【インタビュー】オープンイノベーションで日本の企業を活性化する――レッドハット廣川社長 | RBB TODAY
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【インタビュー】オープンイノベーションで日本の企業を活性化する――レッドハット廣川社長

エンタープライズ 企業
日本の企業を活性化する
  • 日本の企業を活性化する
  • レッドハット 代表取締役社長廣川裕司氏
  • 3キャリアが揃うイベントはオープンソースならでは
 10月10日に都内にて「レッドハットフォーラム東京 2014」が開催される。オープンソース関連のイベントとしては国内最大級であり、米国レッドハットからCEOが来日するだけでなく、国内のさまざまな企業のオープンイノベーションの事例や展示も充実しているという。

 そこで、レッドハット 代表取締役社長廣川裕司氏に今回のイベントの見どころやレッドハットの戦略について話を聞いた。

 まず今回のフォーラムのテーマは「世界で勝つオープンイノベーション」と謳っているが、廣川社長自身はこの言葉をどのようにとらえているのだろうか。

「このテーマは、日本の企業が世界市場で競争力を身に付けてほしいという想いと、そのために必要なオープンソースによるイノベーションの数々を体験してほしいという想いを込めています。」

 現在、グローバル市場では、モバイル、ソーシャル、クラウド、ビッグデータの4つがキーとなっているが、これらの支える技術に仮想化をベースとしたSDx(Software Defined ~)がある。ネットワーク、ストレージ、データセンターなど、前述4つのキーワードに深く関わる技術が、ソフトウェアによって抽象化レベルを上げ、さまざまな業務にイノベーションをもたらそうとしている。

 そのソフトウェアの多くが、Linuxを始めとしたオープンソースソフトウェアで構成されていると廣川氏はいう。

 レッドハットがこの戦略でこだわっているのは、クラウドの共通基盤であるOpenStackと、DevOpsなど新しい開発環境・サービスプラットフォームとして注目されるOpenShiftだ。根底にはエンタープライズ向けLinuxでスタンダートとなるRHEL7(Red Hat Enterprise Linux 7)によるOS基盤があるが、パブリック、プライベートの別なくクラウドを利用、統合できるIaaS基盤として同社が強くコミットしているオープンソース スタンダードにOpenStackがある。現在では、その上位のPaaS基盤としてOpenShiftを提唱している。

 イベントでは、これらの基盤をベースとしたさまざまなソリューションや展示を見ることができ、各種のセッションも行われる。その見どころについても聞いた。

 廣川社長によれば、プログラムの見どころは4つあるという。まず、米国レッドハットCEO ジム・ホワイトハーストの基調講演だ。以前のオープンソースは、UNIXやWindowsなどプロプライエタリなOSの代替として後追いしていくことが多かったが、クラウドやビッグデータ時代にはスタンダードの先頭を走っているとのこと。とくにクラウドマネージメントにはOpenStackなどのコミュニティやオープンスタンダードの役割は重要となっている。そんな話がCEOから聞けるという。

 次の見どころはハイブリッドクラウドの事例やソリューションに触れることができる点だ。日産自動車 CIO 行徳セルソ氏の基調講演は、日産自動車におけるパブリッククラウドとプライベートクラウドを統合的に管理し、プロダクトチェーンやサプライチェーンに生かす取り組みが紹介される予定だという。

 3番目の見どころは、とにかく多彩な業界による事例セッションだという。ソフトバンクモバイル、NTTデータ、KDDIなど通信系3社がそろってセッションが行われるイベントはそう多くはない。他にもJALとANAなど特定の企業やグループなどに偏らない事例が見られるのも、オープンソース製品を利用したソリューションだからといえるだろう。

 見どころの最後は、パートナー企業によるソリューションの数々を見てほしいとのことだ。国内大手ベンダーに加えインテルやDellといったグローバルベンダー、SIerの展示も豊富だ。

 データセンター関連のソリューションでは、米国に対して遅れているといわれる日本の事業者に向けてRHEL7によるコンテナアーキテクチャの提案などが見られる。クラウドについては、パブリック、プライベートに分散したIT資産を統合管理するソリューションに特徴があるという。ビッグデータ関連では、クラウドストレージ技術に注目してほしいという。Cephクラスタによる分散ストレージソリューションは、ストレージコストを1桁安く済ませることも不可能ではない。

 クラウドやビッグデータに関連するソリューションでは、業務プロセスなど一般企業業務の効率化・可視化・自動化の提案もあるそうだ。製造業から流通・マーケティング業界にとっても、さまざまな業務プロセス、ルールをJBossミドルウェアを活用したBPM、BRMSの事例が役に立つかもしれない。

 近年のクラウドブームによって、日本でもクラウド基盤を使ったサービスを業務や事業として利用する企業が増えている。オンプレミスのサーバーのうち、Webサーバーやフロントエンド系のものはどんどんクラウドに代わられている。2015年にはWindows Server2003のサポートも切れるという。そのリプレースを考えているなら、いまのうちからクラウドソリューションへの切り替えを考えておくとよいのではないだろうか。
《中尾真二》
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