アジアの頂点復帰を夢見る韓国女子バスケットボールに“赤信号”が灯った。中国の“若き巨人”の存在のためだ。
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女子バスケ韓国代表は、来る7月13日から20日にかけて中国・深センで開催されるFIBA女子アジアカップ2025に出場する。
韓国は開催国の中国はじめニュージーランド、インドネシアと同じにグループAに入った。グループBは日本、オーストラリア、フィリピン、レバノンという顔ぶれだ。
大会優勝国は、2026年9月にドイツ・ベルリンで開催される「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026」本大会への出場権を獲得する。2~6位は来年3月の最終予選に進出する。
韓国を率いるパク・スホ監督は、大会に向けて「優勝も準優勝もあり得る」と自信を示した。グループステージは7月14日にニュージーランド、15日に中国、16日にインドネシアと対戦する。
“災厄級”の存在
最後に優勝した2007年大会以来、9大会ぶり13回目のアジア王者を目指す韓国だが、一方で懸念もある。ただでさえ“開催国の利点”を持つ中国が、大幅な戦力強化をしたからだ。
その象徴が、身長220cmを誇る圧倒的な長身センター、18歳のチャン・ツーユウである。彼女は今大会でA代表デビューを飾るものとみられている。
女子バスケ中国代表は今月14日、北京で行われたボスニア・ヘルツェゴビナ代表との強化試合で101-55の大勝を収めた。この試合はチャン・ツーユウと既存メンバーの連携を確認する意味合いが強く、チャン・ツーユウは限られた出場時間ながら18得点、7リバウンドを記録し、A代表でも存在感をアピールした。
「220cm」というサイズは男子のプロ選手でも止めることが難しいレベルだ。それが190cmを超えれば“長身選手”に分類される女子バスケ界となれば、まさに“災厄級”の存在と言える。

チャン・ツーユウは昨年のU-18女子アジアカップにも出場し、平均35得点、12.8リバウンドを記録して大会MVPに輝いた。韓国との準決勝では34得点、16リバウンド、5アシストをマーク。韓国は181cmのソン・ユナがマッチアップしていたが、まるで小学生が大学生を相手にしているかのような状況だった。
韓国のA代表ではパク・ジスが193cmで国内最高身長を誇るが、それでもチャン・ツーユウとは27cmの差がある。1対1のマークで彼女を防ぐことは現実的に困難だ。何より、中国には“もう一人の巨人センター”こと身長211cmのハン・シュウもいる。
もちろん、試合前から放棄するわけにはいかない。
チャン・ツーユウも決して“無敵”ではない。彼女は220cmの体格を持つがゆえに、攻守の切り替えが遅いという短所がある。そのため、中国はチャン・ツーユウが速攻に加わらず、一人でゴール下に構える場面が多いのが実情だ。
実際、チャン・ツーユウを擁した中国は昨年のU-18アジアカップ決勝でオーストラリアに79-96で敗れた。この試合でチャン・ツーユウは42得点、14リバウンドと奮闘したが、それでも勝利には至らなかった。オーストラリアはガードからセンターまで全選手が185cmを超え、スピード、パワー、アウトサイドシュートなどをバランスよく兼ね備え、中国を撃破した。
ただ、選手層が薄い韓国としては、チャン・ツーユウ筆頭に多くの“巨人”を抱える中国相手に苦戦が予想される。
(記事提供=OSEN)