OKI、世界初、毎秒40ギガビットの光位相同期型コヒーレント光通信技術を開発 | RBB TODAY

OKI、世界初、毎秒40ギガビットの光位相同期型コヒーレント光通信技術を開発

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光注入モード同期半導体レーザを局部発振器に用いた光位相同期回路ブロック図と復調のイメージ
  • 光注入モード同期半導体レーザを局部発振器に用いた光位相同期回路ブロック図と復調のイメージ
  • 一般的な光位相同期回路ブロック図と復調のイメージ
  • 従来方式と今回開発した方式における復調波形の比較
 OKIは23日、次世代の光通信の高速化技術として有望視されつつも実用化が困難といわれてきた、「コヒーレント光通信」向け光位相同期技術の開発に成功したことを発表した。

 コヒーレント光通信は、光の波としての性質を利用して光の周波数や位相に送信すべきデータを重畳して伝送する方式。また、光位相同期技術は、コヒーレント信号の検出を可能にする要素技術。約200THzに及ぶ2つの光搬送波の位相を高精度に一致させるフィードバック制御技術で、これまで実用化が難しいとされていた。光位相同期技術は、光信号搬送波を高精度で再生可能なため、コヒーレント光信号の有力なデータ復調手段の1つとされている。

 OKIでは、光位相同期技術を採用して試作した毎秒40ギガビットの受信機にて、世界で初めて2値位相変調信号の安定したコヒーレント受信を実現したとのこと。本技術では、光信号を電気信号に変換する必要がないため、近年注目されているデジタルコヒーレント受信方式と比較して、受信機の消費電力を約1/10に削減できる他、ネットワークの遅延も減少するという。コヒーレント光通信方式は、2020年頃に必要となることが予想される毎秒100テラビット級光ネットワーク(1秒間にブルーレイディスク500枚分相当のデータ送受信を可能にする)への適用が有望視されている。

 コヒーレント光通信方式は、1980年代から精力的に研究が実施されており、一般に光搬送波の位相にデータを重畳した光位相変調信号を用いていた。デジタルコヒーレント受信方式も脚光を浴びたが、消費電力の削減、リアルタイム処理を行うための技術開発など、解決すべき課題も残されていた。これに対し、光位相同期技術は、フィードバック制御に基づいた光信号処理技術であり、省電力かつリアルタイム性に優れた復調技術だが、光信号の搬送波周波数が高く(FM放送波の約2百万倍)、周波数不安定性が大きい(1秒あたりで高精度高周波発振器の10倍~1,000倍)ため、実用化が難しいとされてきいた。

 今回OKIは、これまで、実用化の阻害要因となっていた光位相変調信号および局部発振光の周波数不安定性を克服する手段として、光注入モード同期半導体レーザを局部発振器として導入。光注入モード同期半導体レーザは、外部より入力した光信号と同一の周波数を有する光信号を出力する特性があり、これを応用することにより、光位相変調信号と局部発振器の搬送波周波数を常に一致させることが可能になった。

 今回の研究で試作された毎秒40ギガビットの光位相同期型コヒーレントホモダイン受信機は、今後さらに高速となる光信号への適用が可能とのこと。2015年を目処に実用化を目指す。
《冨岡晶》

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