新たに10G回線の利用を始めた人の通信環境や導入の動機をレポートする連載「10G回線導入レポ」。今回は、神奈川県の戸建て賃貸に一人暮らしをするM.Iさんの事例を紹介する。
M.Iさんは「メイプルストーリー」や「VALORANT」といったオンラインゲームを楽しむため、NURO光からBIGLOBE光の10ギガコースへ乗り換えた。決め手となったのは、光電話を含めたトータルコストと、ネット広告で知ったキャッシュバックキャンペーンだという。

NURO光から乗り換え、光電話も含めて総額で判断
M.Iさんが以前契約していたのは「NURO光 G2V」で、月額5,542円だった。しかし、料金が高くなったことに加え、光電話を追加契約しようとしたところ別途工事費用がかかることが判明。「総合的に考えて、回線ごと切り替えた方が安い」と判断し、2025年7月にBIGLOBE光の10ギガコースへ申し込み、8月に開通した。
BIGLOBE光の契約内容は以下の通りだ。基本料金は月額6,200円で、ひかり電話対応機器10ギガ用(無線LAN機能付き、XG-100NE)のレンタル料が月額300円。光電話(月額500円)とエンジョイプラス(月額490円)、開通工事費(月額1,080円の分割払い)、ユニバーサルサービス料(月額3円)を加えると、合計は月額8,573円となる。
ただし、ここから各種割引が適用される。「BIGLOBE光スタート割」(月額▲500円、2年間)、「BIGLOBE光月額基本料値引」(月額▲5,700円、6カ月間)、「BIGLOBE光 新規工事費相当値引」(月額▲1,080円、2年間)、「BIGLOBE光電話機器セット割」(月額▲200円)の合計▲7,480円が差し引かれ、実質的な月額料金は1,202円となる。割引期間終了後は月額が上がるものの、「キャッシュバックが多かった」こともあり、トータルでの出費は抑えられる見込みだという。
初期費用は事務手数料1,200円と工事費28,600円(分割払い)。NURO光の解約費・撤去費については「不明」とのことだが、乗り換えによる通信費の削減効果は大きいとM.Iさんは評価している。
レンタルルーター「XG-100NE」でWi-Fi 6接続
M.Iさんの宅内構成はシンプル。ONU(10G-EPON)とレンタルルーター(XG-100NE)を組み合わせ、そこから無線でデスクトップPCへ接続している。PCのマザーボードはASUS製のAMD B550チップセット搭載モデルで、元々搭載されていた有線LAN端子は1Gbps対応だった。
しかし「LANケーブルが距離的に届かない」ため、有線接続は見送り、代わりにWi-Fi 6対応の無線LANカード「AX200.NGWG.DTK」(Intel AX200チップ搭載)をPCIeスロットに増設した。
本来であれば、10G回線を最大限活かすには10Gbps対応のネットワークカード(NICカード)をPCIeスロットに増設し、長めのCat6A以上のLANケーブルで有線接続するのが理想的だ。
10Gbps対応NICカードは5,000円~15,000円程度、10m以上のCat6Aケーブルも数千円で入手できる。M.Iさんも「今後は有線接続を検討している」と語っており、環境整備の途上にある。

ルーターとONUの間はCat6Aケーブルで接続。壁LAN配線やスイッチングハブは使用していないため、構成は「ONU→ルーター→無線→PC」という流れとなる。XG-100NEは最大2.4Gbps(5GHz帯)のWi-Fi 6に対応しており、M.IさんのPCに搭載されたAX200も同規格に対応している。
Wi-Fiで下り500Mbps台、ゲームの安定性は向上
M.Iさんは平日の朝・昼・夜の3回、Wi-Fi接続で速度測定を実施した。結果は以下の通りだ(RBB SPEED TEST使用)。
下り: 480.81Mbps / 539.96Mbps / 534.19Mbps(平均518Mbps)
上り: 594.03Mbps / 589.45Mbps / 608.23Mbps(平均597Mbps)
無線接続としては十分に高速だが、M.Iさん自身は「せっかく10Gで契約したのに平均500Mbpsしか出ていないのは納得できない」と語る。
無線接続では物理的な制約があり、10Gbps(10,000Mbps)の帯域をフルに活用することは難しい。10G回線の真価を引き出すには、やはり10Gbps対応NICカードでの有線接続が不可欠となる。

一方、オンラインゲームの体感面では大きな改善があった。「NURO光の頃は時間帯によって速度が変わってしまい、安定しなかった。現在は非常に安定している」とM.Iさん。メイプルストーリーやVALORANTといったタイトルでは、遅延やラグが解消され、快適にプレイできているという。理論値10Gbpsの帯域幅を宅内環境では使い切れていないものの、回線の安定性向上はゲーム環境に確実にプラスとなっている。
今後は有線接続+10G対応LANカードで本領発揮へ
M.Iさんは今後の対策として、「無線LANカードを新しくするか、有線接続を検討する」と話す。10G回線を導入したのであれば、10Gbps対応NICカードと長めのLANケーブルを用意し、有線接続に切り替えるのが最も効果的だろう。Intel X550やAquantia AQC107などの10Gbps対応NICカードをPCIeスロットに増設すれば、理論上は10Gbps近い速度も狙える。
もし配線の都合上、有線化が難しい場合でも、最新のWi-Fi 6E(6GHz帯対応)やWi-Fi 7対応の無線LANカード+対応ルーターへの更新で、無線でもさらなる高速化が見込める。
M.Iさんは「オンラインゲームで本気でやりたいという方には10Gが向いている」と語る一方、「在宅勤務向けにするならば10Gも必要はない」とも指摘する。用途に応じた回線選びの重要性を感じているとこと。
現時点では無線接続で500Mbps台と、10G契約の一部しか活用できていないが、今後の機器更新によって環境はさらに進化する見込みだ。M.Iさんの事例は、「10G契約したものの、環境整備はこれから」という読者にとって、むしろ参考になるだろう。








