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【インタビュー】日米ITベンチャーの動向・違い

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
Twilio Techical Porgram Manager Trenton McManus氏
  • Twilio Techical Porgram Manager Trenton McManus氏
  • Twilio Chief Marketing Officer Lynda Smith氏
  • インタビューに応えるTwilioのふたり
――米国の中でも東西による文化の違いがあると言われています。ITの分野においても東西の違いはあるのでしょうか。

Smith氏:一般論としては、あります(笑)。東海岸は保守的な企業が多く、西海岸にはオープンで革新的な企業が多いとされています。また、東海岸の企業はリスクに対して慎重ですが、西海岸はリスクをとることにあまり躊躇しません。中部や南部の企業は、投資より利益確保を優先に考える傾向があると思います。しかし、東海岸でもニューヨークなどはむしろサンフランシスコなどと似ているところがあります。それは、ベンチャー企業をとりまく投資環境など起業のためのインフラが整備されていることです。ベンチャーに特化した投資家もいますし、ニューヨーク発のITベンチャーもこれからは増えてくると思います。

――西海岸では、IT企業がシリコンバレーからサンフランシスコ市内にオフィスを移したり、市内で起業する例が増えていると聞きますが本当ですか。

Smith氏:はい。すべてではありませんが、市内にオフィススペースを取得しやすくなったことや、開発者や起業する人の好みやライフスタイルで、郊外より市内を選ぶ人もいるようです。

――Twilioは世界中で開発者向けのイベントを開催しています。国や地域によってイベントのスタイルに特徴などありますか。

Smith氏:Twilioでは、開発者には4つのタイプがあると考えています。ひとつはいわゆるハッカーと呼ばれるような人たち。お金儲けよりコードを書くのが好きだというような人ですね。次に起業家指向のある開発者。ハッカソンやミートアップイベントなど夜のイベントに好んで参加します。3つ目は企業の開発者。この人たちにとってコードを書くのは仕事であり生活のためです。Buildのような会社の経費で参加できるようなカンファレンスには出ますが、夜は家族と過ごす方を選びます。4つ目は「Guns for hire」(レンタルの銃)などと呼んでいますが、副業的にコードを書いたりスポットで開発を行う人たちです。フリーランスのプログラマもこれに分類されるでしょうね。

イベントの特色は、地域というよりこれらのどの層に向けたものかによると思います。ただ、西海岸では毎日のように何らかのカンファレンスやイベントが開催されています。西海岸の技術者はちょっとイベント疲れしているようです。

――Twilioでは、4つの内、どの層にフォーカスしてイベントを開催しているのでしょうか。

Smith氏:以前は、ハッカーや起業家にフォーカスしたイベントが全体の80%くらいを占めていましたが、最近では企業の開発者向けのイベントを増やしています。現在ではそれぞれ50%くらいずつではないでしょうか。これらが混ざった層をターゲットとするイベントもあります。

――ところで、Twilio CEOであるJeof Lawson氏は、先ほどの4つの分類だとどれに当てはまると思いますか(笑)。

McMullen氏:彼はやりたいビジネスに手頃なツールやソリューションがなかったので、TwilioのAPIを開発したくらいですので、ハッカーでもあり起業家でもあります。全部ですね(笑)。いまだに多くの開発者に支持されているのは、同じ目線でサービスやビジネスを考えているからだと思います。

――最後に、IBMやマイクロソフトも、BlueMixやAzureによって開発プラットフォームをクラウドにシフトしようとしています。どちらもTwilioのAPIが使えるようになっていますが、ユーザーはどのTwilioを選べばいいのでしょうか。

Smith氏:米国でもスタートアップから大企業までアプリケーションのプラットフォームや開発プラットフォームをクラウドに移行する動きが活発です。IBMもマイクロソフトもオープンプラットフォームでのビジネス展開をアナウンスしています。どちらの会社からもTwilioのAPIについて問い合わせがあり、現在、どちらのプラットフォームでもAPIが利用できるようになっています。質問の答えは、「ユーザーは必要としているプラットフォームによって選ぶことになるでしょう」ということになると思います。IBMプラットフォームでSCM(サプライチェーンマネジメント)システムを構築し、伝票の受発注処理に音声コールやSMSを使う必要があれば我々のAPIがそれを支援します。Azureを利用して新しいサービスを開発するとき、VoIPのAPIが必要でも同様です。ターゲットとするプラットフォームやソリューションごとに、すきなTwilioを選べばよいと思います。

――本日はどうもありがとうございました。
《中尾真二》
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