●脳と消化器がお互いに影響し合う? ヤクルトの「ビフィドバクテリウム ビフィダム YIT10347」(以下、B.ビフィダム Y株)は胃に効果が期待できるプロバイオティクスとして、これまでにピロリ菌抑制効果、胃粘膜傷害抑制効果、ピロリ菌陽性者における胃不定愁訴改善効果などが報告されている。 そこで、B.ビフィダムY株を含む飲料の継続摂取が、機能性消化管障害患者の消化器および心理自覚症状に及ぼす影響を調べるため、ヤクルトは東邦大学医学部と共同で臨床試験を実施した。一般的なビフィズス菌は、酸素があると生育できない偏性嫌気性なので腸にしか生息できない。B.ビフィダム Y株は、胃の中で効果を発揮しやすいように、胃粘膜への接着性が高い菌種を選び出し、強化培養により酸素耐性を強化したプロバイオティクスだ。 研究では、FDを含む機能性消化管障害の重症な患者を対象に、B.ビフィダムY株を含む飲料を1日100ml(B.ビフィダムY株の個数は10億個以上)、4週間毎日飲んでもらった。その結果、腹痛、下痢、便秘、胃もたれなどの消化管の不快な症状が改善され、飲用中止4週間後もその効果が持続していることがわかった。 また、イライラや活気など心理的な自覚症状も改善された。 今回の研究を担当したヤクルト中央研究所宮崎幸司(※)部長は「被験者には改善効果に喜んでいただけた。QOLの向上に役立つことがメリットです」と語る。同じくヤクルト中央研究所の五味淳指導研究員は「脳と消化器がお互いに影響し合う“脳腸相関”、“脳胃相関”がうかがえます」とコメントしている。※崎は旁の上が立。 今回得られた結果から、B.ビフィダムY株によって心理ストレスであるイライラ感を軽減し、胃腸の不快感を改善することで、機能性消化管障害患者のQOLの向上に役立つものと期待される。
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