日本発の新アーキテクチャ「IP-Processor」は壊れないコンピュータを目指す(前編) | RBB TODAY
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日本発の新アーキテクチャ「IP-Processor」は壊れないコンピュータを目指す(前編)

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日本発の新アーキテクチャ「IP-Processor」は壊れないコンピュータを目指す(前編)
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IP-cartridge
 Networld+Interop 2003 TOKYOで、IP-Processorに関するBOFセッションがおこなわれた。IP-Processorは、名前のとおりIPネットワーク向けの新アーキテクチャで、インターネットで使用するサーバやルータがおもな適用範囲。もともとの開発元は富士通だが、現在はIP-Processorコンソーシアムが中心となって普及活動をおこなっている。今回のBOFも、その一環だ。

●IP-Processorはブレードサーバではない

 冒頭、挨拶に立った品川雅之氏(富士通ITプロダクト営業本部IP-Processorプロジェクトリーダー)は、現在のコンピュータに対する故障率の高さやダウンタイム、計算速度の不足、ライフサイクルの短さといった不満を、このIP-Processorで解消したいと述べた。

富士通のIP-Processorプロジェクトリーダー 品川氏

 IP-Processorは、IP-cartridgeと呼ばれるCPUモジュールを、IP-Nodeと呼ばれる箱の中に1つないし複数個装着したものだ。IP-cartridgeの外寸は規格化され、Type-Iと呼ばれるタイプのIP-cartridgeは4Uサイズの箱(IP-Node)に32個装着可能となっている。

 こうした構成はいわゆるブレードサーバに類似して見えるが、コンセプトはかなり異なっている。

 IP-cartridgeは、ひとつひとつがCPUを搭載した分厚めのCDケースサイズの小型モジュールで、OSやアプリケーションなどはコンパクトフラッシュで交換が可能となっている。冷却ファンやHDDなどの可動部品やバッテリーを排除したため、20万時間以上の連続動作が可能になっている。動作中のIP-cartridgeは、基本的にギガビットイーサネットポートからIP経由でコントロールしたり入出力をおこなったりする。

富士通発表資料より、IP-Processor(IP-Node432+IP-cartridge)
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 なお、現在のIP-cartridgeはIntel CPU(モバイルPentium III 700MHz)を使用しているものの、IP-cartridge自体は、いわゆるPC(小型ベアボーンのさらに小さいバージョン)ではない。

 起動時には768MBのメインメモリ上にコンパクトフラッシュのイメージをロードし、残ったメモリ領域をファイルシステムとして利用する。コンパクトフラッシュは起動用のメモリイメージの保管場所にすぎず、起動ディスクとしてマウントされたりしないため、CFの耐久性を心配する必要もない。何かあってもリブートすれば完全にもとの状態で再起動する、というIP-Processorの特徴はこうした仕組みによるものだ。(起動ディスクがあるブレードサーバでは、ディスク破損のおそれもあるため、こうはいかない)

 こうした仕組みによって、IP-Processorは、壊れない、あるいは復旧のしやすさを実現する。また、IP-cartridgeを増やすことでトータルでの計算能力を高めることもできる。

 また、すべてがオンメモリ処理で動作するため、非常に高速だというのも特徴だ。現在でも数百MBのファイルシステムでまかなえる機能なら問題なく動作するし、今後2GBや4GBのメインメモリを搭載したIP-cartridgeが出てくればさらに広大なファイルシステムが利用できるようになる。

【前編】 【後編】
《伊藤雅俊》
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