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列車の業務用通信でも無線LANを検討。シスコとJR西日本が時速120kmでの通信に成功

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 シスコシステムズ(シスコ)とJR西日本は、高速移動におけるモバイルIPの実験を進めていると発表した。

 JR西日本によると列車運行における情報伝達は、列車無線か駅で渡される指示書を利用していたため、リアルタイムな情報を得ることは難しかった。さらに携帯電話の普及により、乗客の方が駅員や運転士よりも早く遅延などの情報を入手するケースも出てきていた。そのため業務用通信でもリアルタイム性が重要になり、無線LANの利用を検討していた。

 この実験は2002年2月に、川西池田〜宝塚間(6.5km)にて保守用の車両(時速30km)を用いて開始された。2002年9月からは、通常利用している車両を用いて時速120kmまで速度を上げても、同じように通信ができるまで成果をあげている。さらに2003年からは、区間をJR宝塚線の尼崎〜新三田(約37km)間に延長し、86局の無線LANアクセスポイントを設置して進めている。ここでは、データ通信のほかIP電話についても検証されている。

 実験で得られたこれらの結果は、乗務員や駅員のPDAに対して事故や遅延の情報を送る業務用の通信システムとして利用される見通しである。

 ちなみに、モバイルIPを用いるメリットは意外なところにあるようだ。JR西日本では、路線ごとに利用する車両を固定していないため、どの区間にどの車両が乗り入れても混乱なく使えるネットワークを構築しなければならない。そのため、現在利用している列車無線では、走行する路線ごとに周波数を割り当てている。しかし、周波数を変更するのと同じように、IPアドレスを変更するような運用方法は非現実的である。そこで、同社ではモバイルIPの採用に踏み切ったようだ。
《RBB TODAY》
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