宅内ネットワークは1ギガ共有の時代がくる——KDDI「ギガ得プラン」のねらい | RBB TODAY

宅内ネットワークは1ギガ共有の時代がくる——KDDI「ギガ得プラン」のねらい

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FTTHの普及率。集合住宅での普及が進んでいるが、個宅への普及の余地はまだある状態だ
  • FTTHの普及率。集合住宅での普及が進んでいるが、個宅への普及の余地はまだある状態だ
  • FTTH非利用の理由。集合住宅は、100Mbpsを全棟で共有するタイプなら料金設定も個宅タイプより安くできる
  • FTTH導入理由。やはりわかりやすい速さは訴求ポイントとして生きている
  • コンシューマ事業企画本部 コンシューマ事業企画1部 課長補佐 岡本輝幸氏
  • コンシューマ商品企画本部 ネットワークサービス企画部 BBネットサービスグループ 課長 池田大樹氏
  • コンシューマ商品企画本部 ネットワークサービス企画部 BBネットサービスグループリーダー 課長 庵原武彦氏
 10月1日からKDDIによる1Gbpsのインターネット接続サービスが関東・北海道で始まった。サービス開始の発表は9月24日に行われ、料金プランやサービスの概要はRBB TODAYをはじめ各誌で報じられているが、あらためてKDDIにサービスのねらいや導入メリットなどを聞いてみた。

 1ギガサービス自体はケイオプティコムなどがすでに商品化しており、目新しいものではないが、料金設定は注目に値する。月額基本料金が5,460円(税込み、2年契約)からというのは、通常のFTTH 100Mbpsコース、高速ADSLタイプの料金並みといってよい。1Gbpsといっても共有型なので複数(32)の回線契約と共有になるが、単純なスペックだけの比較なら100MbpsのFTTHよりお得感が高い。KDDIがこのようなサービスを導入したねらいはどこにあるのだろうか。

 シナリオはこうだ。KDDIの調査では、ネット利用者全体のうち、集合住宅でFTTHを利用している割合はおよそ6割。逆に戸建住宅では4割を切っている。そしてFTTH非利用の理由に月額料金を挙げる人が多く、FTTH利用者の多数(戸建で82%、集合住宅で66%)が通信速度へのこだわりをみせているという。

 「戸建市場ではまだFTTH加入率が高くなく、成長が期待できると思っています。これらの調査結果から、速さと料金をユーザーに訴求できればお客様に喜んでもらえ、市場拡大も目指せるのではないかと考えています。」

と、KDDI コンシューマ事業企画本部 コンシューマ事業企画1部 課長補佐 岡本輝幸氏は説明してくれた。

 実際、RBB TODAYでサービスを提供している「ギガスピード」(100Mbps以上の計測が可能な速度計測サービス)でも、ひかりoneホームでの計測結果に200Mbps、300Mbpsといった「利用者の声」への書き込みがされている。一般的なネット利用なら10Mbps以上の速度の体感は難しいかもしれないが、最近の動画アップロードなどは1ギガサービスの違いを体感できるだろう。ネット接続はスピードがすべてではないにしろ、わかりやすい指標のひとつには違いない。エコが叫ばれる車でもいわゆる馬力神話が健在だったりもする。アクセス回線の帯域は、同じ料金だったら太いに越したことはない。

 「ギガ得プラン」のサービスエリアは、現在のところ関東エリアの1都6県と北海道の札幌市、北広島市、江別市、石狩市の一部となっている。エリア内でも集合住宅は階数や工事条件などで制限されることが多いので、個別の確認が必要だ。プランにはギガビット対応の「ギガホームゲートウェイ」のレンタルも含まれる。「ギガホームゲートウェイ」は、有線/無線LANルータ機能を内蔵しているので、モデムやルータの交換は気にする必要はないが、それ以外のネット環境は注意が必要だ。パソコンのスペックも相応のCPUやメモリ、OSが搭載されていなければ、所用の性能はでない。とくにネットワークカード(NIC)が1000BASE-T/TX対応のものか確認する必要がある。

 これについて、コンシューマ商品企画本部 ネットワークサービス企画部 BBネットサービスグループ 課長 池田大樹氏は、次のような話をしてくれた。

 「ご存知のように、実際の回線スピードは、契約しているアクセス回線の速度で決まるわけではありません。Windows 98やMeのような古いOSが標準搭載のPCでは十分なネットワークスピードは期待できません。また、PCのLANボードのスペックも1Gbpsの速度に対応していなければそこがボトルネックになってしまいます。細かい点では、接続するLANケーブルもCAT-5E以上のものが必要です。これは展示会のデモでの話しですが、700Mbps以上の実測結果を見たお客様が『PCのスペックが追いつかないかもしれない』という感想を述べられたこともあります。」

 ヘビーユーザーにはこれらのポイントは常識かもしれないが、だからといって初心者やPCのスペックや設定にこだわらないユーザーには無意味なサービスかというとそうでもない。これまでは、その世帯でパソコンやネットを主に利用するのは一人、もしくはパソコン1台というのが普通だったが、最近では、家族全員がメールアドレスを持ち、ネットにアクセスするのも珍しくない。一世帯に複数のパソコン、それにゲーム機やPDA、カーナビ、ネットワークオーディオ機器、ネット対応テレビなどさまざまな製品がインターネットに接続する。こうなると、個別のパソコンの設定やスペックは現状のままでも回線の容量(帯域)もそれなりに必要だ

 コンシューマ商品企画本部 ネットワークサービス企画部 BBネットサービスグループリーダー 課長 庵原武彦氏はいう。

「ギガ得のモチーフには値段とスピードがありますが、純粋なスピードを追求する側面と、これからの宅内ネットワーク環境としてのスペックという意味もあります。家族みんなで利用するネット回線をストレスなく共有するのための1ギガなんです。」

 100Mbps FTTHの平均的な実効速度は30Mbps程度だ。スピード測定で30Mbpsでていても、実際にアクセスするサイトのサーバーがネックになり、動画が止まることもある。それなのに1Gbpsなんて無意味だ、という意見も一理ある。しかし、これからのライフスタイルを考えたとき、ベストエフォートで共有ながら、いや、共有だからこそ太い帯域の契約に意味があるということだろう。アナログ放送終了を控えて地デジテレビへの買い替えが騒がれ始めているが、デジタル放送開始とともにテレビでネット動画の視聴といったスタイルが定着するならば、アンテナをデジタル放送に対応させるようにネット回線の見直しも必要になってくるかもしれない。
《中尾真二》

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