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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第95回 中古スマホの情報漏洩対策は日本が世界をリードしている

IT・デジタル スマートフォン
ブランコ・ジャパン COO 呉 孝順 氏
  • ブランコ・ジャパン COO 呉 孝順 氏
  • フィンランドに本社を置くブランコ
  • 「Blancco 5 Mobile」によるスマホのデータ消去トレーザビリティ
  • 「Blancco Mobile for FeliCa」はモバイルFeliCaチップの故障診断とデータ消去が可能
  • 「Blancco 5 Mobile Diagnostics」では故障診断をトレーザビリティ化
  • 「Diagnostics」は端末内に診断アプリをインストールし端末機能の動作確認ができる
  • 【木暮祐一のモバイルウォッチ】第95回 中古スマホの情報漏洩対策は日本が世界をリードしている
■データ消去作業というのは、じつは上書きして読めなくすることだった

--- ブランコのデータ消去ソフトウェア「Blancco 5 Mobile」はどういった仕組みで端末内データを消去しているのか。

 私どもが2011年から提供している「Blancco 5 Mobile」は、スマホやタブレットのユーザ変更、譲渡、廃棄時などに、内蔵メモリに残されたデータを完全に消去し、情報漏洩対策に用いるソフトウェアです。端末の初期化によるデータ消去というのは、本に例えると目次を消すだけ。なのでやろうと思えばデータを復元できてしまいます。Blancco 5 Mobileを使うと、目次を消すだけでなく、本の中のページも読めなくしてしまいます。

 これはデータを消して白いページにするというよりは、ページにある情報を真っ黒に塗りつぶしていくイメージのほうが近いかもしれません。メモリに一度情報を記録してしまうと、再び元の状態に戻すのは難しい。このため解読不能なランダムな文字列を何度か上書きすることで、もともと記録されていた情報を読み出し不可にさせます。

--- データ消去を実施したという証明も出す?

 Blancco 5 Mobileでは、データ消去の際に消去のモニタリング(消去作業中の状態をパソコン上から閲覧できる)が可能なほか、データを消去した際の端末の詳細な情報や消去結果を自動的に『消去レポート』として記録したり、発行することができます。もちろん、1台のPCから複数デバイスの同時消去(最大同時に40端末)にも対応しており、国内外の大手通信事業者や中古端末取扱事業者などに導入されています。スマホの対応OSは、iOSおよびAndroidとなっています。

■日本市場向けのFeliCa消去ソリューションも

 日本市場向けのAndroidスマホには、いわゆる「おサイフケータイ」機能を搭載した端末が多数ラインナップされている。このおサイフケータイ機能は、端末に内蔵された非接触型IC「モバイルFeliCa ICチップ」にユーザーが情報を書き込んで利用するものである。しかも、電子マネーやポイント会員証機能など、スマホ端末内で取り扱う情報の中でも特に重要な個人情報が記録されることになる。

--- おサイフケータイのFeliCa ICチップのデータ消去は面倒なのか?

 モバイルFeliCa ICチップの記憶領域は、スマホのメモリとは違うところにデータが保管されています。これまではこの領域はキャリアショップでしか消去できませんでした。しかも個人情報に深く関わるデータが絡むため、データ消去にはその端末の所有者の申請があってはじめて処理できるものでした。これがきちんと消去できないと、中古端末として再販することもできません。日本固有の課題でした。

 このため、ブランコでは日本市場向けのソリューションとして、端末に内蔵されているモバイルFeliCa ICチップ向けのデータ消去ソリューション「Blancco Mobile for FeliCa」を開発し提供を行っています。これを用いれば、アプリやデータの削除、端末の初期化だけでは消すことができないモバイルFeliCa ICチップに残る、前ユーザーの利用データを完全に消去することができます。モバイルFeliCa ICチップのデータ消去と同時にチップの故障診断も行います。チップへアクセスするための認証はFeliCa対応サーバと通信を行うことで解除しています。
《木暮祐一》
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