ウェブだけではないITを楽しむ「夏休みこどもIT体験」イベント——NTTデータ | RBB TODAY

ウェブだけではないITを楽しむ「夏休みこどもIT体験」イベント——NTTデータ

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「夏休みこどもIT体験」のセミナールーム
  • 「夏休みこどもIT体験」のセミナールーム
  • 霞が関ビルから見た虎ノ門交差点。休日のため道路はすいている
  • 霞が関ビルから皇居方面を臨む
  • 国会議事堂
  • 景色を眺める参加者たち。上空には宣伝用の飛行船が飛んでいた
  • スライドによるITの基礎知識の学習
  • クレジットカードの決済システムを銀行ATMにも応用したCAFISの説明
  • 「お絵かき教室」の風景。まずは自由に描いてみる
 8月5日から18日の期間、NTTデータは「夏休みこどもIT体験」イベントを開催している。このイベントは2004年に始まったもので、小学生の親子を対象に社会や暮らしに浸透しているITを身近に感じてもらうというものだ。

 会場は、霞が関ビル30Fにある、NTTデータのプレゼンテーションスペース「INFORIUM」。体験イベントは1回25名(親子同伴)程度によるツアー形式で、NTTデータのショールーム内のデモを体験していく。参加費用は無料。申込はすべて事前予約だが、少人数のためデモがよく見えない、触れないといった心配はない。

 プログラムは「ITの基礎知識」「お絵かき教室」「ECサイト」「サンリオBB」「無線ICタグ」「Red Tacton(レッドタクトン)」の6つに分けられる。時間にしておよそ1時間半のツアーとなる。また、会場となる霞が関ビルというロケーションから、途中でビルの外を眺める時間も設けられるが、これは同伴の保護者でも楽しめるものだ。正面の汐留開発地域の高層ビル、レインボーブリッジ、東京タワー、皇居、横方向からの国会議事堂、首相官邸、新宿副都心など。いまでこそ並の高層ビルの高さだが、場所がら比較的周囲が開けている状態での30階という高さの眺望はむしろ新鮮だ。

 ツアーの最初は、椅子ごとにPCが用意されたセミナールームに案内され、「ITの基礎知識」について座学が始まる。座学といっても、スライドスクリーンとツアーガイドの説明は子供に飽きさせない内容となっている。また、ITとインターネットの関係は深いが、インターネットやウェブに特化することなく、電話、FAX、銀行ATMなど生活に直結したネットワークの話や、子供たちに身近な学校の連絡網にFAXや電子メールを利用するという話なども盛り込まれている。

 次は、そのまま手元のPCで「お絵かき教室」となる。使用するソフトウェアは「水彩」というペイントソフトだ。テンプレートとなる下絵はうさぎと自動車の2種類が用意され、これに子供たちが彩色していく。でき上がった絵については、カレンダーとして印刷したものを帰りにお土産として持たせてくれる。

 なお、ツアーにはメインで説明を行うガイド以外に4名前後サポートがつき、時間内で塗り絵が完成しないといったことがないように配慮してくれる。もちろん同伴の親のサポートも可能だが、実際には、大人のPC教室よりも子供のほうが操作を覚えるのが速いようだ。中にはガイドに教わりながら、グラデーションやパターン模様などを駆使する子供もいた。

 次は「ECサイト」の紹介だが、セミナールームからショールーム内のデモコーナーに移動となる。大型画面でユニクロのECサイトを見せながら、その便利さ、可能性について紹介していく。そして、「サンリオBB」の体験は、先ほどのセミナールームとは別の体験コーナーで、ここでも1人1台ずつのPCで、サンリオのゲームサイトが体験できる。ここでは、純粋にゲームを楽しむことができるが、正面のモニターには各端末の画面が分割表示され、全員の進行状況などが確認できるようになっていた。

 続いて「無線ICタグ」のデモでは、ICタグを使った農作物のトレーサビリティと、レストランのメニュー管理の例、そして、タグが埋め込まれていない物に使えるクリップ型のICタグのデモが行われた。クリップ型のデモは、たとえば駅の遺失物などのデータベースと対応する傘などの忘れものにクリップでICタグをつけておくと、端末で確認した遺失物にはさんだクリップが発光したり音を出したりで即座に確認できるというものだった。

 最後の「Red Tacton」は、NTTが開発した人体や物の表面に形成した微弱な電界を利用した伝送路技術だ。人が物に触るだけで情報をやりとりできるというものだが、デモでは、カードを持った子供が「レッドタクトンくん」と握手をすると、その子供の名前を認識した挨拶をしてくれるというものだ。

 デモだけでは大人でもわかりにくいかもしれないが、この技術は人体を導体として信号を流す技術ではなく、電界を利用するためカードなどは素手で持つ必要はない。カード、端末などはポケットに入っていても、携帯している人がRed Tactonの送受信部に触れば通信が可能になる。実際、握手に反応する「レッドタクトンくん」は手袋をはめており、端末や送受信機は電気的に導通している必要はないが、電波による無線通信でもないので、対象物とは物でつながっていなければならない。

 表面電界は、物の形状や人間の動作によっても変化するので、単なる伝送路としてだけでなく、ある程度の動作を加えた認識や認証も可能であり、応用は広がる。研究されている応用は、薬品の瓶、商品パッケージに、その薬品を取り扱えない人、忌避症状がある人、アレルギーがある人がさわると警告を発するようなシステムのほか、入退室管理、印刷制御、施錠・解錠のための認証技術などがある。

 ツアー終了後は、「お絵かき教室」で作成したカレンダーとツアーの「修了証」などがお土産として子供たちに配られて解散となる。全体として、座学やデモ中心のものと、実際に遊んだり体験するものをメリハリをつけてプログラムしており、途中で飽きてしまうような子供はほとんどいない。人気のコーナーは「お絵かき教室」だそうだ。また、ガイド役の女性もプロフェッショナルで子供の扱いに慣れているため、子供が暴走しそうなときも非常に巧みにペースを制御している。

 ウェブやインターネットというと、昨今はネガティブなイメージで語られることが多くなってしまったが、「IT」という視点で捉えてみると、ウェブはその一部でしかない。リテラシーという意味で、インターネットの知識や接し方を教えることも重要だが、社会全体にかかわる技術としての「IT」。それに対する考え方や接し方が体験できるこのようなイベントは貴重かもしれない。
《中尾真二》

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