NECのめざすハイブリッドSaaS——すべてSaaS化するのが正解とは限らない | RBB TODAY
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NECのめざすハイブリッドSaaS——すべてSaaS化するのが正解とは限らない

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日本電気株式会社 第二システムソフトウェア事業部 エンジニアリングマネージャー 高橋勝彦氏
  • 日本電気株式会社 第二システムソフトウェア事業部 エンジニアリングマネージャー 高橋勝彦氏
  • 企業規模別のSaaSユーザニーズの調査結果。中小企業の導入意向の高さが顕著となった
  • SaaS導入要件の調査結果。安心・安全、柔軟なカスタマイズ対応、大手ベンダーの参入が上位3位を占めた
  • セールスフォース・ドットコムのForce.com、NECのSaaS基盤サービスおよびBiglobeを基盤として、NECグループやパートナーとともに、大企業向けからSMBまでの全顧客セグメントに対応していく
  • CTI連携ソリューション:Salesforceのサービス&サポート機能をNECのCTI製品(CSVIEW/CCBASE)で強化することにより、Salesforce上の電話操作画面から簡単に電話操作するなどの連携が可能になる
  • FAQ連携ソリューション:Salesforceの顧客サポート機能をNECのFAQ作成・管理専門ツール「CSVIEW/FAQナビ」と連携することにより、Salesforceに登録した問い合わせ内容から、オペレータがFAQ画面で自動検索するなどの連携が可能になる
  • 音声SaaS連携ソリューション:SalesforceのCRMに音声SaaSプラットフォームの音声機能を付加し、Click to CallやText to speechなど、効率的な営業支援サービスを提供する
  • RFID工具持ち出し管理ソリューション:持ち出し/返却処理が短時間に行え、抜け/漏れのない管理、持ち出し管理の無人化による運用コストの削減が期待できる
 セールスフォース・ドットコムのプライベートイベント「Salesforce LIVE '08」においてNECは9月2日、「NECのSalesforceへの取り組み」と題したセッションを行った。

 NECが2007年に行った「SaaSユーザニーズ把握調査」によると、企業における現在のSaaS利用率は5.8%。これに対し今後の導入意向は17.5%で、中でも従業員が50人以下および100人以下の中小企業で導入意向が高いという結果になった。また、SaaS導入にあたって重要視する要件としては、「安心・安全な環境でのサービス提供実現」「柔軟なカスタマイズ対応」「大手ベンダーのSaaS展開を待つ」が上位3位を占めた。NECはこの3つの要件に対しそれぞれ、NGNの適用によってセキュア環境を提供すること、豊富なカスタマイズ機能を持つSaaS基盤を採用すること、独自ソリューションを提供していくこと、で応えていくとした。

 NECは今年3月、SaaSを中心としたサービスプラットフォーム提供事業を開始。パートナーのSaaSビジネス化を促進する「SaaSビジネスイノベーションプログラム」など、SaaSビジネスへの本格参入を発表している。そのNECがSaaSビジネスで目指すのは、SaaSと従来の導入型を組み合わせたハイブリッド型のソリューション提供だ。NECの高橋氏は、「ITシステムを全てSaaSで提供することが必ずしも正解というわけではない。基幹システム系のように、従来の導入型でシステムインテグレーションして構築したほうがいいシステムもある」と述べ、顧客のニーズに応じてトータルに提供していくという。

 SaaS基盤としては、セールスフォース・ドットコムのForce.comと、NECの様々なSaaSサービス基盤を連携させ、さらにコンシューマ向けのサービス基盤である「Biglobe」との連携も行っていく。その一例として、クレジットカード決済で税金を納付できるサービスを、Biglobeの与信・課金システムを使って、SaaS型で提供するといった事例があるそうだ。

 NECはまた、9月1日に国内で初めて「Force.com VARパートナー」としての契約を締結した。今後はSalesforceをより便利にするソリューションとして、SalesforceにNECのCTI製品「CSVIEW/CCBASE」やFAQ作成・管理専門ツール「CSVIEW/FAQナビ」などを連携させることにより、「コンタクトセンター」「eマーケティング」「営業力強化」におけるサービスを順次提供していく。また、APIを介した他サービスとの連携においてはNGNを活用し、NGNに対応した新しいサービスの創出や、セキュアなシステム連携環境の提供を行っていく。
《柏木由美子》
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