低燃費タイヤで年間1万円の節約も……普及はいつに? | RBB TODAY
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低燃費タイヤで年間1万円の節約も……普及はいつに?

エンタメ 調査
低燃費タイヤの例、ダンロップ「エナセーブEC202」
  • 低燃費タイヤの例、ダンロップ「エナセーブEC202」
  • 低燃費タイヤで年間1万円の節約も……普及はいつに?
  • 環境性能がますます求められる中、ダンロップは石油資源を一切使わない画期的なタイヤ「エナセーブ100」を2013年度中に発売する
  • タイヤラベリング制度、低燃費タイヤである場合の例
  • タイヤラベリング制度、低燃費タイヤでない場合の例
 2010年にスタートした「タイヤラベリング制度」。制度導入を契機に、この3年で目覚ましい進化を遂げてきた「低燃費タイヤ」は、タイヤメーカー各社が熾烈な開発競争や新商品投入で凌ぎを削り、業界の「主戦場」になりつつある。

 業界の勢力図を見ると、2012年度の低燃費タイヤ売上本数は、主力製品「エナセーブ」シリーズを揃えるダンロップが3年連続でトップ、「エコピア」シリーズを充実させたブリヂストンが2位、「ブルーアース」を用意するヨコハマタイヤ3位となっている。

 しかし、日本能率協会総合研究所の調査(調査対象:1万3790名)によると、2013年2月時点で自家用車保有者の低燃費タイヤ「購入経験率」は、15.2%にとどまるという。普及が進まない理由としては、「価格が高そう」、「低燃費タイヤのことが良く分からない」など、イニシャルコストとランニングコストの関係性が消費者に十分理解されていないことをあげている。

 そこで、低燃費タイヤを履く一番のメリットは、燃費を良くしてガソリン代にかかる費用を低く抑える事ができるという点であるが、実際に“どれくらいオトクなのか?”を考えてみた。

 ダンロップの担当者に話しによると、様々な条件により変動するものの、低燃費タイヤでない従来品「EC201」から低燃費タイヤの最高グレード「AAA」の「エナセーブPREMIUM」に変える事により、約6%の燃費改善が期待できるという。

 この6%を元に計算をすると、仮にガソリンが1リットル150円とし、月平均1000km程度走行、平均燃費10km/リットルとすると、年間で約1万円程度の節約効果になる。

 と、いくらタイヤの性能が良くてもタイヤの価格が高くてはメリットは薄れてしまう、実際に低燃費タイヤを購入した人の意見(日本能率協会総合研究所:調査対象500名)としても、購入重視点としては「低燃費性能」(46.4%)と「価格が手頃」(41.2%)が2大要因となっている。

 まだまだ価格の高い印象がある「低燃費タイヤ」ではあるが、そもそも「低燃費タイヤ」とは、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が策定した「転がり抵抗性能」と「ウエットグリップ性能」それぞれの基準を満たすタイヤ。「転がり抵抗性能」は、AAA(トリプルエー)からCまでの5段階で評価され、A以上が「低燃費タイヤ」とされる。一方で、濡れた路面でいかに止まることが出来るかを示したのが「ウエットブレーキ性能」で、こちらはaからdまでの4段階で評価される。この相反する性能を両立させたのが「低燃費タイヤ」となる。

 このうち、タイヤの転がり抵抗は、走行時のタイヤの変形によるエネルギーロス、トレッドゴム(接地面)の路面との接地摩擦によるエネルギーロス、タイヤの回転に伴う空気抵抗によるエネルギーロス、の3つの要因から構成されているが、実はタイヤ変形が9割程度で転がり抵抗に寄与してくる。

 低燃費タイヤの開発では様々なアプローチがあるが、主にタイヤの変形を抑えつつ、乗り心地やグリップ性能を両立させることに苦労することとなり、これが開発コストや製品自体のコストにかかってくるのである。極端な例を示すと、空気圧の減ったタイヤを想像してもらうと解りやすいかと思うが、タイヤの変形量が増えることで走行抵抗が増えるというわけ。ゆえに、どんなタイヤを履いていても空気圧をきちんと管理することは、燃費を悪化させない重要なポイントとなってくる。

 前出の、実際に低燃費タイヤを購入した人の購入重視点を見ても「低燃費性能」が「価格が手頃」を上回り、ここ数年で「低燃費性能」については確実な高まりを見せていることをうかがうと、価格と性能のバランスを理解する消費者が増えることで、低燃費タイヤは急激に普及時期を迎えることになるかもしれない。
《編集部》
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