第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された映画『箱の中の羊』。日本では5月29日より全国公開され、韓国でも6月10日からの公開を控えている。
韓国公開に先立ち、是枝裕和監督とヒューマノイド・翔役を演じた桒木里夢が訪韓。6月4日にソウル市内で記者会見が行われ、多くの現地メディアが集まった。

会見の冒頭、是枝監督は「1年ぶりのソウルです」と挨拶。桒木は流ちょうな韓国語で自己紹介し、報道陣から驚きと歓声が上がった。韓国初訪問となる桒木は「韓国に来られてすごく嬉しいです。遊んで遊んで遊びまくりたいです!」と元気いっぱいに語り、会場を笑いに包んだ。
本作の着想について是枝監督は、「2年前に中国での生成AIを使った甦りビジネスの記事を見たことがきっかけ」と説明。「異なる存在同士が一緒に生きていくことが大切だと思っている。ガラスと木、生者と死者、植物と機械のように夫婦の姿も描いてみたかった。息子を亡くし、それぞれが違った後悔を抱える夫婦が同じ箱で暮らし、いなくなった翔を想像しながら生きていく物語にしたかった」と作品のテーマを語った。
主演は綾瀬はるかと千鳥の大悟。夫婦役を演じる二人について是枝監督は、「撮影を待っている時間も二人が里夢くくんに練習しようと声をかけてくれていた」と撮影現場の様子を明かした。また、綾瀬との久々のタッグについては「お互いに10年経って成長した姿で映画を作ることができた。変わらず素敵な方で、一緒に仕事をしていて本当に気持ちのよい女優さんです」と語った。

また、桒木のキャスティングについて是枝監督は、「最初に会ってこの子だなという確信があった」と直感で決まったことを告白。「テイク1が終わってテイク2が終わるとニュアンスが変わる。応用力があってとても楽しかった」と桒木の表現力を絶賛した。
桒木自身はオーディション合格時の心境を問われ、「家族とジャンプして抱き合って喜びました。家族は泣いていて、後から母に話を聞いてその気持ちが分かり、僕もすごく嬉しかった」と心温まるエピソードを披露。会場から温かな拍手が送られた。
会見の締めくくりに是枝監督は「目に見えないところに本質がある。劇中に映るのはヒューマノイドや森やカップ焼きそばですが、その奥に見えないものを想像しながら見てもらえたら嬉しいです」と韓国の観客へメッセージを送った。




