なぜ音声アプリベンチャーが高額買収されるのか?……Twilio Japan Summit 2014
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その例として、米国での事例を紹介。Lyft:というサービスは個人の車の空きシートをシェアするというもので、通勤時に優先レーンを活用するニーズを受けて広がっている。PayByPhoneは、パーキングメーターの残り時間をテキストメッセージで送ってくれるだけでなく、追加料金の支払いもスマートフォンからできるサービス。eHarmonyは電話番号を交換せずに出会いを提供する。
そのほか、コカ・コーラは自動販売機のメンテナンスや補充にTwilioのメッセージングAPIを使い、フィールドエンジニアの作業効率を上げ、故障による稼働率低下、売上低下を回避している。The Home Depotでは、家の修理や工具の使い方のサポートセンターをTwilioで実現。音声だけでなく画像メッセージによって操作や修理方法をアドバイスするサービスが人気だ。Hyattホテルでは、ルームサービスやハウスキーピングをSMSで依頼できるようにした。Remind101は、日本の学校でいえば連絡帳をSMSと音声通話に置き換えるもので、宿題提出率を上げたり親と教師のコミュニケーションにも役立っているという。
Smith氏は、このように多くの企業が音声通話やSMSに新しい付加価値を生み出し、ビジネスにつなげており、Twilioはこれからもそれを後押ししていくとした。
最後に登壇したのは、Twilio ビジネス開発本部長 Brian Mullen氏。Mullen氏は、Twilioを利用している開発者は世界中に30万人いるといい、多くのサービスの後ろでTwilio APIが動いており、ユーザーはTwilioを意識することなく使っているかもしれないとする。
Twilioがグローバルでこのように成功したのはなぜか。Mullen氏は、その理由について、同社のポリシーとビジネス戦略から次のように説明した。
まず、Twilioが世界中で利用されている背景には3つの要因があるとする。1つめは、開発者エクスペリエンスにフォーカスしていること。開発者エクスペリエンスは、ツールやシステムへの投資よりも重要だという。開発者が使いやすい環境、開発しやすいしくみを用意できるかどうかは、サービスの開発スピードや品質に関わる。2つめはオープンなビジネスプラットフォームであること。Twilioでは、通信事業者やサービスプラットフォームごとにAPIが異なることはないという。3つめはグローバルな接続性を確保していることだという。そのため、同社の戦略は各国のTier 1の事業者とパートナーシップを結ぶことであり、これにより安定したネットワークと電話番号を得ることができ、統一されたAPIサービスを構築できるとした。
グローバルな接続を維持しながらも、各国ごとに最適化したネットワークを展開できることも重要だという。現地ごとに最適化されたネットワークやサービスを展開することで、たとえばUBERのようにグローバルなサービス展開を支援できるとした。登壇終了後、Mullen氏に海外展開について聞いたところ、シンガポールやインドネシアなどモバイルネットワークが発達しているアジアにも注目しているとのことだった。