日立、東京理科大学、NTT Comが、大量データの安全な流通・保存技術を開発〜低電力で暗号化、部分開示、秘密分散など | RBB TODAY
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日立、東京理科大学、NTT Comが、大量データの安全な流通・保存技術を開発〜低電力で暗号化、部分開示、秘密分散など

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申請手続きサービスへの適用イメージ
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 日立製作所、東京理科大学、NTT コミュニケーションズ(NTT Com)の3社は17日に、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)からの委託を受け、ユビキタスネットワーク社会における多様かつ大量なデータの安全な流通・保存技術を共同で開発したと発表した。

 この新技術では、機密性の高いデータを扱う多種多様なサービスを、さまざまな生活シーンにおいて安全かつ快適に利用することが可能になるとのこと。具体的には、従来パソコンで扱っていた動画コンテンツのような大容量データを、小型情報端末で安全に利用するための「低消費電力暗号技術」、各種申請手続きや健康管理に関する機密性の高い情報などを、閲覧者の権限に応じて柔軟に閲覧制限するための「選択的開示暗号技術」、機密性の高いデータを長期間安全に保存し、かつ障害等で一部の保存データが失われた場合でもサービスを容易に復旧できるようにするための「秘密分散技術」などとなる。

 今回、日立は「低消費電力暗号化技術」と「選択的開示暗号化技術」を、東京理科大は「低消費電力暗号」の安全性評価技術を、NTT Comは効率的な「秘密分散技術」をそれぞれ開発した。

 「低消費電力暗号化技術」については、電子政府推奨暗号でありISO標準でもある日立のストリーム暗号「MUGI」をベースに、低消費電力で処理可能なあらたなストリーム暗号「Enocoro」が開発された。「Enocoro」では、内部状態を保持するレジスタの数を大幅に削減し、ハードウェアの規模をMUGIよりも小さく抑えることで、消費電力の低減を実現している。また、SPN2層構成の攪拌関数をあらたに採用することで、従来よりも強力にレジスタ上のデータを攪拌するほか、ハードウェア化した場合の消費電力を従来の10分の1以下に抑えることが可能となった。

 「選択的開示暗号化技術」では、コンテンツを複数の領域に分割し、それぞれの領域を、予め閲覧者の権限に対して割り当てられた暗号化鍵を用いてそれぞれ個別に暗号化することによって、同一の暗号化されたコンテンツであっても、閲覧者の権限に応じて閲覧できる個所を制御可能とした。XMLデータやPDFでの適用も視野に入れてさらなる開発が進んでいるとのこと。

 「秘密分散技術」については、NTT Comで開発した秘密分散法を応用するとともに、誤り訂正符号などを組み合わせることで、安全に機密情報を復元するための障害検知およびデータ復旧機能を実現した。
 これら3つの技術を有機的に組み合わせることで、ユビキタスネットワーク社会における多様かつ大量なデータの安全な流通・保存技術を実現できるとしている。なお本技術は、NICTの委託研究「大容量データの安全な流通・保存技術に関する研究開発」 (平成17年度〜平成19年度)の成果となる。
《冨岡晶》
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