京都一休寺の狩野探幽などの壁画、DNPがデジタル技術で復元・印刷 | RBB TODAY

京都一休寺の狩野探幽などの壁画、DNPがデジタル技術で復元・印刷

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一休寺(方丈)
  • 一休寺(方丈)
  • デジタル再製画された狩野探幽 筆「瀟湘八景図」
  • 原在中 筆 小襖2面
  • DNP「伝匠美」サイト(画像)
 大日本印刷(DNP)は15日、京都の一休寺に所蔵されている、狩野探幽による障壁画43面、原在中(はらざいちゅう)による障壁画4面、計47面のデジタル再製画を制作したことを発表した。

 国指定の重要文化財である一休寺は、慶安三年(1650)に加賀藩・前田利常の寄付によって再建され、その際、障壁画43面が納められた。狩野派を代表する絵師・狩野探幽が手がけた43面は、度重なる修復と経年の劣化により、探幽が目指した表現が認識できないような状態となっていた。今回の事業では、原画そのものを修正するのではなく、非接触型高精細スキャナーを使用してデータを作成。紙本金地着色の作品の画像データ作成には、銀塩カメラが使用された。そのうえでデジタルデータ上で経年劣化による汚れを取り除き、破損やこれまでに修復された部分を修正した。

 データが完成後、DNPが独自に開発した約100年の耐久性を持つ特漉き和紙と、デジタル再製画専用の印刷機を用いて、超高精細印刷を行った。耐光性のインキを使用することで、紙本墨画淡彩の作品は50年以上、紙本金地着色の作品は90年以上にわたり、再製した障壁画の鑑賞が可能とのこと。完成したデジタル再製画は方丈に設置され、原画は、劣化を防いで長期保存するため境内の収蔵庫に保管される。

 一休寺では、境内整備事業の一環として、方丈の障壁画のデジタル再製画制作を、2009年5月より開始。デジタル再製画は、伝統文化財保存研究所の代表・石川登志雄氏の監修のもと、DNPが制作にあたった。対象作品は、室中之間(しっちゅうのま)の狩野探幽筆「瀟湘八景図(しょうしょうはっけいず)」 襖16面、衣鉢之間(いはつのま)の狩野探幽筆「山水図」 襖4面、壁画1面、仏間(ぶつま)の原在中筆 壁画2面、相之間(あいのま)の原在中筆 小襖2面など。なお一休寺では、これらのデジタル再製画を方丈に設置、同日より一般公開を開始している。

 DNPは1999年より、デジタル再製画技術『伝匠美』の取り組みを開始し、画家の表現手法の研究と、特漉き和紙といった素材、専用印刷機、カラーマネジメント用システムなどを開発している。従来は不可能とされていた金箔上への印刷、天井画・杉戸絵など木材への印刷などを実現し、あらゆる日本画の再現に対応できるという。
《冨岡晶》

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