世界市場の売れ筋は? 越境EC規模拡大へ | RBB TODAY

世界市場の売れ筋は? 越境EC規模拡大へ

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「EC勉強会・基礎知識編」の講師を担当したジェイグラブ 山田彰彦氏
  • 「EC勉強会・基礎知識編」の講師を担当したジェイグラブ 山田彰彦氏
  • 「EC運営のフレームワーク」など、越境ECを行う上での基礎知識についての講義が行われた
  • 越境ECで実際に成功した企業の事例も紹介された
  • 「越境EC“まるごと”フェスティバル2016」のセミナー会場
  • 会場では越境EC開設の相談ブースも設けられた
【記事のポイント】
▼20年に越境EC市場は今の倍の規模になる
▼好調なアパレル、カメラ、宝飾品だけでなく、地域による売れ筋も注目
▼言葉、通貨、運用という3つのハードルを、サービスの力で超える


■中国と米国で著しい伸長、このチャンスを逃すな!

 日本の製品を海外のマーケットに提供し、国境を越えてインターネットビジネスを行う「越境EC」が注目を集めている。米国のある市場調査会社によれば、ECのグローバル市場規模は15年の150兆円から20年には300兆円規模に拡大するとの予測もあり、とくに中国、米国での市場規模の拡大が見込まれている。

 そんな越境ECが関連事業者に注目を集めるなか、中小企業基盤整備機構は16年7月25日、東京・新宿で「越境EC“まるごと”フェスティバル2016」を開催した。大手事業者ばかりではなく、中小事業者でも十分に参入が可能な新分野だけに、全国から大勢の事業者が集まり、熱気あるイベントとなっている。

 今連載では同フェスティバルから、越境ECにおける中小企業のビジネス拡大の可能性を検討していく。まずは、その基礎知識としてeBay JAPAN、ヤフー株式会社を経て、ジェイグラブ株式会社を設立した山田彰彦氏の「EC勉強会・基礎知識編」に、越境ECに参入する際のヒントを探ってみた。

■販売、購入、物流、カスタマーサポートまでをワンストップで支援

 前述のとおり、ECにおけるグローバル市場の成長は著しいものがあり、とくに14年のデータによると中国では市場規模が4262億ドルで前年比35%増、米国では3056億ドルの同16%増となっており、世界の主要国で軒並み10%以上の成長が続いている(参考までに日本は708億ドルの同16%増。米調査会社調べ)。とくに中国は市場規模の成長が大きく、また同じアジアとして地理的にも近いため、この市場を狙った越境ECの重要さを山田氏は説く。


 では、越境ECへの参入には何が必要なのか? 山田氏は、「国内のECサイトと同様、販売、購入、物流、カスタマーサポートまでをシームレスに完結する『ワンストップサービス』が求められている」とする。

 折りしも7月25日、イーベイ・ジャパン、tenso、オンラインショッピングモール「ポンパレモール」が、国内出品者がより手軽に「eBay」を通じて越境ECに進出するための業務提携契約を締結した。これは16年秋の運用開始を予定しており、出品者が国内で「ポンパレモール」出品すると、海外の「eBay」に掲載。海外の消費者との決済は「eBay」、商品発送はtensoが行い、出品者は国内モールに出品する感覚で海外消費者へ販売できる仕組みだ。まだカスタマーサポートなどの課題はあるが、限りなくワンストップに近いプラットホームといえる。

 楽天でもかんたんな操作でグローバルサイトへの出品が可能だが、海外消費者からの注文、質問、トラブル対応を事業社側で行わなければならず、その点のコストが大きくなっていると山田氏も指摘している。小規模事業者には、出品から決済・質問対応まで行ってくれるプラットホームが待たれるところだ。

■「越境EC」に向く商品とは?

 では、現時点では、どのような商品が越境ECに向いているのだろうか。山田氏は「eBay」のアメリカとオーストラリア、さらに東南アジアで伸長しているオンラインモール「Qoo10」のシンガポールにおける日本製品の販売状況を披歴。全体的には「アパレル製品」、「カメラ」、「宝飾品」といった商品が売る傾向にあるようだ。

 ただ、例えばアメリカの「eBay」では「キャラクターなどのサブカル系ファッション」、「ジェルなどの美容品」、「子供向けお菓子」が売れ筋となっている。一方、オーストラリアの「eBay」では「折り紙などの伝統工芸品」、「つけまつげなどの美容品」、「コスプレ衣装などのサブカル系ファッション」が、シンガポールの「Qoo10」では「健康食品」、「おむつなどのベビー系日用品」、「ジェル、化粧品などの美容関連商品」がよく売れているという。

 つまり、一口に越境ECといっても、国や地域によって売れ筋商品は大いに異なり、どこに出品するかによって、売り上げは大きく変わってしまうということだ。どの国にどんな商品を出すか。そういった事前のマーケットリサーチが重要になる。

 山田氏も日本独自の商品、日本が強い商品では折り紙といった伝統品から、電化製品、美容関係グッズなどが海外で強いという。意外な売れ筋商品としては、中古ゲームソフト、中古ゲーム機、刃物(包丁・はさみ・爪切りなど)も好調な動きを見せていると話していた。

 国内ECと違って、越境ECにはまだまだハードルがたくさんあるのが現状。山田氏も言葉の壁、通貨の壁、運用の壁という3つのハードルがあることを指摘した。とくに言語の面で専用スタッフを持つことが難しい小規模事業者には、この3つのハードルをクリアさせてくれるECプラットホームの構築が望まれる。

越境ECフェス/世界市場の売れ筋は? 参入に必要なものは?

《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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