4月26日(日)午後9時放送のNHKスペシャルでは、大型ドキュメンタリーシリーズ「臨界世界-ON THE EDGE-」の第7弾として「月の町タルトンネ 韓国最大のスラム(仮)」を放送する。


「臨界世界」はこれまで、戦時下のロシアを目指す中国のトラックドライバーや、ウクライナ占領地における「ロシア化」の実態など、激動する世界各地の現場に密着してきたシリーズ。
今回の舞台は、韓国の首都ソウルの高級住宅地として知られるカンナム(江南)。IT長者やK-POPスターといった超富裕層が居住する高層マンション群から、道路一本を隔てた丘の斜面に、1000戸以上のバラックがひしめく「タルトンネ」と呼ばれるスラム街が存在する。
「タルトンネ」とは韓国語で「月の町」を意味し、月に届くほどの高台に位置することからその名がついた。格差社会・韓国の象徴ともされてきたこの場所は、1988年のソウルオリンピック開催に際し、政府が「都市浄化」の名の下に各地のスラムを解体した際に行き場を失った人々が流れ着いて自ら水道や電気を整備し、築き上げた街だ。


その後、江南の急速な開発が進む中、タルトンネは「最後の未開発地」とも目されるようになった。ソウル住宅都市開発公社は一帯の土地の権利を取得し、30棟を超える高層マンション群を建設する計画を発表。首都一極集中がもたらす慢性的な住宅不足の解消を主な目的としている。
長年この地で暮らしてきた住民の多くは高齢者となっており、立ち退きを迫られる中、闘争運動を続ける者、運動から距離を置く者、街を去る者など、様々な思惑が交錯している。
そうした状況の中、1月16日にタルトンネで原因不明の火災が発生。120世帯以上の家屋が全焼するという事態が起きた。「誰かが仕組んだのではないか」という確証のない憶測が住民の間に広がり、コミュニティはさらなる混乱に直面している。

番組では「月の町」が都市の中に消えゆく意味、急激な経済成長がもたらした光と影を見つめる。






