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【デジージョ 座談会】5G/AI/スマホは一体どうなる?……モバイル業界の今後を語る

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【デジージョ 座談会】5G/AI/スマホは一体どうなる?……モバイル業界の今後を語る
  • 【デジージョ 座談会】5G/AI/スマホは一体どうなる?……モバイル業界の今後を語る
  • バルセロナで開催された「MWC 2018」
  • 今年、新たに設置された、本会場前のエントランスフロア。警備スタッフがズラリと並ぶ
  • メイン会場のホールへと躍進したフレンチテック
  • カタルーニャ州での出展ブースもあった
  • MWCのオープニングイベントにて。2025年までに世界中で12億の5G接続を掲げる
  • オープニングイベントではアシスタントのアビー君をARで見せるという演出も
  • メルセデス・ベンツのコンパクトカー「SMART」のコンセプトカーなど、クルマが目立った

5G元年の盛り上がりを感じた


【房野】:LTEも出てきた時はそんなに変わらなかったけど、じんわり広がっていって、今、快適に通信できるようになっているという感じなので、5Gもじんわりと広がっていくんじゃないかな。

【太田】:結局、インフラが揃っても何に使うかが重要。LTEも、動画のために作ったわけではなく、LTEができたから高解像度の動画が出てきた。今回はそれを前倒しでやろうということで、3キャリアはいろんな会社とコラボして、一見、本業とは関係ないようなことをいろいろやってますね。5Gの時代になった時に、どういうビジネスが展開できるのかを自分たちが主体になって見せていかないと、業界が盛り上がらない。

【綿谷】:結局、使ってもらわないと意味がないもんね。

【太田】:どうやって使うかを、自分たちも一緒に模索しているみたいな感じの動きを、ここ数年やっている。それがいよいよ始まるみたいな感じで、盛り上がってきましたね。

【房野】:うん、ホント直前って感じですよね。もう始まるって感じがやっと出てきました。これまで撮影が許されなかった通信系のブースも、「始まるからもういいよ」みたいな感じで撮影できたり。出来上がってきたんだなーという感じはしました。

【太田】:前夜祭風でしたね。

【房野】:そうですね。今が一番楽しい時期かもしれない。いろんな業界とのコラボは、正直、漠然としていて、よくわからなかったんですけど、ZTEの担当者が「4Gは個人の生活を変えたけど、5Gは社会を変える」と言っていて、その説明がわかりやすいのかなと思いました。IoTもそうですけど、企業が5Gを使って何かしらやりたいことを考えて、「個人ではなくて、周りが変わってくるかもしれない期待がある」と言っていましたね。

【太田】:自動運転や遠隔医療などがその最たる例だと思います。LTEは社会インフラみたいなところまでにはなかなかいかなくて、動画がサクサクくらい。でも5Gは国を挙げて取り組んで、新しい産業が生まれたり、社会が変わるかもしれないという期待値が高い。AIが盛り上がっているのと近いのかもしれないけど、今までの通信の世代交代の時とは違う感じがします。

【房野】:確かにFOMAからクロッシーに変わった時は、ちょっとコンシューマ寄りなイメージでしたね。

【太田】:社会インフラが整う感じなのかな?

【房野】:多端末接続でそういう感じがしているのかなと私は思ってますけどね。

【太田】:だいたい10年ごとに世代交代しているらしいけど、今回は大きい変化がもたらされるのかなーという感じがして、熱が感じられるMWCでした。

注目の新端末はサムスンの「Galaxy S9/S9+」


【太田】:一般の人が関心あるのは新端末ですよね。Galaxy、Xperia、ZenFoneなど、いろいろありました。MWC開催前のプレスカンファレンスの目玉は、今年はサムスンの「Galaxy S9/S9+」。サムスンのハイエンドのフラッグシップモデルの最新端末が出るということで、盛り上がっていました。

サムスン「Galaxy S9/S9+」。モニターの下にいるのは、サムスンのIT&モバイルコミュニケーション部門 社長のDJコー氏
サムスン「Galaxy S9/S9+」。モニターの下にいるのは、サムスンのIT&モバイルコミュニケーション部門 社長のDJコー氏


アツく語るDJコー氏
アツく語るDJコー氏


【房野】:端末の中ではメインのメーカーでしたね。

【太田】:会場も一昨年と同じで、中央にステージがあって、周囲に客席があるスタイル。一昨年はみんなにGear VRを配って、取り外した時にマーク・ザッカーバーグが立っているという演出で盛り上がりました。今年は、入場バッチをかざすと、ARで端末が見られる演出がウケていました。

【彩乃】:スマホのカメラでアプリにかざすと、入場バッチが端末みたいになって、色も変えられる。

【綿谷】:あれ、面白かったね。裏も見られるし。みんな入場バッチを傾けたりして見てたよね。

【太田】:2年前はVRで今年はAR。トレンドを抑えていて、発表会の見せ方として工夫してますね。

サムスンの入場バッチがスマホに見えるAR
サムスンの入場バッチがスマホに見えるAR


【彩乃】:色はライラックパープルがかわいい。ARを使った新機能の「AR Emoji」が面白かった。

【房野】:あれ、外国人の顔がベースになっているので、アジア人向けにはもう少しカスタマイズが必要ですね。

【彩乃】:試していて、「似てない、似てない」って言ってたら、係員の人に、「作っている時は確かに似てないけど、スタンプにして動きが出ると似てくるし、ちょっとかわいくなる」って教えてもらいました。

【太田】:登録すると一気にスタンプできるんですが、確かにそのスタンプはかわいい。

【彩乃】:リアルバージョンとデフォルメバージョンが選べるじゃないですか。あれがいいなと思いました。

【房野】:デフォルメバージョンだと急にアニメみたいに目が大きくなって、自分じゃないみたい。もうちょっと人によって細かく違いが出ると面白いんだけど。

ちょっと似てないかなーと思っちゃう「AR Emoji」
ちょっと似てないかなーと思っちゃう「AR Emoji」


「AR Emoji」のデフォルメバージョン。こうなるともはや別人!
「AR Emoji」のデフォルメバージョン。こうなるともはや別人!


【彩乃】:後はカメラのスーパースローモーション。

【房野】:あれはソニーのセンサーだからって感じですよね。F値も二段階に変えられるんですよ。

【太田】:このところカメラのF値が明るくなってきていて、今回の「Galaxy S9/S9+」はF値1.5になって、もっと明るくなった。でもF値が高いと白飛びするので、それをさせないために、レンズの絞りが機械的に変えられる機能が付いたのが特徴です。

【彩乃】:あと音声がステレオになった。

【房野】:でもデザインが変わっていないせいか、あんまり進化感がなかったかな。

【太田】:指紋センサーの位置が変わってちょっと押しやすくなったよね。

【房野】:あー、背面に変わって、ナチュラルな位置になりましたね。

参考:サムスン、カメラ機能を強化した「Galaxy S9/S9+」……S9+は2眼レンズ搭載

最近の流れの“ノッチ”はデジージョ的には受け入れられない!?


【太田】: Galaxyだけでなく全体的に言えることなんですが、5Gが始まるぞという時期でもあって、端末に関しては今年はバージョン1.5みたいな感じ。iPhoneで言うところの“S”のタイミング。おそらく来年にもっと大きなイノベーションがあるんでしょうね。

【房野】:なんだかんだ言って、iPhoneの影響はすごく感じましたね。ディスプレイには画面上部にノッチ(切り欠き)があり、顔認証についてもみんなフィーチャーしていました。iPhoneの影響は大きいんだなー。

「ZenFone 5」
ディスプレイを広く取るため、「ZenFone 5/5Z」ではノッチを採用


【太田】:逆に言うと、iPhoneが技術的トレンドをうまく取り込めているんだと思うんです。技術的にはできても、どういう風にUIを作るのかが難しい。Appleはそういう手法がうまいと思うんですよね。ノッチに関して言うと、次の「Android P」が正式にサポートすることになったので、今後はがんがん出てくると思う。

【彩乃】:えー、もっと出てくるの?

【太田】:あのデザインに関しては好き嫌いがすごくあると思う。でもディスプレイを枠一杯に広げようと思ったらね。

【房野】:彩乃さんは反対派ですか?

【彩乃】:結局、フルスクリーンと言うけど、フルじゃないですよね?

【太田】:前にレンズとセンサーを入れないといけないので、画面に食い込んでくるしかないって判断ですね。

【彩乃】:中国Vivoのコンセプトモデルで、「APEX Fullview Concept Smartphone」という端末があったんですが、カメラやセンサーを隠して、本当にフルスクリーンをやろうと頑張ってる。指紋認証センサーも画面内に埋め込んでいて、こっちが本当のフルスクリーンだなって思います。

【太田】:顔認証だけじゃホントに不自由だし、背面の指紋認証は端末を置いている時には使いにくい。画面指紋認証は技術的にちゃんとセキュリティが確保できるとクリアになった時点で出てくる技術。たぶん、もうそうなってはいるので、次はノッチで画面指紋認証でという感じになると思いますね。

【彩乃】:うーん、ノッチは納得できない……。

【太田】:そりゃそうですよ。デザイン的にアレが好きだっていう人はあまりいないと思う。

【彩乃】:フランスのWiko(ウィコウ)の「View 2」にもノッチ。

【房野】:アレはRコンパクトですよね。

「View 2」
Wikoの「View 2」


【太田】:ディスプレイを広げるためには、この流れは避けられない。

【綿谷】:仕方がないとは思うけど、ちょっと強引な感じするけどね。
《綿谷 禎子》
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