今後は、10G-EPONの普及をめざし、同時収容できる加入者数を32から128に増やすことでOLT(Optical Line Terminal)数を削減し、低コスト化や省電力化を図っていく。そのためには高感度化技術や、また高品質な映像配信サービスを提供するためのコア網と連携した帯域保証技術も必要とされており、これらの課題に取り組みながら2011年度製品化をめざし、研究開発を推進していく。
PON(Passive Optical Network)の国際標準は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)とITU-Tの2団体によってそれぞれ策定されている。IEEE標準では2009年に上り1Gビット/s ・10Gビット/s、下り10Gビット/sの10G-EPON(IEEE802.3av)の標準化が完了している。日立グループは標準化開始当初から参画し、積極的に提案活動を実施してきた。特に光リンクバジェットに関する提案は一部標準化規格に採用されている。さらにPONのシステム仕様の標準化のため、IEEE1904委員会が2010年3月から開始され、そこにおいても標準化に貢献しながら開発を加速していく。また、ITU-T標準では下り10Gビット/s、上り2.5Gビット/sのXG-PONの検討が進められており、2010年に勧告化される予定である(図5参照)。日立グループはPONの標準化開始当初からのメンバーであり、現在はIEEEとITU-Tの物理層規格の共通化に向けて積極的に活動している。