11月2日のMBS『住人十色』では、「建築家夫妻が手がけた “住み継ぐ”ためにアップデートした家」が放送される。今回は、MCの駿河太郎とナビゲーターの海渡未来アナウンサーがスタジオを飛び出し、訪問者として京都市左京区・岩倉エリアへ。

駿河と海渡アナがやってきたのは、51年前に建てられた昭和の古家。外壁は焼杉に張り替えられ、瓦屋根が引き立つ京都らしい和の趣だ。住人(アルジ)に出迎えられた2人が玄関を抜けると、そこには天井高が3メートルを超える開放的なリビングダイニングが。中でも目を引くのが、緑豊かな眺望が広がる窓で、駿河は「表から見たら平屋みたいでしたけど…」と驚くと、海渡アナも「すごく開放的! 眺めもいいですね!」と感嘆する。実は表からは平屋に見えるが、斜面に建っているため、リビングダイニングがあるのは2階部分。敷地は178坪もあるという。
実は、住人(アルジ)は、夫妻ともに建築家の5人家族。京都市内で暮らしていた一家が家を構えるにあたり、庭がとれる広い土地を求めて見つけたのが、この古家付きの土地だった。
しかし、築51年の古家は、カビや雨漏り、スズメバチの巣などの問題があった。駿河が「これをリノベーションするのは大変だったのでは?」と尋ねると、住人(アルジ)は「実は、古家では珍しく当時の図面が残されていたんです」と語る。この図面こそが、最小限のリノベーションで“住み継ぐ”ための最大の決め手だった。図面はしっかりと建てられた家の証であり、解体しなくても壁の中の状況が分かったことで費用面が安く済んだという。住人(アルジ)は「この図面があったからこそ、アップデートが可能になった」と明かす。

2階のメインスペースは天井板や壁の一部を取り払い、開放的な空間に。壁材に目をやった海渡アナは「この壁、木材が凸凹になってて模様みたいですね」と興味津々。すると住人(アルジ)は「これは“生け捕り”にしたものなんです」と謎の言葉を口にする。


“生け捕り”という言葉に戸惑う2人。住人(アルジ)によると、「生け捕り」とは建築用語で、元の建材を再利用すること。建物の内部を解体した時にたくさん出てきたラワン材を“生け捕り”にし、壁材に再利用したのだという。寄せ集めの木材も凸凹に貼ることで、模様のようなデザインになり、コストダウンにもつながっている。駿河は「古いものを活かして新しいデザインにしてる。まさに建築家のアイデアですね!」と驚愕する。
古家ならではの雰囲気を残した、住み継ぐリノベーション。2階から眼下に広がる広い庭も、植物は前の住人が植えたものだそうで、庭も住み継いでいる。妻は「祖父母の家に帰った時の、ほっとする感じみたいなものが引っ越してきた時からすでにあって。初めて住むはずなのにちょっと懐かしい」と住み心地を語る。時を超え、新しい家族の思い出を紡ぐ家は、以前の住人の思いを受け継ぎ、これからもずっと住み継がれていくことだろう。









