WiMAX事業免許、KDDI陣営の布陣固まる——JR、インテルなど7社 | RBB TODAY
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WiMAX事業免許、KDDI陣営の布陣固まる——JR、インテルなど7社

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ワイヤレスブロードバンド企画に出資する各社の代表
  • ワイヤレスブロードバンド企画に出資する各社の代表
  • 新会社の概要
  • 事業構想
  • スプリント ネクステル社CTO バリー・ウェスト氏
 KDDIなどは7社は18日、WiMAXによるワイヤレスブロードバンドサービスを提供する準備のため、「ワイヤレスブロードバンド企画株式会社」の設立を発表した。

 この企画会社は、8月29日にKDDIが100%子会社として設立。9月27日までに、KDDIをはじめ、インテルキャピタル、東日本旅客鉄道(JR東日本)、京セラ、大和証券グループ本社、三菱東京UFJ銀行も出資する。2.5GHz帯にてモバイルWiMAX(IEEE 802.16e)を採用し、ワイヤレスブロードバンド接続サービスを提供するのが目的。企画会社では、まず、特定基地局開設計画の認定(事業免許の取得)を行う。

 上の写真は、左から、

ワイヤレスブロードバンド企画の代表取締役社長 田中孝司氏
京セラ 代表取締役会長 中村昇氏
インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏
KDDI 代表取締役社長兼会長 小野寺正氏
JR東日本 常務取締役 IT・Suica事業本部長 小縣方樹氏
大和証券グループ本社 取締役兼専務執行役 日比野隆司氏
三菱東京UFJ銀行 常務執行役員 営業第二本部長 亀井信重氏

となっている。

 KDDIの代表取締役兼会長の小野寺正氏は、「2003年からWiMAXに着目してきた」とアピール。具体的に、2005年には大阪にてモバイルWiMAXの実験を実施したことを示した。国際標準化の作業も積極的だ。標準化団体であるWiMAXフォーラムには、2005年に参加し、さらに、2006年にはKDDIからボードメンバーが選出された。

 ワイヤレスブロードバンド企画の代表取締役社長である田中孝司氏は、「WiMAXが社会のインフラになる」とする。同社が提供するサービスは、当初はPC向けのデータ通信、次にウルトラモバイルPC、最終的にはデジタル家電への組み込みを目指すと示した。オープン化とグローバル化にも触れられた。組み込みを目的とするには、オープン化を推進し、採用しやすくする環境を構築する必要がある。また、Wi-Fiと同じように、グローバルで同じ規格となるため、日本はもとより、将来的には、アジア、アメリカ、ヨーロッパでのローミングも予定されている。

 このワイヤレスブロードバンド企画に出資をするKDDIだが、WiMAXをはじめ、携帯電話網、光、ADSLなど、移動も固定も問わずネットワークを融合する「ウルトラ3G」構想を掲げている。さらに携帯電話事業のauでは、4Gの検討もある。しかし、WiMAXサービスでは、これらとは異なるネットワークを構築するため、グループ内での重複投資になると思われる。KDDIの小野寺氏は、「現行のサービス(au)は、音声とデータの両方を専用の端末で行っている。一方の、WiMAXは組み込みが中心になり、対象とする機器が違うから、ネットワークは別々に作っていく」とした。また、ワイヤレスブロードバンド企画の田中氏からは「auとワイヤレスブロードバンドはライバルというと、ライバルかもしれない」という発言もあった。

 インテルの代表取締役共同社長である吉田和正氏は、OFDMの開発、固定網用のWiMAX、モバイルWiMAXの標準化に推進してきたことをアピール。ノートPCにWi-Fiのモジュールを組み込んだ「セントリノ」の実績をあげ、「WiMAXもWi-Fiと同じように利用できるようにする」とした。

 JR東日本が目指すのは、乗客へのサービスとともに、業務ネットワークへの利用だ。「当社を利用していただいている1日1,600万人のお客様とともに、82社のグループ会社の業務にも活用していく」とする。また、同社が線路沿いを中心に構築したネットワークをWiMAX網の構築に利用することも検討している。

 また、米国の通信事業者であるスプリント ネクステル社もこの企画会社に賛同。記者会見にビデオレターを寄せた同社CTOであるバリー・ウェスト氏は、「KDDIとは、1998年のCDMAネットワークの構築以来、3GPPやWiMAXフォーラムで標準化で協力してきた」とアピール。将来的には、日米のローミングで提携する方針を示した。なお、スプリント ネクステル社は、2008年中に米国内においてモバイルWiMAXを用いた接続サービス開始を予定している。ノキア、サムスン、モトローラ、インテルなどと共同で、PCや家電への組み込みを目指す。

 ほか、京セラ、大和証券グループ本社、三菱東京UFJ銀行は、ワイヤレスブロードバンドサービスの将来性や、社会に与える影響などを検討した結果、出資に至ったと説明する。

 なお、通信速度や料金、提供体型、エリア展開など具体的な内容は不明。これは、免許の取得に向け申請の最中であるため、今後、明らかにされていく。

●企画会社の概要
・社名:ワイヤレスブロードバンド企画株式会社
・資本金:8億5,000万円
・代表取締役社長:田中孝司(KDDI)
・出資比率(9月27日予定)
 KDDI(32.26%)
 インテル キャピタル(17.65%)
 JR東日本(17.65%)
 京セラ(17.65%)
 大和証券グループ本社(9.8%)
 三菱東京UFJ銀行(5%)
《安達崇徳》
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