「家電製品のネットワーク化を加速したい」 -松下電器がPLC製品を発表 | RBB TODAY

「家電製品のネットワーク化を加速したい」 -松下電器がPLC製品を発表

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パナソニックコミュニケーションズ代表取締役社長(松下電器産業 役員) 藤吉一義氏
  • パナソニックコミュニケーションズ代表取締役社長(松下電器産業 役員) 藤吉一義氏
  • PLCアダプタ
  • 家庭内での利用におけるイメージ
  • 家庭内での利用におけるイメージ
  • SETUPボタンを押すだけでPLCアダプタの認証が完了する
 松下電器産業 パナソニックマーケティング本部は13日、家庭内の電力線を利用して宅内ネットワークを構築するためのPLCアダプタとして、スタートパック「BL-PA100KT」および増設用アダプタ「BL-PA100」を発表した。12月9日に発売する。

 PC不要で簡単に安全な高速ネットワーク環境を構築できる点を最大の特徴とする。通信速度は、物理層での理論最大値で190Mbps、実効速度ではUDPで80Mbps、TCPで55Mbps程度だという。暗号化方式として128ビットAESをサポートし、マスターアダプタには工場出荷時にそれぞれ異なる暗号化キーが設定されているため、近隣ネットワークで通信内容を傍受することは不可能だという。

 スタートパック「BL-PA100KT」は、BL-PA100を2台セットにし、工場出荷時にあらかじめマスター/増設アダプタとしての設定を済ませたもの。利用する際には、コンセントにそれぞれ接続するだけで通信が可能になる。接続台数を増やす場合には増設アダプタを追加購入し、ユーザーがマスターアダプタに対して登録を行なう必要があるが、この作業にもPCは不要。マスターアダプタと増設アダプタを同一コンセントに同時に接続し、5秒以内に両方の「SETUPボタン」を押すだけの作業で済む。暗号化の設定も、マスターへの登録と同時に完了し、ユーザーが設定する必要はない。なお、細かいことではあるが、アダプタをテーブルタップ経由でコンセントに接続することは推奨されていない。テーブルタップにはノイズフィルタなどが内蔵されている場合があり、この場合は通信が不可能になるおそれがあるそうだ。

 価格はいずれもオープン価格だが、想定市場価格として、スタートパック「BL-PA100KT」が2万円前後、増設アダプタ「BL-PA100」が1万3,000円前後になると想定されるという。

 説明を行なったPLC製品の製造を担当するパナソニック コミュニケーションズの代表取締役社長(松下電器産業 役員)である藤吉一義氏は、「PCなしで簡単に接続設定ができ、高度な暗号化機能を備え安全な通信が可能なHD-PLCで、家電製品のネットワーク化を加速したい」と意気込みを語った。

 PLC(Power Line Communication)の方式として、松下が独自に開発したHD-PLC方式を採用する。技術面での特徴は、変調方式として独自開発された「Wavelet OFDM」だ。短波放送やアマチュア無線との混信を避けるため、特定周波数を大幅にカットでき、既存の通信と問題なく共存できるとしている。また、PLC方式は、HD-PLCを含め国際的に3方式が並立しているが、松下では3方式が共存できる新たな規格を提案中だという。3方式の統一は現状では検討されていないものの、他の方式は中低速向けなのに対し、HD-PLCは高速となるため、共存可能となれば棲み分けが可能だとする。

 HD-PLCの命名の由来は、「高精細映像データ(HDTV)の配信にも対応可能な高速性能を備える、というところから来ているようだ。完成製品と同時に機器組み込み用のPCLモジュール「MMDPMS150シリーズ」のサンプル出荷を12月1日から開始することも発表された。PC向けの完成製品だけでなく、デジタルAV家電や、ゆくゆくは白物家電への組み込みも想定しており、自社での完成製品発売、松下グループ内での組み込みに加え、他社製品での採用も想定する。なお、市場規模予測として、PLC対応機器の台数が、2010年に全世界で1億台、日本国内で1,000万台に達するとした。
《渡邉利和》

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