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【OGC 2010】注目のソーシャルアプリビジネスの傾向とインフラ条件

エンタープライズ その他
ビットアイルの高倉敏行氏(マーケティング本部 事業推進部 部長)
  • ビットアイルの高倉敏行氏(マーケティング本部 事業推進部 部長)
  • SNSオープン化の流れとともに、ソーシャルアプリケーションパッケージの需要も伸びるものと予測
  • 従来のインターネットサービスと異なるソーシャルネットサービスのトラフィック。サービス開始からトラフィックが集中し、急激なトラフィックの増加も見込まれる
  • ソーシャルネットアプリに求められるインフラ要件。ネットワーク特性を満たすように、初期キャパシティの確保や、短納期での利用、柔軟性や拡張性が求められる
  • ソーシャルアプリケーションパッケージのサービス概要。短納期、短期利用、初期費用不要、大量サーバーの迅速な提供などの特徴がある
  • パッケージのサービス構成。「シングル構成」または「冗長構成」の2タイプが用意され、インターネットの高速回線も選べる
  • 基本パッケージの詳細内容。初期コストが不要で、シングル構成時で月額100万円、冗長構成時で月額140万円と低額で提供
  • パッケージのオプション内容。ロードバランサー、追加サーバー、1Gbpsへの共用回線アップグレードなどに対応できる
●ターゲットを絞った新インフラサービスを続々と展開中

 東京都内で開催された「OGC 2010」。ビットアイルの高倉敏行氏は、「ソーシャルアプリケーションプロバイダー向けインフラサービスのご案内」をテーマに講演を行った。

 同社は2009年8月にクラウドサービス「Cloud ISLE」を投入し、さらに顧客ターゲットを絞った新インフラサービスも続々と展開中だ。アプリケーションベンダー向けのSaaS基盤や、デジタルコンテンツ制作事業者向けのオンデマンドサービスを開始。さらに今年2月からは、ソーシャルアプリケーションプロバイダー(SAP)およびSAP支援事業者向けに専用パッケージの提供を開始した。

 同社がソーシャルアプリケーションパッケージを市場に投入した理由は何だろか? その背景としてSNSオープン化の流れがあるという。国内では2009年8月にmixiがオープン化され、2010年の年明けにはモバゲータウンのオープン化も続いた。またGREEもオープン化を発表している。高倉氏は「まさに2010年はソーシャルアプリビジネスのターニングポイントになると捉えている。特に我々のビジネスでは、昨年のmixiモバイルの開始が大きな影響を与えたと思う」とした。

 多くの企業がソーシャルアプリビジネスへの参入を検討しているのは、SNSが抱える膨大なユーザーからのアクセスを期待できるからだ。実際、SNS御三家のmixi、モバゲータウン、GREEはいずれも1500万人以上のユーザーを擁している。従来のようにプロモーションプランを立て、マーケテイング戦略を実行しなくても、多くのユーザーにアプローチできるのだ。またAPIによるプラットフォーム機能を活用したコンテンツも容易に開発できる。アイテム課金や広告など収益の獲得オプションも多いし、既存コンテンツの流用も可能だ。

 高倉氏はソーシャルアプリビジネスの特性について「集客に労力・資金が少なくて済む。早期収益化を期待でき、結果が早く出る。アイデア次第で複数のサービスを展開できる」と説明する。しかし、このようなビジネス機会の一方で、ソーシャルアプリビジネスには、これまでのインターネットサービスと異なる特性がある点も指摘する。

 たとえばネットワークトラフィックの特性がそれだ。ソーシャルアプリビジネスでは、サービス当初からトラフィックが集中する可能性がある。もともとネットワーク性を利用したアプリケーションであるため、急激なトラフィックの増加も見込まれる。追加機能やプロモーションによってもトラフィックが影響する。逆に、ひとたびサービスに人気がなくなれば、一気にトラフィックも減少する傾向がある。

 そして、このようなインフラ要件を満たす最適解として、先ごろ同社が提供を開始したのが、まさしく「ソーシャルアプリケーションパッケージ」なのだという。このソーシャルアプリケーションパッケージは、ソーシャルアプリビジネスをスタートアップする際のインフラとして必要なサービスをワンパッケージで提供するもので、短納期(利用開始まで最短2週間)、短期利用(最低3ヶ月、追加サーバー1ヵ月)、初期費用不要、大量サーバーの迅速な提供(サーバー増設最短3営業日)といった特徴がある。

 パッケージには、ラック、電源、インターネット回線、サーバーなどのレンタル機器のほか、監視・運用サービスも含まれ、基本パッケージとして「シングル構成」または「冗長構成」の2タイプが用意されている。このほかにオプションとして、サーバーやロードバランサーも追加できる。インターネット回線も基本となる100Mbps共用のほか、増速オプションとして1Gbps共用を選択することも可能だ。100Mbps共用回線の基本パッケージ費用は、シングル構成で月額100万円、冗長構成で月額140万円と低額に抑えられている。初期コストが不要だという点も見逃せないところだ。

 最後に高倉氏は、他社のサービスと同社のソーシャルアプリケーションパッケージを比較して、その優位性をアピールした。データセンターの利用では長期契約になり柔軟性もなく、クラウドは海外サービスが多いためレイテンシ(遅延)の問題もあるという。同社のパッケージでは速度も問題なく、契約も短くて済むためリスク回避も可能だ。高倉氏は「今後は、価格レンジが小さく、さらに柔軟性に富んだ新しいサービスメニューも展開していく予定だ」として、講演を終えた。
《RBB TODAY》
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