富士通、DNAを用いた革新的なバイオセンサー技術を開発 | RBB TODAY

富士通、DNAを用いた革新的なバイオセンサー技術を開発

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DNAの動作の可視化
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 富士通研究所とミュンヘン工科大学は16日、今までにないまったく新しいバイオセンサー技術を共同で開発したと発表した。従来の100倍のスピードでタンパク質を高精度に検出でき、病気の診断が飛躍的に向上する見込みだ。

 負に帯電しているDNA(デオキシリボ核酸)に周期的な運動をさせ、その様子を計測することで、タンパク質を高速に検出する、世界初の技術だという。本技術については、ミュンヘン工科大学内のチームが、富士通研究所のサポートのもと、ドイツ経済技術省のインキュベーションプログラム「EXIST」に沿って事業化を進めているとのこと。なお技術水準の高さと事業化への期待の大きさが評価され、本技術の事業化案がドイツのビジネスプラン・コンテストで入賞している。

 新型インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)などの新しい感染症、あるいは癌や糖尿病などの原因となるタンパク質を見つけ出す研究が盛んに行われており、タンパク質の種類や量、大きさを調べることで、病気の早期発見や適切な治療が可能になると期待されている。そのため、疾患の目印となるタンパク質を迅速かつ、精度良く検出する技術が重要となっていた。しかし従来、タンパク質の検出のためには複数の工程が必要であるため、コストがかかり、また病院に行って検査を受けても診断結果が出るまでに時間もかかっていた。

 富士通研究所とミュンヘン工科大学ウォルターショトキー研究所(Abstreiter教授グループ)は、バイオセンサー技術の研究を2001年から共同で開始。今回、DNAを利用してタンパク質を計測するという、今までにないまったく新しいバイオセンサー技術を開発した。DNAが水溶液中では負に帯電する特性を利用し、電極に対して交互に正と負の電位をかけることで、DNAを電極に引き寄せたり離したりする技術を開発。さらに、DNAの先端に目印としてつけた色素の蛍光が、電極から離れていると明るく、電極に近づくと暗くなる性質を利用することで、DNAの動作を可視化することに成功した。本バイオセンサー技術により、測定時間を従来の100分の1に短縮でき、かつ100分の1のサンプル量で精度の高いタンパク質の計測が可能になるという。
《冨岡晶》

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