KPMGのメンバーファームである有限責任 あずさ監査法人(東京都新宿区、理事長:山田 裕行)およびKPMGあずさサステナビリティ株式会社(東京都千代田区、代表取締役:斎藤 和彦、大槻 櫻子)(以下、「KPMGジャパン」)は、今後のサステナビリティ開示および第三者保証の制度化を見据え、サステナビリティ開示・保証業務にAIエージェントを活用する取組みを開始します。
なお、本取組みに関連する判断プロセスを活用する仕組みについては、特許出願中です。
このような取組みを進める背景には、サステナビリティ開示および保証を巡る制度環境の大きな変化があります。2027年3月期より、一部企業においてSSBJ基準に基づくサステナビリティ開示が段階的に義務化され、その1年後には第三者保証の制度化が予定されています。これにより、企業には有価証券報告書におけるサステナビリティ関連財務情報について、正確性と適時性の両立がこれまで以上に求められています。
一方、保証人においても、膨大なデータを迅速かつ的確に検証し、高い保証品質を維持することが求められており、業務の高度化と効率化の両立が大きな課題となっています。
サステナビリティ開示・保証業務の高度化に向けた論点
サステナビリティ関連財務情報の保証業務では、OCRによる文字認識・項目抽出や異常値検知など、デジタル技術の活用が進められてきました。しかし、実態調査(数値や記載内容の背景や変動理由を調査する工程)における質問作成や、企業からの回答内容および根拠となる関連資料の精査といった領域では、専門的な判断や解釈が必要となる場面が多く、人的判断への依存や業務負荷が依然として残っています。また、制度保証への対応を持続的に行うためには、個々の専門家の知見に依存した業務運営から脱却し、判断プロセスやノウハウを組織として蓄積・共有する体制の構築が求められています。
AIエージェント活用の概要
KPMGジャパンは、これらの課題に対応するため、これまでサステナビリティ情報の保証業務で培ってきた実務ノウハウを反映したAIエージェントを構築し、サステナビリティ開示および保証の業務に適用しました。
本AIエージェントは、数値に誤りが含まれるリスク検知結果を踏まえ、サステナビリティ関連情報に関する数値の変動について、その背景や理由を確認するための質問作成や、提出された回答および関連資料の確認を支援します。この際、過去の保証実務で蓄積してきたエラー事例やリスクシナリオなどのナレッジを体系的に活用するとともに、企業の内部情報やインターネット上の外部情報を組み合わせて活用します。

AIエージェントの主な機能
1. 質問作成
リスク検知結果を踏まえ、実態調査に必要となる質問書のドラフトをAIエージェントが自動生成します。インターネット等に公表された業界に関する外部情報および保証手続において企業から提供された内部情報の有無や組み合わせに応じて、保証実務で整理・体系化された調査マニュアルに基づくチェックポイントを反映することで、実態調査における観点の網羅性と標準化を支援します。
2. 回答の妥当性評価
企業から得られた回答を分析し、回答の性質や内容に応じて必要となる関連資料の候補をAIエージェントが自動的に提示します。また、入手した関連資料と回答内容との整合性について、保証実務上の経験に基づく判断基準を用いて一次的な評価を行い、保証人による最終判断を支援します。

AIエージェント活用による効果
企業にとってのメリット
- 開示上の論点やリスクを早期に把握し、十分な検討時間を確保
- 追加的な修正対応の発生を抑え、サステナビリティ関連財務情報開示を早期化
- 開示情報の信頼性向上により経営判断を高度化、およびステークホルダーとの建設的な対話を促進
保証人にとってのメリット
- 過去のエラー事例や専門家の知見を反映した判断基準に基づき、安定した保証品質の確保に寄与
- 実態調査における作業負荷を軽減し、より重要な判断業務への注力が可能
- 内部情報・外部情報を踏まえたリスクの早期把握、多角的な判断の実現
本取組みは、サステナビリティ関連情報の信頼性を確保し、保証業務の高度化と効率化を同時に実現することを目的としています。KPMGジャパンは、専門家の判断を中核に据えたデジタル活用を通じて、企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上に引き続き貢献していきます。
KPMGジャパンについて
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3分野にわたる10のプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野の専門家が知識とスキルを活かして連携し、KPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。
日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社 KPMG FAS、株式会社 KPMG Forensic & Risk Advisory、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社 KPMG Ignition Tokyo
あずさ監査法人について
有限責任 あずさ監査法人は,全国主要都市に約7,000 名の人員を擁し,監査証明業務をはじめ,財務会計アドバイザリー,内部統制アドバイザリー,ESG アドバイザリー,規制対応アドバイザリー,IT 関連アドバイザリー,デジタル・データ関連アドバイザリー,スタートアップ関連アドバイザリーなどの非監査証明業務を提供しています。金融,テレコム・メディア,テクノロジー,パブリック,消費財・小売,ライフサイエンス,自動車等,産業・業種(セクター)ごとに組織された監査事業部による業界特有のニーズに対応した専門性の高いサービスを提供する体制を有するとともに,KPMG インターナショナルのメンバーファームとして,138の国と地域に拡がるネットワークを通じ,グローバルな視点からクライアントを支援しています。
KPMGあずさサステナビリティ株式会社について
KPMGあずさサステナビリティ株式会社は、 2004年の設立以来、サステナビリティ領域に関するアドバイザリー業務および非財務情報の信頼性向上のための第三者保証業務を一貫して提供しています。気候変動、生物多様性、ビジネスと人権、人的資本等といったサステナビリティに関する各テーマへの対応だけではなく、ESG評価向上や価値創造ストーリーの策定といったテーマ横断の対応について、クライアントの「ビジネスモデルの持続可能性」の推進を支援しています。
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ

