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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第81回 LCCを手本に出発した“ベンチャーMVNO”「エックスモバイル」、新プランの勝算は?

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エックスモバイルの代表取締役CEO 木野将徳氏
  • エックスモバイルの代表取締役CEO 木野将徳氏
  • FC店の全国展開を目指す
  • 年々増加の一途をたどるMVNOサービス事業者※総務省『MVNOサービスの利用動向等に関するデータの公表(平成26年12月末時点)』(4月30日公表)より
  • MVNO向けのデータ通信接続料の推移※総務省『MVNOサービスの利用動向等に関するデータの公表(平成26年12月末時点)』(4月30日公表)より
 エックスモバイルの場合、あらかじめ同チェーンで販売されるスマートフォンには専用の通話アプリがプリインストールされ、この専用通話アプリを通じて通話発信する形になる。すでにエックスモバイルが市販した端末を使っているユーザーや、SIMカードのみを契約しているユーザーは、この専用通話アプリをダウンロードすることで、エックスモバイルの新料金プラン「かけたい放題」の利用が可能である。

 専用通話アプリを利用するというと、IP電話経由の通話接続を想像してしまうが、同社によればあくまでも回線交換方式での音声通話を実現させており、音声通話品質の劣化はないという。実際にデモンストレーションで通話を試したが、これまでのスマートフォンでの通話となんら遜色はない。

 その仕組みだが、専用通話アプリを使うことで、発信先の電話番号の前に専用の発信番号を自動付加し、独自の回線網を経由して相手先の通信会社に接続する仕組みをとっている。これは、たとえば「楽天でんわ」アプリと同じ技術的な仕組みを利用しているようだ。

 「楽天でんわ」は電話番号そのままで通話料が半額になるというのが特徴だが、楽天の場合も専用通話アプリを使うことで、発信時に発信先電話番号の頭に自動的に「0037-68」を付加し通話発信を行う。

 これにより楽天傘下となったフュージョン・コミュニケーションズを中継して相手先通信会社に接続する仕組みとなっている。エックスモバイルの場合も同様な技術的仕組みと思われるが、どの通信会社を中継して接続されているかは明らかにされていない。

 MVNOによる回線交換網経由の「かけたい放題」は初の試みといえる。他のMVNOと差別化を図る上で、さらには大手通信会社を利用している一般のユーザーにエックスモバイルのサービスをアピールするうえで、音声通話も含めて利用料金が安価になるというのは、大きな売りになるはずだ。

 今回発表された「かけたい放題」プランは、1GBのデータ通信と3分30回まで通話無料できる「基本料金プラン」が月額1,980円、7GBのデータ通信と5分30回まで無料通話できる「プラス1,000円プラン」は月額2,980円、7GBのデータ通信と10分、100回の無料通話可能な「プラス2,000円プラン」は月額3,980円となる。無料通話分を超える通話をした場合、1分20円の通話料がかかる。

 なお、同社は従来からデータ通信が容量無制限で利用可能なプランを提供してきたが、新プランの登場により従来のプランは10日以降、受付を終了する。以前のプランを利用しているユーザーが「かけたい放題」への変更を希望する場合はプラン変更に対応する。また、従来通りのプランを希望するユーザーはそのまま継続して利用が可能である。
《木暮祐一》
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