【木暮祐一のモバイルウォッチ】第91回 ついに“自動運転”が国内でも承認! テスラ・モデルS「P85D」を一般道で試乗 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第91回 ついに“自動運転”が国内でも承認! テスラ・モデルS「P85D」を一般道で試乗

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“ハンドルとタイヤが付いたタブレット”ともいうべきテスラ・モデルSの自動運転機能を体験
  • “ハンドルとタイヤが付いたタブレット”ともいうべきテスラ・モデルSの自動運転機能を体験
  • テスラのダッシュボードに鎮座する17インチ巨大タッチスクリーン。そのアイコンはスマホやタブレットで見慣れたものが…(このディスプレイやインパネの表示はソフトウェアアップデート以前のバージョン。2015年6月、筆者撮影)
  • 前後バンパーには計12個の長距離超音波センサーが取り付けられておりこれで周囲360度、4.8以内のものを認識する
  • フロントナンバー下にはミリ波レーダーが装着されている
  • 見づらいが、ルームミラー付け根付近に前方をセンシングする光学式カメラが装着されている
  • オートパイロット関連の起動はタッチパネルから設定を行う
  • 走行中、オートパイロットへの切り替えはコラム左側、下のレバーを手前に2回引く。レバーを回すことで前車との車間を7段階で調整できる。またオートパイロット中にレバーを上に操作すれば加速、下に操作すれば減速する
  • スピード表示の左右にあるスピードアイコン、ステアリングアイコンが白点灯したらオートパイロットスタンバイ、そしてレバー操作でONにすると青点灯に変わりオートパイロット中であることを示す
 3年前に初めて対面して激しい衝撃を受けた電気自動車「テスラ・モデルS」。何に驚いたのかというと、もはやこれは自動車ではなく“ハンドルとタイヤが付いたタブレット”という第一印象だったことだ。抜本的に、従来の自動車とは思想が異なる。

 たとえばソフトウェアアップデートによる新機能の追加。iPhoneを初めて所持したときにiOSのアップデートで新機能が追加されて驚いたものだが、それと同じことを電気自動車でやってのけたテスラ。そのテスラの最新プログラム「ソフトウェア7.0」が1月15日より日本でも利用できるようになり、なんとそれによって「自動運転機能」が可能になったという。さっそく“走るタブレット”に試乗させていただくことにした。

■ソフトウェアアップデートで機能が追加される自動車

 初めてのテスラ・モデルS(以下、テスラ)との出会いは、2012年10月に米国西海岸・シリコンバレーの視察に行った際だった。シリコンバレーといえば、Google、Appleをはじめ、世界中のIT関連企業が密集するエリア。スタンフォード大学など著名大学も点在し、IT企業と大学の産学連携によりさまざまなイノベーションが生み出されているところだ。そのエリアにテスラのヘッドオフィスもあった。なぜ自動車メーカーがデトロイトではなくシリコンバレーにあるのか、ぐらいな気持ちで気軽に立ち寄ったのがきっかけだった。

 しかし、そのショールームで出会ってしまったテスラは「なるほど、シリコンバレーだ」と納得する見事な“スマートデバイス”であった。

 外側から見れば、テスラは普通のセダンだ。しかし車内に乗り込むと、まず最初に目に留まったダッシュボードにビルトインされた17インチの巨大なタッチパネルに度肝を抜いた。このタッチパネルを通じて自動車の諸設定や空調などの操作などを行う。タッチパネル操作が珍しいものではなくなっているが、“走るタブレット”と感じさせてくれるのは、テスラのこれが単なる自動車関連機能の操作パネルという発想ではなく、あくまで私たちが使い慣れたスマホやタブレットに通じた画面構成となっている点だ。おまけに通信もできる。

 ディスプレイ上部をご覧頂くと納得頂けるのではないかと思うが、バッテリー残量やBluetoothアイコン、そして電波状態(3G通信機能が備えられている)を示すアンテナマークなど、見慣れたアイコンが並んでいるのだ。自動車関連機能の設定や操作だけでなく、たとえば「ウェブ」アイコンをタップすればGoogleの検索画面が表示されるし、「ナビ」アイコンをタップすればGoogleマップが開く。取扱説明書を読まなくとも基本操作に戸惑わない。ちなみにOSはLinuxベースの独自開発だという。

 またウェブでの販売というのも斬新。日本では東京、横浜、大阪に「テスラストア」があるが、ストア以外にウェブからも購入できてしまう。車種、グレード、ボディカラーなどを選び、その他必要なオプションを選択していくと、ウェブ画面右上に合計価格が表示され、現金かローンを選択してあとは「注文する」ボタンをクリックするだけ。まるでウェブでパソコンを買う感覚である。さすが、シリコンバレー企業だけある。

 さて前置きが長くなったが、このテスラの最新ソフトウェアアップデートが1月15日に行われ「ソフトウェア7.0」となった。このアップデートで新たに追加された機能が、なんと「オートパイロット」という自動運転機能なのである。じつはこの機能は2015年10月以降、日本を除く世界では先行して利用可能であった。日本に関しては国土交通省の承認待ちとなっていたのだが、これがいよいよ認可を受け1月15日より利用可能となったのである。日本で販売されたテスラのうち初期販売車を除く、2015年1月以降に納車された車両に関してはソフトウェアをアップデートするだけで自動運転機能が追加できる。ソフトウェアのアップデートはもちろん無料。内蔵の通信機能(3G)を通じて更新が行われるそうだが、インストールにはおよそ2時間かかる。

 この「オートパイロット」であるが、具体的には「オートステア」「オートレーンチェンジ」「オートパーク」の3つの機能を利用できるようになった。テスラが周囲の状況を認知し、先行車に自動追尾し、また自動車レーンを判断して自動操舵してくれる。ウインカーを出せば自車の入れる車間を見つけ自動車線変更を行う。縦列駐車や車庫入れもテスラにお任せできる。同様な技術は他の自動車メーカーでも研究開発が進んでいるし、一部実用化も進められてきたが、日本に関しては国土交通省の承認のところで先に進んでいなかったのではないかと勘ぐる。そこに突然、テスラが風穴を開けてしまった感じだ。

■前後に12個のセンサーや光学式カメラで周囲を感知

 テスラの自動運転は、前後バンパーに組み込まれている12個の長距離超音波センサー、フロントナンバー下にミリ波レーダー、そしてフロントのルームミラー付け根に設置された光学式カメラによるセンシングによって実現させている。超音波センサーによってどんなスピードでも周囲4.8m以内のものを360度感知する。ルームミラー付け根の光学式カメラと、おそらくリアに取り付けられたバックビューカメラも用いて、周囲の車両種類や自動車レーン(車線やガードレール)の認識も行っているようだ。

 テスラのリリースによれば、このほかにGPS情報も加え、これらのモジュールが互いに補い合い、リアルタイムに収集されるデータから学習し、モーター、ブレーキそしてステアリングをデジタル制御し、正面と側面からの衝突事故を回避するとともに、車両がレーンから逸れることを防ぐという。自動運転というと、これまでイメージしていたのは高速道路での自動追尾やレーンチェンジを想像していたが、これが高速道路だけでなく一般道でも条件によって動作するようだ。
《木暮祐一》

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