【柴咲コウ インタビュー】初ハリウッド挑戦 「キアヌはシャイな方、でも私も相当シャイ」 | RBB TODAY

【柴咲コウ インタビュー】初ハリウッド挑戦 「キアヌはシャイな方、でも私も相当シャイ」

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柴咲コウ/写真:黒豆直樹
  • 柴咲コウ/写真:黒豆直樹
  • 柴咲コウ/写真:黒豆直樹
  • 柴咲コウ/写真:黒豆直樹
  • 『47RONIN』 (C)Universal Pictures 
  • 『47RONIN』 (C)Universal Pictures 
  • 『47RONIN』 (C)Universal Pictures 
 これまで彼女が参加してきた作品を改めて並べてみると、ジャンルを問わず20代の出演作品のほとんどで主演、もしくはヒロインを務めていることが分かる。だが、そんなめまぐるしい活躍をよそに、柴咲コウは20代の自分を「さなぎ」と表現した。

 「まだまだ羽ばたく前の段階だったんだなと思います」。

 そして2011年、30歳を迎えようという頃、さなぎを覆う繭(まゆ)に「ピリっと割れ目が入る」きっかけともなる、ある作品の撮影が始まった。彼女にとって初めてのハリウッド作品となる『47RONIN』。あの「忠臣蔵」を全く新しい世界観で映画化した本作で、柴咲はキアヌ・リーブスが演じる主人公・カイと想いを通わせるヒロインのミカを演じた。

 「時期は忘れましたが、海外の作品でヒロインのオーディションがあるけど受けてみないか? という話をいただいたのが最初でした」。そのオーディションで、柴咲はカール・リンシュ監督と初めて顔を合わせ、彼の前でいくつかのシーンの演技をした。監督の反応から直感めいたものを感じたというが、その予感通り彼女はミカ役を手にした。

 自らの性格を「どちらかといえば保守的で受け身」と語る。国内で活動する限り、受け身でいてもオファーは向こうからやってくる。だがハリウッドとなるとそうはいかない。

 「チャンス自体が多いわけでもないので、自分から掴みに行かなきゃいけないし、主張することも必要になってくる。その思いは今回、オーディションを受けながらでふつふつと自分の中から浮かび上がってきましたね。私が日本でオーディションを受けていたのは17~18歳の頃で、『バトル・ロワイアル』もそうでした。でも、20代になってオファーをいただけるようになり忘れていた感覚――挑戦する、選んでもらう、自分から行くというパワフルな感情を今回、思い出したし、すごく新鮮に感じました。今回は運よく受かったけど、改めていま、自分が置かれているのがすごく幸運な環境だと感じたし、それに甘えちゃいけないってことを再確認させてもらいました」。

 「忠臣蔵」をベースにしつつも、舞台は日本ではなく、様々な文化や様式が入り混じった独特の世界が展開する。その中で「どれくらいの割合で日本らしさというのを求められているのか? 実際に監督の前でやりながら引き出してもらった部分が多かった」と振り返る。

 「手応えと呼べるものは自分自身では全くなくて(苦笑)、どうしたらいいのか日々悩みながら、満足することがないまま終わった感じでした」。

 とはいえ、リンシュ監督の演出は「妥協することを知らず、20テイクでも30テイクでも当たり前のように重ねていく千本ノックだった」という。だからこそ、その監督が出す「OK」を柴咲も全面的に信じて身を委ねた。

 そしてキアヌ・リーブスについて。最初に会ったのはロンドンでのミーティング。「誰もが知る有名俳優で、もちろん作品も見てたんですが、彼と共演するなんて実感が全くわかない状態でロンドンに行ったんです。そしたら、すごく自然に部屋に入ってきて、威圧感も、自分を主張するような空気も全くなく、気がついたら隣に座ってた感じ(笑)。こっちが気構えるヒマさえもないまま、フワッとその場の空気に溶け込んでいて、おかげでこちらも必要以上にナーバスにならずにいられました」。

 現場でも一緒に過ごす時間は多かったが「すごくシャイな方で、私自身も相当シャイだなと実感した(笑)」と振り返るように、何とも奥ゆかしい現場となったようだ。

 「ガツガツとこちらに踏み込んでくるようなところは全くないので、微妙な距離感を保ちつつ…。英語がまだその頃、すごく喋れるわけでもなかったというのもありますが、それ以前に日本でも私はスモールトークってダメなんです(苦笑)。何のテーマもなしに2分以上喋れない。『今日も天気が…』とかできない! その意味で、カメラが回ってないところでも、カイとミカの空気感のままいられたと言えるかもしれません」。

 “さなぎ”の話に戻ろう。意識して、繭を張っていたわけではなく「ふと振り返ってみると、そうだったと気づかされた」という。自分の中の受け身な部分を自覚しつつ「だからこそ、それをぶち壊したくもあった」。そう思った時、繭にピキっとひびが入った。

 「つらいことをやろう…やらなきゃいけないんだって思いましたね。行動を起こす時、『楽しそう』と『つらそう』のどちらの気持ちが先行するかというと、いつも後者なんです。でもフタを開けてみると楽しかったという経験はすごく多い。女優という仕事も元々、自分が目立ちたいとか有名になりたいって気持ちは全然なかったし、どちらかというと人前に立って何かをやるって苦手です。でもそれと引き換えに、演じたことを幸せだなと思える瞬間があったり、完成した作品を見て、出演してよかったなと思えたりする。そうやって心が揺れ動くって幸せなことなんだなと思います」。

 そしてここ数年、実際にスクリーンを通じて見せる姿や役柄にも変化が見受けられる。今回のミカという役も然り、本作の後に撮影され、この春に公開された『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』もそう。これまで数多く演じてきた気の強いヒロイン(とそんな彼女が持つ弱さ)とはまた違った、柔らかさを感じる。柴咲は「これまであまり見せなかった、素の自分に近い部分を見せられるようになってきたのかも」と語る。

 「人間、第一印象で他人を見てしまう部分はあると思うし、俳優というのはそれを大事にするべきだとも思います。でも、それだけじゃつまらないし、私自身もこれまでやってくる中で飽和状態を感じてました。新しい自分を見たいし、見せたい――実は内向的で、普段、外で見せているのとが違う部分をもっと出してもいいのかな? と思えるようになってきた。『本来の自分』が何なのかよく分からないところもありますが、まさに自分の本質を見つめ直したいという時期だったんだなと思います」。

 では今後、30代を歩むにあたってのテーマを尋ねると「色気(笑)?」と疑問形で答えが返ってきた。曰く「ずっと『色気がない』って言われてきたんですが、30になってから『20代とは違う何かが出て来てるね』と言ってもらえるようになってきたんです。そこを引き伸ばしてもらいつつ、自分でも出していきたい」。

 そして仕事をする上では「直感を信じたい」とも。「直感を疑えば疑うほどぶれていっちゃうんです。どうしたいのかもキャラクターもぶれていく。だから最初に『いいな』とか『ここに惹かれる』と感じたら、それを大事にしたい」。

 もしまたハリウッドでのチャンスが来たら「もちろんやりたいです」と即答。どんな役をやりたいか? という問いに、まさに頭で考えるより先に、直感を信じるかのようにスパッとこう言い放った。

 「ロックな感じの役をやりたいです(笑)」。

 『47RONIN』は12月6日より世界最速公開。
《黒豆直樹》

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