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ユーザー目線の付加価値創造でMVNOの進化を加速させる……「モバイルフォーラム2015」開催

ブロードバンド 回線・サービス
総務副大臣 西銘恒三郎氏も駆けつけた
  • 総務副大臣 西銘恒三郎氏も駆けつけた
  • テレコムサービス協会会長 是枝伸彦氏
  • ジャーナリストの石野純也氏による基調講演も開催された
  • 三菱総合研究所 主席研究員 西角直樹氏
  • パナソニックが展開するMVNOサービスにもスポットが当たった
  • 日本通信 代表取締役副社長 福田尚久氏
  • プロダクトショーケースも用意され、MVNO各社の取り組みが紹介された
  • プロダクトショーケースも用意され、MVNO各社の取り組みが紹介された
 基調講演のトップバッターにはジャーナリストの石野純也氏が登壇。「ユーザーやメディアの視点から見たMVNO」と題した講演の中で、近年とくにMVNOサービスが注目を集める背景について、先に開催されたMWC 2015の取材により得た鮮度の高い情報を交えながら考察を述べた。

 石野氏は昨年4月に大手スーパーのイオンが独自ブランドのSIMカードとスマホをセットにした「イオンのスマートフォン」を取り扱うようになってから「格安SIM」という言葉に注目が集まるようになったとしながら、現在もプランの選択肢の豊富さと値頃感、電話としての使いやすさがアップし、量販店や直販店で手軽に端末やSIMカードが買えるようになり、一般層にも浸透し始めていると語る。その上でこれからの課題として、「MVNOに関する正しい仕組みがコンシューマーに理解されていない。出回っている端末によっては、サポートする周波数もバラバラであり、端末ごとの対応状況などをきちんと伝えるべき」とし、正しい理解が進まないことには、今後ユーザーが増えた際にもサポート提供における混乱にもつながるだろうとし、MVNOのサービスモデルに対して警鐘を鳴らした。

 単純に「格安SIM」と呼ばれ、認識されないためには価格以外の付加価値を強く打ち出すことが急務であるとも石野氏は述べる。また競争軸の定量化についても言及しながら、事業者間の競争力を可視化するために、ネットワークの品質表示も行うべきとした。石野氏はまた、大手キャリアにはできない道として、IoTを取り込みながらデジタルカメラやスマートウォッチなどのデバイスとSIMカードを組み合わせた“MVNOらしい”サービスの提供も有効に働くのではないかとも指摘を加えた。

 三菱総合研究所 主席研究員の西角直樹氏は「多様化するモバイルサービス~IoT、地方創生とMVNO」と題する講演を行った。西角氏は、政府による政策が背中を押したことからも、国内のMVNOによる事業環境が近年大きな伸びをみせ、格安スマホが躍進したと説明する。昨年から今年までに、国内ではGoogle検索のキーワードに「MVNO」「格安スマホ」の検索数が急増しているとしながら、スマホ・タブレット時代になって、ユーザーが自由に選べるようになったMVNOを、もう一度わかりやすくセット提案したことが「格安スマホ」がヒットした要因であるとコメントした。

 消費者にとってはモバイル通信の選択肢が多様化して、料金も低廉化してきたが、これからはMVNOによる新規事業開拓や付加価値をつくり出す方向への発展が期待されると西角氏は述べる。例として上げるのはBtoCだけでなく、BtoBにも広がるICTの利活用やIoT領域での産業創出の可能性だ。またMVNOが地方創生における重要な役割を果たすことへの期待についても、欧米諸国での成功事例や、国内では愛媛CATVによる地方密着型サービスの事例に触れながら紹介した。

 西角氏は「地方創生においてもMVNOの親和性はとても高いとみている。地域密着型の住民サービスだったり、地方自治体・地域コミュニティ、地場産業との強いネットワークを形成することにより、地域に対するきめ細かなサービスが提供できるようになる。そのためには競争原理だけでなく、社会政策や再分配製作の側面に目を向けることが大事であり、MNOとMVNOの連携・役割分担も問われるだろう」と述べた。
《山本 敦》
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