是枝裕和監督「自分には書けない」……映画『怪物』坂元裕二の脚本を絶賛 | RBB TODAY
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是枝裕和監督「自分には書けない」……映画『怪物』坂元裕二の脚本を絶賛

エンタメ 映画・ドラマ
(c)2023「怪物」製作委員会
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 17日に『第76回カンヌ国際映画祭』コンペティション部門の公式上映を終え、9分半ものスタンディングオベーションで称えられた映画『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)。翌日18日に是枝裕和監督をはじめ、脚本家の坂元裕二、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太がフォトコールと公式会見に出席した。



 坂元とのタッグについて是枝監督は「これまでに三度ほど、公式の場で対談をさせていただいていて、その都度私の方から、自分の映画で、自分で脚本を書かないなら、坂元さんにお願いしたい、というラブコールはずっと送っていた」と言い、「自分には書けない物語、描けない人間を丁寧に丁寧に紡いでいかれる脚本家だと思っていたので。自分が描いてきた映画の細部のディテールをどういう風にきちんと、彼のストーリーテリングの中で活かしていくか、ということ。そのことだけを考えて現場では存在していました。非常に楽しいコラボレーションでした」と思いを語った。



 『万引き家族』に続いての是枝監督とのタッグとなった安藤は「時間が経たないうちにお声がけいただけると思ってなかった。ただ、もう一度監督の元に戻るには自分には早いのではという不安も抱えていた」とオファー時の不安を吐露。しかしそんな不安も現場に入ると消えた様子。「監督の現場はそこにいるスタッフ・キャストを尊重し、みんなが同じ目線で意見を交わし合って、作品に関わっていくことを心から楽しみながら志を持って、ストレスなくいられる現場を作ってくださいました。だからこそ本番中は研ぎ澄まされた集中力で、新しいものが必ず生まれていきますし、その監督の現場にそんなに時間を空けることなく戻れたことで、より一層監督が作る撮影現場、作品の現場を、改めて信頼関係に気付かされた。それが監督の特別な環境だなというふうに思った」と言い、「私は二度目だからこそ……うまく言えない!(笑)でも楽しかったです!」と笑った。



 永山は脚本に対するアプローチについて聞かれると、脚本とは別に自分のシナリオをノートに書いて撮影に臨んでいたことを明かし、「一貫性を盛って演じただけで、現場でどういう見え方になるのかというのは是枝監督にもちろんおまかせして、僕自身は保利という役をシンプルに受け止めて、子どもたちだったり、学校、先生に対する憤りを感じた安藤サクラさん演じる母親のお芝居をひとつひとつ、頭で思考していくことよりも、肌で感じていくことを大事にして現場に挑みました」とコメント。さらに役作りについては「自分も子どもがいまして、一緒に生活していても、毎日子どもたちは成長して、違った言葉や動きをしていて、それを、僕も父親として受け止めていきたいという気持ちで家庭のなかにいるのですが、それと同じ感覚で、今回は教師役ということで、特に想矢くん、陽太くんを受け入れるときに、僕としては突き放すという意味ではなく、ほうっておくというか、放任するといいますか、それでもやっぱりすべての生徒に対して、意識を持って、全員に同じ愛情を注ぐことはできないなと今回改めて感じたんですけど、それでもやっぱりみんなのことは毎日撮影中に気になりました」と明かした。
《松尾》
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