【インタビュー】『ライヴ』井口昇監督 前編……「新人俳優の未開の地を開拓するのが監督の楽しみなんですよ」 2ページ目 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】『ライヴ』井口昇監督 前編……「新人俳優の未開の地を開拓するのが監督の楽しみなんですよ」

エンタメ 映画・ドラマ
井口昇監督
  • 井口昇監督
  • 井口昇監督
  • (C)2014「ライヴ」製作委員会
  • (C)2014「ライヴ」製作委員会
  • (C)2014「ライヴ」製作委員会
  • 『ライヴ』5月10日公開 (C)2014「ライヴ」製作委員会
――映画ではヒロインがかわいいって感じがしなくて、変わった感じのキャラクターだったんですけど…。

わざとです、それは。「大野いとをなるべく生のまま、素材の風味のままお伝えします」っていうのをやりたいと思ったんです。今まで出られた作品を何本か観させていただいたところ、そこまで変だなと思わなかったんですけど…ほかの監督さんだと変えちゃうらしくて。

――大野いとさんは普段もあんな感じなんですか?

まあちょっと違うけど、ああいう風に声が裏返る感じはありますね。大野さんは顔が半笑いのままずっと椅子に座ってぬぼーっといる感じなんですよ。あと、ルミは方言を喋ってますが、大野さんは実際福岡出身なので、ほんとの方言で喋ってもらいました。

――伸介役を森永悠希さんにしたのは?

直人に対して対照的なキャラクターにしたいと思ったんです。背が高くてスラッとしている人が多い中で、森永さんは小動物みたいな面白い動きをする男の子で、直人とのギャップがあったので。実際はそんなちっちゃいわけじゃないんですけどね。山田さんが、「大野さんと森永くんと会話するときが結構苦労した」って言ってましたね。2人ともぼーっとしてる感じなんで、周りが盛り上げようといろいろちょっかい出したりするんですけど、打っても響かない(笑)。

――お2人はマイペースな方々なんですね(笑)。井口監督は新人の方をよく使われますが、新人がお好きなんですか?

そうですね、未開の地を開拓していくのが好きなんですよ。その人が今まで出してないオーラみたいなものを出せたら面白いだろうなって思っていて。監督っていう仕事は発掘していくのが楽しみでもあるので、キャスティングは監督にとってまず一番大きい仕事なんですよ。今回300人に会いましたから、すごく大変だったけど面白かったですね。

――芸達者な役者さんがいっぱい出て来て驚きました。新体操をやってるキャラの方とか…。

アカリ役の入来茉里さんはずっとちっちゃい頃から新体操を習っていらっしゃって、アクションもずっと稽古されていた、芸歴が長い方なんですけど、ルックスがおとなしめなんで、いつも「危ないです、気をつけてください」とか言っているような、アクションを見守るだけの役らしいんですよ。オーディションのときに動いてもらったら「うわぁー、すごい動けるじゃん」と思って、これはぜひ出てもらいたいと思ったし、「まさかこの人が殺人マシーンになるなんて」っていう意外性が欲しかったんで……今までアクションをされたことがないっていうのが抜擢の一番の理由でしたね。

――34歳のおばさんキャラの方もアクションがすごくてびっくりしました。

タマキ役の亜紗美さんは僕の映画に毎度出てきてるんですけど、アクションデビューさせたの、僕なんですよ。8年くらい前までは麦わら帽子とかワンピースを着ているような役ばっかりやってた美少女キャラだったんですよ、実は。

――ええっ、そうなんですか!?美人系の人とはまったく思わなかったです。

最初に彼女と会ったときに「この人にめちゃくちゃアクションさせたいな」と思って、「YOU!肉体を変えてみなよ!」って言ったら、本人もどんどん乗って、アクション稽古に通うようになって、体もムチムチになって……気付いたら独特なポジションについていましたね。この作品ではアクション要員というよりも、コメディエンヌというか、芸人的な扱いをさせてもらってますけど。彼女、まだ20代なんですよ。

――へえ~!全然見えなかったです!

30才いってないんですよ。毎回、亜紗美さんにはテーマを決めてるんですけど、今回は、もたいまさこさんとか泉ピン子さんとかのようなおばさんポジションに行かせたいな、と思って「なるべくおばさんエキスを吸ってきてくれ」って言って、研究させてきました。わざわざ浅草に言っておばさん研究しに行ったって言ってましたよ。だから、「34歳よりももっと上に見えるなぁ、47歳って言ってもたぶん大丈夫だったな」と今となっては思いますけど…一応気を遣っちゃったんですよね、20代だしなーと思って(笑)。
《奥 麻里奈》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top