【ICTが変える高齢化社会】かしこい“見守りシステム” | RBB TODAY

【ICTが変える高齢化社会】かしこい“見守りシステム”

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「離床リスク検知センサ」では、起き上がりを確認するセンサーを、ベッドわきのポールに設置
  • 「離床リスク検知センサ」では、起き上がりを確認するセンサーを、ベッドわきのポールに設置
  • もうひとつのセンサーはベッドマットの下に設置している
  • 見守りシステム「ひととひと」。要介助者の場所や行動までを把握できる
  • センサー端末から無線で発信された情報を、親機経由でクラウドに発信。センサー端末は部屋への設置を想定し、写真立てとしての機能を持たせた
 古くはナースコールではじまった、医者と患者をつなぐネットワーク。それがICTの力を借りて、近年では様々な形に進化している。中でも、特に発展が目覚ましい分野の一つが高齢者介護だ。要介助者の様子をモニタリングして、不審な時には自動で通報。“見守りシステム”としての質を、技術の進化で年々向上させている。

 東京ビッグサイトで開催された介護用品やソリューションの総合展示会「CareTEX 2017」では、さまざまなメーカーの見守りシステムが出展された。これらは、介護の現場を一体どのように変えるのだろう?

■呼吸や脈拍までを遠隔見守り

 見守りシステムの全体像としては、高齢者のいる部屋やベッドにセンサーを設置。呼吸や脈拍などをモニタリングすることで、要介助者の安否、行動、体調などが離れた場所から確認できる。以前はウェアラブル端末を要介助者が身につけるシステムも多かったが、近年ではセンサーを利用することで、要介助者への負担が少なくなった。

 見守りシステム「ひととひと」を開発する東京精密の村木雅子氏によると、システムのICT化は介助者の負荷を軽減しながら、要介助者に十分なケアを提供するための助けになるという。

「介護施設などでは夜間にも何時間かに1回、スタッフが見回りをする必要がありました。しかし、システムを使えばプライバシーを守りながら、要介助者の様子をパソコン1台で確認できます」

 見守りシステムでは要介助者の様々な行動を検知できるという。人感センサーで入退室や外出を確認。深夜になっても照度センサーが反応しているようなら、徘徊などの疑いも考えられるだろう。ひん尿の人が一度もトイレに行ってなければ、体調不良も考えられる。そうした生活パターンを蓄積し、解析することによって、生活パターンに変化があればアラートを出すこともできる。

 なお、こうした詳細な検知ができるようになったのには、センサーの高度化が大きく関わっている。ここ数年は人の存在を検知する人感センサーの利用が進んでいたが、今年は生体センサーの利用がトレンドとのこと。呼吸や脈拍を、非接触で感知できるのが特徴だ。


■コストダウンが進む見守りシステム

 生体センサーの利用では、エフ・アイ・ティー・パシフィックが出展していた「離床リスク検知センサ」も面白い。

 要介助者がベッドから起き上がったことを確認する、いわゆる離床検知システムといえば、ベッドやフットマットに感圧式のセンサーを置くものが定番だった。しかし、同センサーの開発に携わった構造計画研究所の坂木啓司氏によると、この手のシステムは寝返りにも反応するなど誤作動が多かったという。

 そこで出展されたシステムでは、マットレスの下、起き上った上体を感知できる高さの2か所にセンサーを設置。会場ではセンサーのデモが行われていたが、要介助者の起き上がる動作を、2つのセンサーが正確に捉えていた。

「要介助者の中には、ベッドから床に降りるだけで怪我をしてしまうような方もいます。そういう方を重点的に見守るイメージですね。脈拍の変動や寝返りの多さなどを確認できれば、より注意深く接することもできます」

 センサーは既存のナースコールに直結し、容態の以上を即座に通知する。クラウドを使わないため月額利用料はなし。導入コストも20万円程度と安価なのが魅力だ。

 会場を見てみると、他にも要介助者の見守りでは、さまざまなソリューションが提供されていた。その中には中小規模の企業が出展しているブースも多い。センサーが高度化して世に広まることで、それを利用した介護機器の開発コストが低下。その価格は中小の介護施設でも手の届くところまで降りてきた。

 今までマンパワーで解決していた業務のいくつかは、今後ICTの力で省力化されることになる。その効果は職場環境を改善するだけに限らない。要介助者の状態を把握することはきめ細やかな介護を可能とし、その満足度を高めることに繋がる。それはサービス差別化のポイントとして、ビジネスの後押しになるだろう。

【ICTが変える高齢化社会:2】かしこい“見守りシステム”

《丸田鉄平/H14》

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