「誰もがザンネンで、誰もがヒーロー」『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 元永慶太郎監督インタビュー 前編 | RBB TODAY

「誰もがザンネンで、誰もがヒーロー」『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 元永慶太郎監督インタビュー 前編

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(C)創通・フィールズ/MJP製作委員会
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「誰もがザンネンで、誰もがヒーロー」
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 元永慶太郎監督インタビュー 前編

4月4日のTOKYO MXを皮切りに、全国27局でこの春スタートを切る新作テレビアニメ『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』。シリーズ構成を『けいおん!』の吉田玲子、キャラクターデザインを『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司が担当するなど、注目スタッフによる新機軸のロボットアニメとして期待が高まっている。

今回は制作真っ最中の元永慶太郎監督(『ヨルムンガンド』『刀語』など)にインタビューを慣行。制作中のエピソードから、2013年という時代にロボットアニメで描きたいこと、「ザンネン」な主人公たちに込めた思いまで、スタート直前に語れる範囲で最大限語ってもらった。
元永監督自身「バラエティ豊かな作品」と語る『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』は果たしてどこを目指すのか、王道と異色が交わる作品の新たな息吹を感じ取ってほしい。
[インタビュー取材・構成:野口智弘] 


―― 元永監督の『マジェスティックプリンス』(以下『MJP』)への参加の経緯は?

―― 元永慶太郎監督(以下元永)
最初に「ガンダムやエヴァではないロボットアニメを」というお題をもらった形で、僕自身ロボットアニメにいくつか関わっていたこともあって、声をかけてもらいました。準備に入ってからは約4年になりますね。
基本のストーリーと、マンガ雑誌の『ヒーローズ』と連動することは早い段階から決まっていました。作っている本人はそのつもりはないんですけど、いつの間にかどんどん大作になっちゃったという印象で、作り込んだらこうなったというのが正直なところです。

―― 宇宙が舞台のロボットアニメだと、いくらでもスケールは大きくできるわけで、やりたいこともどんどん増えますよね。

―― 元永
どんどん増えちゃいましたね。「どうせやるならこんなことも」と考えるうちにネタが膨らんでいったというか、みんなのアイデアを持ち寄った形ですね。
シリーズ構成の吉田玲子さんもロボットアニメは初めてということで、枠にとらわれないアイデアをたくさん出してくれましたし、途中から鈴木貴昭さんが軍事・SF考証として参加してくれて、宇宙空間のこととかバックボーンのリアリティを作り込んでもらいました。

―― 吉田玲子さんがロボットアニメのシリーズ構成を担当するのも新鮮ですが、吉田さん側に戸惑いなどはありましたか?

―― 元永
たぶん面白がってくれてたんじゃないかと思います。日常会話の面白さはやっぱり吉田さんにかなわないので、キャラクターを成長させていく過程は吉田さんにお任せしましたね。
そのなかでどんどん変な言葉も生まれてきまして、主人公たちが「ザンネンファイブ」と呼ばれている設定も突然吉田さんから出てきたんです(笑)。主人公たちがヒーローになっていく物語として考えていたときに「人間どこか残念だよね」という話になって、だったらもっと人間味あふれる感じにしてもらおうと。そこからシナリオを書いてもらっているうちに吉田さんから「こんなの思いついたんで」とザンネンファイブという言葉が出てきて、どんどんキャラクターが面白く転がっていきましたね。

―― メインスタッフではキャラクターデザインを平井久司さんなのも目を引きます。

―― 元永
僕が監督として入ったのはじつは後のほうで、吉田さんと平井久司さんの参加が先に決まっていましたね。その上で平井さんと初めて打ち合わせしたときに、デザインをふたつ出されたんです。その内のひとつが『MJP』のデザインになるんですが、それを見てびっくりしてすぐ「こっちで!」とお願いしました。
平井さんってやっぱりものすごく絵柄の幅が広いんですよね。メインの5人に関しては初期のデザインから大きく変わっていないんですが、いままで平井さんが描いたことがないタイプのキャラクターも相当いると思います。

―― 具体的にはどんなキャラクターですか?

―― 元永
例えばペコちゃんと呼ばれるマネージャーは軍人なのにドテラとスウェットを着てるとかですね(笑)、「かっこいいオペレーターってあまりいないよね」という話からオペレーターが美形になったりとか。
で、平井さんがどんどん描いたくれたものにどんどんOKを出しているうちに、気がついたらキャラ表が50人以上になっていたという(笑)。

―― 50人は集団劇としてもかなりの人数ですね。

―― 元永
F1のイメージで、劇中では整備員をピットクルーという呼び方をしてるんですが、主役5人に対してピットクルーが20人ぐらいいます。それプラス上司のスズカゼ、整備長のレイカ、それにオペレーターというのが常にセットで動くと。
そのたくさんいるピットクルーのオーダーをこちらから出すと、平井さんからドンと返ってくる。「メガネっ娘もお願いします」と言ったらメガネの女の子が出てくる。「アホ毛が足りないね」と言ったらアホ毛の子も出してくれる。すごいなあと思いました。なにがすごいって、絵コンテの段階でどの角度から描いても絵になるキャラクターばかりなんですよ。本当にびっくりしましたね。
平井さんには忙しいなか、ノリノリでやっていただいたのではないかと勝手に想像しています(笑)。

―― キャラクターの表情も豊かで、崩した顔も多いですね。

元永
平井キャラってシリアスなイメージが強いと思うんですけど、『MJP』ではアホ毛も出てくるし、なにしろ残念な連中なので表情も平気で崩れる。作画スタッフも最初は平井さんの絵を崩すのにちょっと遠慮していたんですけど、平井さん自身が第1話の作画監督として面白い絵をいっぱい描いてくれて、それがすごくかわいいんですよね。「じゃあもっと崩してもいいよね」ということで『MJP』ならではの平井キャラになっていると思います。

―― メカに関してはどんな方針でしたか?

―― 元永慶太郎監督(以下元永)
メカデザインは3人にお願いしました。というのも各陣営で明確にデザインを分けたかったんですね。
谷(裕司)君に主人公が属するMJPのメカは全部お任せしますと。森木(靖泰)さんには地球のGDF側をちょっとロートルな工作機械の延長線上で作ってもらって、敵側のウルガルを渡辺浩二君に任せる形で分けたんですね。そしたら画面のなかで見事にそれぞれのコンセプトがちゃんと成り立つ形になったので、そこは見どころかなと。

―― 『MJP』のロボットアニメとしてのポイントは?

―― 元永
MJP、地球側、敵側でデザインだけじゃなくてそれぞれ動きも変えてもらいました。MJPのアッシュはスーパーロボットっぽく滑らかに動くし、地球側のGDFはリアルっぽい『ガンダム』や『パトレイバー』系のメカ、それに対して生物的に動くのがウルガル側という、三者三様なところですね。
これまで自分が見てきたり、手がけてきたロボットアニメを全部入れたらどうなるんだろう、という試みもあります。

―― 元永監督は過去にも多くのロボットアニメに参加されていますね。

―― 元永
僕が演出で関わってきた作品だと『鉄人28号FX』がいわゆるスーパーロボットですし、ファンタジー系だと『(魔法騎士)レイアース』もありました。あれは師匠(平野俊弘)から「獣的なところもありつつメカ的な動きをさせろ」という無茶ぶりを振られた思い出深い作品ですね(笑)。
もしくは『(機動警察)パトレイバー』のように、自動車の延長線上でロボットが出てくる作品にも参加しています。

―― そういった作品のなかでは『MJP』はどういうタイプになりますか?

―― 元永
わりとスーパーロボットにしたかったかな。最初のガンダムも後のシリーズに比べると、かなりスーパーロボットですよね。
エヴァも兵器なんだけど同時にスーパーロボットで、あのバランスはうまいなと思うし、『MJP』でもリアルに寄りすぎない形でかっこいいところもしっかりやりたい。

そもそもヒーローを目指す5人の話なので、メカもヒーローっぽくしてあげようと。5人が乗るアッシュは谷君がデザインをがんばってくれて、初めてのデザインのわりには大胆に仕上げてくれました。動きについてもCGのオレンジさんががんばって作ってくれていますね。
ちょっと予想外だったのが、地球側のやられメカ的な機体が意外とかっこいい(笑)。そこはさすがに長年デザインをやっている森木さんだなと思います。ストーリーの面でもアッシュがヒーローメカである理由はだんだん明らかになるので、そこも楽しみにしてもらえればと思います。

『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』
2013年4月4日より、TOKYO MX、テレビ神奈川、KBS京都ほかにて放送開始
公式サイト http://mjp-anime.jp/
公式Twitter https://twitter.com/MJP_anime
《animeanime》

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