めて3割を切ることになった。

 FTTH市場では、9月末のNTT東西合計の加入件数は1,424万件となり、シェアは合わせて74.1%となった。上期のNTT東西の純増数は98万9,000件となったが、前年同期の純増数114万4,000件と比較すると、純増ペースはやや鈍化している模様だ。一方、KDDIやケイ・オプティコムが順調に加入件数を増やし、シェアを大きく伸ばしている。とくにKDDIグループは174万1,000件(シェア9.1%)で、3月末から22万8,000件の増加(シェアは0.6ポイント増加)と順調に加入件数を伸ばした。集合住宅向け1Gbpsサービスの開始やギガ得プランなど、サービス・価格両面での訴求が奏功した。KDDIグループではFTTH契約数を11年3月末までに204万件、年間純増数53万件を目標としているとのこと。関西地域を中心に展開しているケイ・オプティコムは、109万件となった。順調に契約数を伸ばし、シェアは5.7%となった。公衆無線LANサービス「eoモバイル」など、新サービスの拡充で10年度目標契約数117万件をめざすとしている。

 対するNTTは、利用者の継続利用を促す策としてNTT東日本が2009年12月から始めた入会費・年会費無料の会員制プログラム「フレッツ光メンバーズクラブ」が、9月に100万会員を突破した。また、ノンPC層の拡大策として光回線を利用した映像サービス「ひかりTV」や「フレッツ・テレビ」にも力を入れる。「ひかりTV」は契約数が120万4,000件となり、上期で19万5,000件の純増となった。今期は3D・HDコンテンツの拡充やショッピング機能の提供も開始し、サービスを充実させる。10年度契約数目標は140万件。地デジ対策で期待される「フレッツ・テレビ」は、契約数が40万3,000件で、10年度目標は82万件としている。6月下旬から提供開始したモバイルWiFiルータ「光ポータブル」では、モバイル機器との連携を強化する。

 UCOMは52万9,000件と同年3月末からやや純減だが、一部ブランド名を一新し、低価格商材の強化や新サービスプランの積極投入で着実に足場を固める。今後は各事業者ともユーザーの継続利用が課題となってくるため、価格やサービス・サポートなどの強化が一層期待される。

 ADSL回線事業者で首位は、ソフトバンクBBのYahoo!BB ADSL。シェアは、ソフトバンクBBが38.6%、イー・アクセスが23.7%となった。NTT西日本、NTT東日本はともに17.5%で、上位2社がADSL市場をリードする形が続く。2位のイー・アクセスは、7月1日付でイー・モバイルを完全子会社化したことで固定通信とモバイル通信の融合を図る。

 ISP事業者のFTTHシェアでは、OCNが569万4,000件となり、3月末から28万6,000件の純増。引き続き首位を維持したものの、3月末シェア30.3%から0.7ポイント下げ、29.6%となった。2位のBIGLOBEは195万7,000件となり、シェアは10.2%。契約数200万件が目前となった。So-netは132万件となり、@niftyを引き離し単独4位となった。M&Aを含めた積極的な施策展開で2012年度のFTTHシェア10%を目指す。その他事業者については、ソフトバンクBBが2009年2月から開始した「Yahoo!BB光withフレッツ」が9月末で加入件数57万5,000件となり、3月末から33万8,000件の純増と急速な伸びを見せている。OCN、BIGLOBE、So-netを始めとする各事業者は、利用者の接続環境設定などのサポートサービスを拡充している。ARPU向上や利用者の継続利用に向けたサービスの強化が、今後の重要なポイントとなる。

 9月末時点でのブロードバンド契約者数は3,264万件となり、回線種別ではADSLが896万件、FTTHが1,921万件、CATVが447万件となった。ブロードバンド契約者数を回線種別比率でみると、ADSLが27.4%、FTTHが58.9%、CATVが13.7%となり、FTTHが固定系ブロードバンド回線で磐石な地位を確立している。FTTH市場は11年3月末に2,043万件程度の普及が見込まれ、13年3月末には2,540万件まで拡大し、ブロードバンドに占める割合は70%を超えると予想される。ADSLからFTTHへの移行も次第に緩やかになると見られるが、13年3月末にブロードバンドサービス全体で3,600万件と契約数は伸びるものと予想される。
《池本淳》
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